ADHDと仕事のミス:なぜ繰り返す?どう対策する?
2025.04.06

この記事の要約: 職場で同じミスを繰り返してしまうタイプのADHD患者さん。原因と実践的な対策について医師の視点で解説します。自分を責める前に、できる工夫を知りましょう。
ADHDと仕事のミス:なぜ繰り返す?どう対策する?
「またやってしまった……」
書類の提出忘れ、会議の時間を勘違い、同じ指摘を何度もされてしまう——
職場でのミスが続くと、自信を失ってしまいますよね。
今回は、ADHD(注意欠如・多動症)と仕事のミスの関係について、「なぜ同じようなミスを繰り返してしまうのか」、そして「どうすればそれを減らしていけるのか」について、精神科医の視点からわかりやすく解説します。
なぜミスを繰り返してしまうのか?
ADHDの方が仕事でミスを繰り返しやすいのは、性格の問題ではありません。脳の「注意」「記憶」「実行機能」に関わる特性が影響しています。
主な要因は以下の3つです:
- 注意が持続しにくい
他の刺激に気を取られやすく、書類の誤字脱字、抜け漏れが発生しやすい。 - 短期記憶(ワーキングメモリー)が不安定
「あとでやろう」「覚えてるつもり」が抜け落ちやすい。 - タスクの優先順位づけが苦手
締切ギリギリになることが多く、焦りからさらにミスが増える。
自分を責めすぎないで
「なんでこんな簡単なことができないんだろう…」と自分を責めてしまう方も多いですが、それはあなたの能力や努力の問題ではありません。
ADHDの特性に合った「仕組み」や「環境」が整っていないだけなのです。逆に言えば、環境や工夫次第で、ミスを減らすことは十分に可能です。
ADHDの方向け:ミスを減らすための実践的な対策
1. すべて「見える化」する
- TODOリストは「スマホ」より「紙+目の前」が効果的。
2. タスクを「1つずつ」に分ける
- 「資料作成」ではなく「構成→図探し→文章」と細分化。
3. ミスの傾向を記録する
- 記録→振り返りでパターンを見つけ、事前に予防。
4. 周囲に相談・共有する
- 「忘れっぽいのでリマインドしてほしい」と伝えるのも自己管理。
5. 医療の力を借りることも選択肢のひとつ
- 神経発達症治療薬の力を借りることで、注意力や集中力が安定することがあります。
最後に
ADHDのある方が職場でうまくいかないとき、問題は「あなた自身」ではなく、「特性に合っていないやり方や環境」にあることが多いのです。
ひとりで抱えず、信頼できる人や医療機関に相談することが、ミスの連鎖から抜け出す第一歩になるかもしれません。
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よくある質問(FAQ)
Q. ADHDと診断されていなくても読んでいいですか?
A. もちろんです。「もしかして…?」と感じる方にも役立つ内容になっています。
Q. 薬を使わないと改善できませんか?
A. 環境調整や行動の工夫だけでも、日常生活は大きく改善する可能性があります。ただし、薬の力を借りた方が圧倒的に楽なケースが多いです。
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