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メタ認知とIQの関係――頭がいい人ほど、自分を客観視できる?
2025.03.04
「頭が良い人ほど自分の考えを客観視できる」と思いますか? 実は、IQが高いからといって、必ずしもメタ認知が高いとは限りません。 では、IQとメタ認知の関係はどのようになっているのでしょうか?
メタ認知とは何か?
メタ認知(metacognition)とは、「自分の考えや行動を客観的に把握し、調整する能力」のこと。
例えば、
- 試験勉強で「この問題は得意だから後回しにしよう」と判断する
- 「この部分は忘れやすいから重点的に復習しよう」と計画を立てる
これらはすべて、メタ認知の働きです。 この能力が高いと、学習効率が向上し、意思決定や問題解決にも役立ちます。
IQとメタ認知の関係
一般的に、IQが高い人はメタ認知能力も高い傾向があります。 特に、**流動性知能(Gf:新しい問題を解決する力)**とメタ認知には強い関係があると考えられています。
ただし、**結晶性知能(Gc:知識や経験に基づく能力)**とは、それほど相関が強くないことも。
つまり、IQが高いからといって、必ずしもメタ認知が優れているわけではありません。
IQが高くてもメタ認知が低いケース
IQが高くても、自分を客観的に見られないことがあります。 その理由として、以下のような要因が考えられます。
1. 自己評価のバイアス(ダニング=クルーガー効果)
- 賢い人でも、自分の誤りに気づけないことがある
- 逆に、自信過剰になり、自分の弱点を見逃してしまうことも
2. 教育・経験の影響
- 知識や経験が少ないと、メタ認知が育ちにくい
- 「自分の考えを振り返る」習慣がないと、メタ認知能力は向上しない
3. 感情や思考の偏り
- 強い感情(不安や焦り)があると、客観的に自己評価するのが難しくなる
- 完璧主義の人が、自分を過小評価しすぎることもある
メタ認知を鍛える方法
メタ認知は意識的に鍛えることができます。
1. 振り返り(リフレクション)の習慣をつける
- 例:「今日の勉強・仕事で何ができたか?」を毎日振り返る
2. 自己モニタリングを意識する
- 例:「今の判断は本当に最適だったか?」と自分に問いかける
3. 他者の意見を取り入れる
- 自分だけの視点では気づけないことがある
- 他者のフィードバックを活用することで、自己評価の精度を高める
まとめ:IQとメタ認知は相関するが、別のスキルでもある
- IQが高い人は一般的にメタ認知能力も高い傾向がある
- しかし、自己評価のバイアスや経験不足によって、メタ認知が低い場合もある
- メタ認知はトレーニングで鍛えられる
「本当に賢い人」とは、IQが高いだけでなく、自分を正しく理解し、成長できる人です。
あなたは、普段どれくらいメタ認知を意識していますか?
東洋医学とデータサイエンス・AIが実は相性良いという話
2025.02.28
こんにちは。今回は「東洋医学とAI・データサイエンスの相性」についてご紹介します。最近はAIをはじめとしたテクノロジーがいろいろな分野で活躍していますが、実は東洋医学の世界でも注目されているんです。いったいどういう仕組みで、どんなふうに役立っているのか、わかりやすくお話します。
そもそも東洋医学って?
東洋医学は古代中国や東アジアで発展してきた医学の総称で、漢方、鍼灸、推拿(すいな)などさまざまな治療法があります。特徴的なのは「全身のバランスを整える」という考え方。病気の原因を一部だけでなく、生活習慣や体質などを含めて総合的に見るのがポイントです。
具体的な診断には「四診(ししん)」と呼ばれる方法が使われます。四診とは、
- 見た目をチェックする「望診」
- 声や臭いを聞く「聞診」
- 患者さんへの質問(問診)
- 脈を触ったりお腹をさわったり(切診)
これらによって証(しょう)と呼ばれる体質や症状のタイプを判断し、その人に合った治療法を選ぶのです。

AIやデータサイエンスとどう関わるの?
ここでAIやデータサイエンスが登場します。AIはコンピューターに大量のデータを学習させ、パターンやルールを見つけ出すのを得意としています。たとえば、東洋医学には数千年分の膨大な文献やカルテがあり、これらを人が全部読むのは大変ですよね。そこでAIが過去のデータを分析して、どんな症状にはどの漢方薬や鍼灸が効果があるのか、証のタイプはどんなパターンが多いのかなどを見つけてくれます。
1. AIが診断を手伝う?
舌の写真をAIが解析して、わずかな色の違いまで判別したり、脈波を読み取って患者さんの体の状態を数値化する研究も進んでいます。これによって医師の勘や経験だけに頼るのではなく、客観的なデータも加えて診断をサポートできるようになるのです。
伝統的な中医学TCMとAIの融合:シンガポールのシンクタンクが発行したニュースレター
2. ぴったりの漢方薬を提案
漢方薬にはいろいろな生薬(生薬=自然由来の薬草や鉱物など)が組み合わさっていますが、その組み合わせ方は非常に奥が深いもの。AIを使ってこれまでの多くの処方データや文献を分析し、患者さんの症状や体質に合った漢方薬を提案してくれるシステムも研究・開発されています。
漢方もDX 患者に応じた診断支援AI 診療支援ソフト「KAMPO365works」
3. 経験の継承と標準化
東洋医学では、熟練した医師や鍼灸師の経験や勘が重要とされてきました。しかし、この「職人技」を後世に正しく継承するのは大変です。AIが膨大なカルテや施術データを整理すれば、「どんな症状には、どのツボへの鍼が有効だったのか」などの知識を誰でも活用できるようになり、東洋医学全体の底上げが期待できます。
実際の事例をいくつかご紹介
- 漢方処方の最適化: 日本では、医師の問診情報から患者さんの証をAIが自動判定して、候補となる漢方薬を提案してくれるシステムが開発されています。これがあれば、漢方に詳しくない医師でも比較的簡単に患者さんに合った処方を選べるかもしれません。
- 鍼灸データの解析: 大学や研究機関では、腰痛や片頭痛などいろいろな症状のデータをAIで分析し、「どのツボを組み合わせるのが効果的か」を探っています。こうした研究が進めば、これまで経験的に行われてきた鍼灸治療が、より科学的な根拠を得られるようになるでしょう。「Artificial intelligence-directed acupuncture: a review(人工知能主導の鍼灸:レビュー)」『Chinese Medicine』誌 ※この論文はPubMed Central(PMC)に掲載されていますが、その内容はNLMやNIHの公式見解を示すものではありません。
- 個別化医療への応用: 東洋医学はもともと患者さん一人ひとりに合わせて治療方針を変える「個別化医療」の考え方を持っています。AIがさらに患者さんの生活習慣や遺伝情報なども組み合わせて分析できれば、本当の意味でのオーダーメイド治療ができるようになるかもしれません。
まとめ 〜「古い」は「新しい」に通じる?
東洋医学はとても古い知恵ですが、だからこそ長い歴史の中で培われた豊富なデータがあります。そしてそれを扱うAIとの相性は実はとても良いのです。さらに、東洋医学はそもそも全身を見る総合的な考え方なので、今注目されている「個別化医療」との相乗効果も期待できます。
もちろん、AIが何でも解決してくれるわけではありませんし、現代医学と東洋医学の良いところをどう組み合わせていくかは今後の研究課題です。でも、古い知恵と最新テクノロジーの融合が、新しい医療の可能性を切り拓いていくことは間違いありません。
もし東洋医学に興味があって、自分の体質や症状について詳しく知りたいという方は、ぜひ当院までご相談ください。
もし東洋医学に興味があって、自分の体質や症状について詳しく知りたいという方は、ぜひ当院までご相談ください。
参考文献
- Zhou M, et al. (2021). Application of Artificial Intelligence in Traditional Chinese Medicine.
- Annals of Translational Medicine (2020). TCM Meets Data Science.
- JMIR Medical Informatics (2019). Big Data in Traditional Chinese Medicine.
- Forbes JAPAN. (2022). 東洋医学とAIがつくる未来.
【QEEG】自閉スペクトラム症(ASD)と脳波(QEEG)の関係について
2025.02.25
近年、脳の電気的な活動を記録する**QEEG(定量的脳波)**を使って、自閉スペクトラム症(ASD)の特性を理解しようとする研究が進んでいます。ASDの診断や支援に役立つ可能性のあるQEEGの研究結果を、できるだけ分かりやすく解説します。
1. ASDの脳波には特徴的な違いがある?
QEEGを使うと、ASDの人と定型発達の人で脳波に違いがあることがわかってきました。特に、**脳の「つながり方」**に特徴的なパターンが見られます。
- ASDの人は近い距離の脳のつながり(ローカル接続)が強くなりやすい
- 逆に、遠くの脳の領域とのつながり(長距離接続)が弱めになることがある
これは、脳の情報処理の仕方に影響を与えている可能性があります。
2. 脳波の周波数に特徴がある?
QEEGでは、脳波の周波数(デルタ波、シータ波、アルファ波、ベータ波、ガンマ波など)を分析することで、ASDの人の脳活動の特徴を明らかにすることができます。
- デルタ波(低周波)やガンマ波(高周波)が強め
- アルファ波やベータ波のバランスが崩れがち
これが、感覚処理の違いや注意のコントロールに関係している可能性が指摘されています。
3. ASDの脳は「カオス」状態になりやすい?
「脳の信号の複雑さ(エントロピー)」を調べる研究では、ASDの人の脳波は不規則なパターンが多いことが報告されています。
- 「情報が多すぎてノイズが増える」ケース
- 「単純すぎて柔軟に情報処理できない」ケース
などがあり、脳の情報処理のバランスが崩れやすい可能性があります。
4. 脳波を整える治療法の可能性
QEEGの研究をもとに、**TMS(経頭蓋磁気刺激)やNFB(ニューロフィードバック)**といった治療法が注目されています。
- TMS:特定の脳の領域に磁気刺激を与えて、脳波のバランスを整える
- NFB:脳波のデータをリアルタイムでフィードバックしながら、望ましい脳波パターンを学習する
これらの方法が、注意力や社会的コミュニケーションの向上につながる可能性があるとする研究が増えています。
まとめ
- ASDの人の脳波には特徴的なパターンがある
- 脳のつながり方や周波数のバランスが異なり、情報処理の仕方に影響を与えている可能性がある
- TMSやNFBなどの脳波を調整する治療法が、新たな支援の可能性として研究されている
今後の研究が進めば、QEEGがASDの診断や個別のサポートに役立つ可能性があります。これからも最新の研究に注目していきたいですね。
参考文献
- Ribeiro, L. B., & da Silva Filho, M. (2023). Systematic Review on EEG Analysis to Diagnose and Treat Autism by Evaluating Functional Connectivity and Spectral Power. Neuropsychiatric Disease and Treatment. PMC9968781
- Milovanovic, M., & Grujicic, R. (2021). Electroencephalography in Assessment of Autism Spectrum Disorders: A Review. Frontiers in Psychiatry. DOI: 10.3389/fpsyt.2021.686021
- Gurau, O., Bosl, W. J., & Newton, C. R. (2017). How Useful Is Electroencephalography in the Diagnosis of Autism Spectrum Disorders and the Delineation of Subtypes: A Systematic Review. Frontiers in Psychiatry. DOI: 10.3389/fpsyt.2017.00121
- Wang, J., et al. (2020). Increased EEG coherence in long-distance and short-distance connectivity in children with autism spectrum disorders. Brain and Behavior. DOI: 10.1002/brb3.1796
- Angulo-Ruiz, B. Y., et al. (2023). Linear and Non-linear Analyses of EEG in a Group of ASD Children During Resting State Condition. Brain Topography. PMC10415465
急に寒くなってきたときのメンタルケア:寒波に負けない心と体の守り方
2025.02.03
2月5日、福岡市にも今季最強の寒波がやってくると言われています。寒さが厳しくなると、体だけでなく心にも影響が出ることがあります。冷えは自律神経のバランスを崩しやすく、気分の落ち込みや不安感を引き起こすことも。今回は、寒さによるメンタルへの影響を和らげるための簡単なライフハックをご紹介します。

1. 床の冷え対策で心もホッと
寒くなると床が冷たくなり、足元から体全体が冷えることがあります。特に床上30㎝の空気の対流が減少すると、足の冷えが強まり、血流の悪化を通じてメンタルにも悪影響を及ぼします。
対策:
- ラグやカーペットの活用:床に厚手のラグやカーペットを敷くことで冷気を遮断。
- スリッパや厚手の靴下:断熱効果のあるスリッパやウールの靴下で足元を保温。
- 床暖房代わりの工夫:ホットカーペットや電気毛布を足元に置くのも有効です。
2. エアコンが効かないときの工夫
エアコンだけでは部屋全体を暖めきれないことがあります。冷たい空気は窓や壁から侵入しやすいため、ちょっとした工夫で室内の暖かさを保つことができます。
対策:
- 窓際の段ボール:窓際に段ボールを立てかけることで、放射冷却を防ぎます。
- 断熱シートの活用:窓に貼る断熱シートやアルミホイルで冷気の侵入を防ぎましょう。
- カーテンの工夫:厚手の遮熱カーテンを使用すると効果的です。隙間を作らず、床まで届く長さのものがおすすめ。
3. 加湿で心と体を守る
乾燥は風邪のリスクを高めるだけでなく、肌荒れや喉の痛みを引き起こし、それがメンタルの不調にもつながります。
対策:
- 加湿器の使用:部屋の湿度を50〜60%に保つことで、快適さが増します。
- 濡れタオルを干す:加湿器がない場合は、濡れタオルを室内に干すだけでも効果があります。
- お湯を沸かす:やかんや鍋でお湯を沸かし、蒸気を利用するのも一つの方法です。
4. 冷えによるメンタルへの影響を防ぐ生活習慣
寒さは自律神経を乱し、気分の落ち込みや不安を引き起こすことがあります。以下の習慣を取り入れて、心のバランスを保ちましょう。
対策:
- 規則正しい生活:同じ時間に寝起きすることで、自律神経のリズムを整えます。
- 温かい飲み物を摂取:生姜湯やホットミルクなど、体を内側から温める飲み物を意識的に摂取。
- 軽い運動:ストレッチや軽い体操で血流を促進し、冷えを防ぎます。
- 入浴の工夫:ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆっくり浸かることで、体の芯から温まりリラックス効果も期待できます。
5. 心のケアも忘れずに
寒さが続くと、気分が沈みがちになることもあります。そんなときは無理せず、自分を甘やかす時間を作ることも大切です。
対策:
- リラックス時間の確保:好きな音楽を聴いたり、温かい飲み物を片手に読書するなど、自分がリラックスできる時間を意識的に作りましょう。
- オンラインでの交流:外出が億劫なときは、友人や家族とオンラインで話すことで気持ちが軽くなります。
- 専門家の相談:気分の落ち込みが続く場合は、早めにメンタルクリニックに相談するのも一つの手です。
まとめ
急な寒波は体だけでなく、心にも影響を及ぼします。簡単なライフハックを取り入れて、冷えによるメンタルの不調を防ぎましょう。福岡市にお住まいの皆さんも、寒波に備えてしっかりと対策をして、この冬を元気に乗り切りましょう!
心も体も温かく保つことが、健やかな毎日への第一歩です。
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その不調、放置しないで!会社を休んだらメンタルクリニックへ行くべき理由
2025.01.27
日曜日の夜に体調を崩したり、眠れなくなったりすることはありませんか?これはいわゆる「サザエさん症候群」と呼ばれる現象に関連している可能性があります。この記事では、その原因や症状、そして対処法について解説します。
サザエさん症候群とは?

「サザエさん症候群」は、日本で広く知られる心理的な現象です。日曜日の夜、国民的アニメ『サザエさん』が放送される時間帯に、「週末が終わってしまう」「明日からまた学校や仕事が始まる」といった心理的ストレスや憂鬱感が増すことから、この名前が付けられました。
この現象は、翌週の仕事や学校に対する不安感やストレスが原因で、以下のような症状を引き起こすことがあります。
- 心の症状: 憂鬱感、不安感、気分の落ち込み
- 体の症状: 頭痛、胃痛、睡眠障害、食欲不振
もしこれらの症状が慢性的に続く場合、うつ病や適応障害といった精神疾患の可能性も考えられます。
サザエさん症候群が起きる理由
1. 翌日の仕事への不安
月曜日の仕事や学校に対するプレッシャーが不安を引き起こします。特に職場環境が悪かったり、仕事が忙しすぎたりすると、この不安感はさらに増幅されます。
2. 週末と平日のギャップ
週末にリラックスした時間を過ごすほど、平日への切り替えが難しくなることがあります。
3. 生活リズムの乱れ
週末に遅寝遅起きや昼寝をしすぎると、日曜夜に眠れなくなり、翌日に影響を及ぼします。
4. 未処理のタスク
週末にやり残した仕事や家事があると、罪悪感や焦りを感じることがあります。
5. ルーチンの切り替えへの抵抗
仕事が負担に感じられる場合、平日への復帰が心理的に大きなハードルとなります。
サザエさん症候群の対策
日曜夜の憂鬱感を和らげるために、以下のような対策を試してみてください。
1. 日曜日の夜にリラックスする時間を確保する
- 瞑想、軽い運動、読書、好きな音楽を聴くなど、自分がリラックスできる活動を取り入れましょう。
2. 翌週の準備を早めに行う
- 日曜日の昼までに必要な準備を終わらせておくことで、夜の不安感を軽減できます。
3. 生活リズムを整える
- 週末も平日と同じようなリズムで過ごすことで、体内時計を安定させましょう。
4. 翌週の楽しみを計画する
- 月曜以降に小さな楽しみ(好きなカフェでランチ、読書時間を確保するなど)を作ると、気分が前向きになります。
5. ストレスの根本原因を見直す
- 職場環境や仕事量が原因の場合、適切な対応策を考えることが必要です。休職や転職を含む大きな選択肢も視野に入れましょう。
6. 専門的なサポートを活用する
- 症状が強い場合や長期間続く場合は、精神科や心療内科での相談をおすすめします。認知行動療法(CBT)やカウンセリングを通じて、不安やストレスに対する対処法を学べます。
こんな症状があれば、専門家に相談を
以下のような症状が続く場合、放置せず専門家に相談しましょう。
- 日曜日の夜に毎回強い不安感を感じる
- 月曜日に出勤することが困難になる
- 頭痛や胃痛、睡眠障害が慢性的に続く
- 楽しいと感じることが減り、気分の落ち込みが続く
精神科や心療内科で適切な診断と治療を受けることで、症状の改善が期待できます。
テスラクリニックでサポートします!
当院では、
- うつ病や適応障害
- 大人の発達障害
- 休職相談や診断書発行
などに対応しています。オンライン診療も可能なので、お気軽にご相談ください。
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体の不調を感じたら、会社に行けなくなる前にぜひ受診を検討してください!
【QEEG】うつ病とADHDの意外な共通点:脳波で見えてくる脳の働き
2025.01.05
1. うつ病とADHDの関係とは?
「実はうつ病とADHDは、全く別のものだと思っていませんか?」
うつ病とADHD(注意欠陥多動性障害)は、一見すると全く異なる疾患に見えます。うつ病は主に抑うつ感や意欲低下、孤独感などの感情的な問題が特徴とされ、ADHDは多動や注意力不足、衝動性といった行動面の問題が目立つと考えられています。しかし、実際にはこれらの疾患の症状が重なり合うケースも多く、診断が難しいことが少なくありません。
特に、ADHDの大人(成人ADHD)においては、長年のストレスや自己評価の低下がうつ病の発症リスクを高めることが知られています。また、うつ病の患者さんが実際にはADHDを持っていることが診断後に判明するケースもあります。では、これらの疾患をどのように区別し、治療に結び付けることができるのでしょうか?その答えの一つが**QEEG(定量的脳波計測)**です。
2. 共通する症状:なぜ似ているのか?
うつ病とADHDは、以下のような症状が共通して見られることがあります:
- 注意力の低下: 仕事や学業での集中力の欠如。
- 疲労感: 心身のエネルギーが低下していると感じる。
- やる気の低下: どちらの疾患でも、物事を始める意欲が湧かないことがある。
- 睡眠障害: 入眠困難や過眠。
例えば、「最近仕事のミスが増えた」「物事に集中できない」といった悩みで受診された患者さんが、うつ病と診断される場合もあれば、ADHDが原因である可能性もあります。このような診断の難しさを解決するためのツールとして、QEEGが注目されています。
3. QEEGで見える脳波パターンの違いと共通点
QEEG(定量的脳波計測)とは?
QEEGは、脳の活動を客観的に測定できる技術で、特にADHDやうつ病における脳波の特徴を分析するのに役立ちます。この技術を用いることで、見た目や主観的な症状だけでは分からない脳の状態を数値化し、診断や治療の方向性をサポートします。
- うつ病の典型的な脳波パターン
- 前頭葉左側の低活動(アルファ波の過剰)
- 全般的なベータ波の低下
- ADHDの典型的な脳波パターン
- 前頭葉の高いシータ波/ベータ波比
- 注意力の低下を示すベータ波の減少
- 共通点と相違点 両者に共通して前頭葉の異常活動が見られることがあります。しかし、例えばADHDでは「過剰なシータ波」が特徴的なのに対し、うつ病では「アルファ波の過剰」が目立つといった具合に、具体的なパターンには違いがあります。この微妙な違いをQEEGで捉えることで、より正確な診断が可能になります。
4. QEEGを活用した診断と治療の未来
QEEGは、うつ病とADHDを正確に区別し、最適な治療計画を立てるための強力なツールです。特に、以下のような場面でその効果を発揮します:
- 診断の精度向上: QEEGを活用することで、主観的な症状だけに頼らず、脳の客観的なデータに基づいて診断を行えます。
- 治療効果のモニタリング:
- ADHDでは薬物治療の効果を測定し、必要に応じて調整。
- うつ病ではrTMS(反復経頭蓋磁気刺激法)や抗うつ薬の効果予測。
テスラクリニックでは、QEEGを用いた診断と治療を取り入れており、患者さんに個別化された治療を提供しています。例えば、QEEGを活用して脳波データを解析することで、薬物が効きやすいタイプかどうか、または非薬物療法が適しているかを見極めることができます。
5. 患者さんへのメッセージ
もし、現在「集中力がない」「気分が落ち込む」といった症状でお悩みなら、うつ病だけでなくADHDの可能性も考慮することが重要です。その逆も然りです。テスラクリニックでは、QEEGを活用して脳の状態を科学的に分析し、正確な診断と治療を目指しています。
どちらの疾患も、適切な治療を受けることで改善が期待できます。一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
6. 結論:正しい理解と診断のために
うつ病とADHDは、共通する症状を持ちながらも異なる疾患です。これらを正確に見分けるには、QEEGのような科学的なアプローチが欠かせません。テスラクリニックでは、患者さん一人ひとりに寄り添った治療を提供しています。
お困りの際は、私たちと一緒に脳の健康を取り戻す一歩を踏み出しましょう。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは
2024.12.25
PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)は、生命の危機や深刻な恐怖、トラウマ的な出来事を経験した後に生じる心理的な障害です。トラウマ体験に対する脳や心の適応がうまくいかず、症状が長期間持続するのが特徴です。
原因
PTSDは、以下のようなトラウマ的な出来事に曝露された後に発症することがあります:
- 戦争や戦闘の経験(退役軍人など)
- 自然災害(地震、津波、台風など)
- 暴力犯罪(強盗、性暴力、暴行)
- 事故(交通事故、職場での重大事故)
- 突然の喪失(親しい人の死亡など)
全ての人がトラウマを経験した後にPTSDを発症するわけではありません。遺伝的要因、過去の精神的健康状態、社会的サポートの有無などがリスクに影響します。
主な症状
PTSDの症状は、以下の4つのカテゴリーに分類されます。
- 侵入症状(フラッシュバックや悪夢)
- トラウマ体験が突然思い出される。
- 映像や感覚が現実のように感じられるフラッシュバック。
- トラウマを繰り返し思い出す悪夢。
- 回避症状
- トラウマに関連する場所、人、話題を避ける。
- トラウマを思い出させる状況を避ける。
- 過覚醒症状
- 常に警戒している感覚(過剰な驚き反応)。
- 睡眠障害や集中力の低下。
- 怒りっぽくなる、イライラする。
- 否定的な感情や認知の変化
- 自分や他人に対する否定的な思考。
- 楽しいことへの興味を失う。
- 感情の鈍麻(愛情や喜びを感じにくい)。
- 他人とのつながりの喪失。
診断基準
PTSDの診断は、DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)の基準に基づきます。以下の要件を満たす必要があります:
- トラウマ的出来事の経験または目撃。
- 症状が1ヶ月以上持続する。
- 症状が日常生活や社会活動に重大な支障をきたしている。
治療法
PTSDは治療可能な疾患であり、以下の方法が知られています。
1. 心理療法
- 認知行動療法(CBT)
トラウマ体験に関連する否定的な思考パターンを修正。 - 曝露療法
トラウマに関連する状況や記憶に少しずつ触れることで恐怖を軽減。 - EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)
トラウマ記憶を処理するための独自の方法。
2. 薬物療法
- 抗うつ薬(SSRIやSNRI)
パロキセチンやセルトラリンなどが第一選択。 - 抗不安薬や睡眠薬(一時的な補助として)。
- 漢方:神田橋処方(桂枝加芍薬湯+四物湯)が効くことがある(オフラベル使用)
- その他の薬物療法:過覚醒(睡眠障害や過剰な驚愕反応)を緩和する目的で、ADHD治療薬であるインチュニブ(グアンファシン)を使用したり、注意力や集中力が低下の改善や感情調節機能の改善を目的として、同じくADHD治療薬のストラテラ(アトモキセチン)の使用を検討することがあります。いずれもオフラベル(適応外)としての使用であり、使用に際しては主治医・専門医とよく話し合われるのが良いでしょう。
3. 補助療法
- リラクゼーション法や瞑想
ストレス軽減を目的とする。 - rTMS(反復性経頭蓋磁気刺激法)
前頭葉の調整を通じて過覚醒や否定的思考を軽減する可能性がある。
オフラベル使用について
当院では、患者様の症状や治療ニーズに応じて、医師の判断に基づき、一部の薬剤を適応外使用(オフラベル)する場合があります。適応外使用とは、薬剤が承認されている使用方法以外の目的で使用されることを指します。このような治療法は、国内外の臨床研究やガイドラインに基づくものです。ただし、日本では正式な適応症として承認されていないため、効果や安全性について十分なエビデンスが揃っていない場合もあります。
詳細につきましては、診察時に医師にご相談いただき、治療の選択肢について一緒に検討いたします。
【QEEG】PTSDについて脳波でわかること
2024.12.25
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の患者において、QEEG(定量的脳波検査)を用いて観察される特徴的な所見がいくつか報告されています。これらの所見は診断や治療計画の立案に役立つ可能性があります。
PTSDとは
PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)は、生命の危機や深刻な恐怖、トラウマ的な出来事を経験した後に生じる心理的な障害です。トラウマ体験に対する脳や心の適応がうまくいかず、症状が長期間持続するのが特徴です。
詳しくは以下のリンクをご参照ください。
PTSDに関連するQEEGの所見
- 前頭前野の過活動または低活動
- 特に前頭前野(特に前頭極、前頭前皮質)の低活動が見られることがあります。
- 前頭前野は感情調整や意思決定に関与しており、この領域の異常はPTSDの症状(過覚醒や回避行動)に関連することがあります。
- アルファ波の異常
- 安静時アルファ波(特に後頭部で優位)が減少することがあります。
- アルファ波の減少は過覚醒や不安症状と関連している可能性があります。
- デルタ波やシータ波の増加
- 前頭葉または帯状回でのデルタ波やシータ波の増加が観察される場合があります。
- これらは、感情処理や記憶の異常な活動に関係していると考えられています。
- 高ベータ波の過剰
- 特に前頭葉や側頭葉で高ベータ波の過剰な活動が報告されています。
- これは過覚醒状態や過剰なストレス反応を反映している可能性があります。
- 脳波のコヒーレンス異常
- 異なる脳領域間での情報伝達の異常(コヒーレンスの低下または増加)が観察されることがあります。
- 特に感情処理に関連する領域(扁桃体、前帯状皮質)とのつながりの変化が関与する可能性があります。
- 非対称性(α/β比の不均衡)
- 左右の半球間でのアルファ波やベータ波の不均衡が観察されることがあります。
- 左右の非対称性は感情処理やストレス応答の異常を示唆します。
QEEGの役割
- 診断の補助
QEEG単独でPTSDを診断することはできませんが、臨床的評価を補完するデータとして利用できます。 - 治療のモニタリング
rTMSやバイオフィードバック、認知行動療法などの治療効果をモニタリングする手段として役立ちます。 - パーソナライズ治療
特定の脳波異常に基づいて、治療のターゲット(例:rTMSの刺激部位)を絞ることが可能です。
注意点
QEEGの所見はあくまで統計的な傾向であり、個々の患者で必ずしも一致するわけではありません。他の神経精神疾患(うつ病、全般性不安障害など)とオーバーラップする特徴もあるため、包括的な臨床評価と組み合わせる必要があります。
福岡市中央区のテスラクリニックではQEEG検査を導入済みですので、PTSDの症状でお困りの方は是非一度ご相談ください。
【漢方相談】幸せホルモン『オキシトシン』とは?漢方で分泌が促される可能性
2024.12.17
オキシトシンとは?心を癒す「幸せホルモン」
みなさんはオキシトシンというホルモンをご存じですか?
オキシトシンは「幸せホルモン」や「癒しホルモン」とも呼ばれ、安心感や信頼感を感じたときに脳内で分泌されます。
具体的にはこんな場面で分泌されます:
- 大切な人とハグや手をつなぐとき
- ペットを撫でたり、癒される時間
- 信頼できる人と会話し、笑い合うとき
- リラックスして心がほっとする瞬間(マッサージ、瞑想、温泉など)
- 誰かを助けて感謝されたとき
オキシトシンが増えることで、ストレスが和らぎ、心が穏やかになる効果が期待されます。
そんなオキシトシンですが、実は漢方薬のひとつ「加味帰脾湯(かみきひとう)」が、このホルモンの分泌を助けるかもしれない、という研究結果が出ています。
論文本文はこちら
日本の伝統的な漢方薬である加味帰脾湯は、急性ストレスを受けたラットのオキシトシン分泌を増加させる
Kamikihito, a traditional Japanese Kampo medicine, increases the secretion of oxytocin in rats with acute stress
J Ethnopharmacol
. 2021 Aug 10:276:114218. doi: 10.1016/j.jep.2021.114218. Epub 2021 May 23.
<要約>
加味帰脾湯(Kamikihito)は、14種類の生薬から構成される日本の伝統的な漢方薬で、精神不安や不眠症などの治療に用いられています。近年の研究では、加味帰脾湯がオキシトシンニューロンを活性化し、オキシトシンの分泌を促進する可能性が示唆されています。オキシトシンは、抗不安・抗ストレス作用を持つホルモンとして知られており、加味帰脾湯の精神症状改善効果には、オキシトシン分泌促進が関与していると考えられます。さらに、加味帰脾湯の構成生薬の一部には、オキシトシン神経の興奮性を制御するイオンチャネルであるTREK-1 K⁺チャネルを阻害する作用が認められており、これがオキシトシンニューロンの活性化に寄与している可能性があります。
加味帰脾湯とは
加味帰脾湯(かみきひとう) は、伝統的な漢方薬の一つで、心と体のバランスを整える効果があるとされ、主に精神不安や不眠、疲労感などの症状に使われます。
加味帰脾湯は、「気(き)」「血(けつ)」の不足を補い、心(こころ)と脾(ひ)(消化吸収機能)をサポートする処方です。
期待される効果:
- 不安や緊張を和らげる
- 眠れない、寝つきが悪いといった不眠症状の改善
- ストレスによる食欲不振や胃腸の不調の改善
- 疲労感や動悸、貧血などの体の不調の緩和
加味帰脾湯の構成
14種類の生薬から構成されており、代表的な生薬には以下のようなものがあります:
- 人参(にんじん):気を補い、体力をつける
- 黄耆(おうぎ):免疫力を高め、疲労回復を助ける
- 遠志(おんじ):精神を安定させ、眠りをサポート
- 酸棗仁(さんそうにん):不眠や不安を和らげる
- 柴胡(さいこ):ストレスを軽減し、気の流れを整える
これらの生薬が組み合わさることで、心の安定と身体の健康を同時にサポートします。
どんな人におすすめ?
- ストレスが多く、気分が落ち込みやすい
- 眠れない、夜中に目が覚める
- 疲れやすい、体がだるい
- 食欲が湧かない、胃腸の調子が悪い
漢方薬「加味帰脾湯」の新しい発見
加味帰脾湯は、古くから心の不調やストレス性の症状を和らげるために使われてきた漢方薬です。今回紹介した研究(2021年)では、加味帰脾湯という漢方薬がオキシトシン分泌を促進する可能性が示されました。
オキシトシンの主な中枢性作用
- 社会性行動(絆・信頼形成)
- 母性行動
- 生殖行動
- 自律神経系就職
- 接触抑制
- ストレス緩和
- 自閉症状改善
古くから指摘されていた効能だけでなく、発達障害(ASD)に伴う二次的なうつや自律神経失調症にも効果が期待できそうです。
ストレス社会で注目される「加味帰脾湯」とテスラクリニックの治療
ストレスや不安、心の疲れを感じている方が増えている現代社会。加味帰脾湯のような漢方治療は、心と体の両方からアプローチできるため注目されています。
当クリニックでは、以下の治療を組み合わせて提供しています:
<保険診療部門>
- 一般的な精神科・心療内科診療(抗うつ薬や睡眠薬の投薬、心理検査など)
- 漢方治療(加味帰脾湯などの処方)
- <自由診療部門>
QEEG検査(脳波解析)による脳の状態の可視化 - TMS治療:ピンポイントでの脳機能を改善
- 東洋医学アドバイザー
- 鍼灸治療:東洋医学のプロが心身の不調を調整します
心が疲れていると感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:オキシトシンと漢方で心をケア
「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンを増やすことは、ストレスや不安から解放される大切なステップです。
加味帰脾湯をはじめとした漢方治療と最先端医療を組み合わせ、心身のバランスを整えるお手伝いをいたします。
テスラクリニックは、あなたの心と体に寄り添う治療を提供します。
「心が疲れている」「眠れない日が続いている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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強迫性障害(強迫症)と眼窩前頭皮質:QEEG検査で見える脳の活動とは?
2024.12.10
強迫性障害(OCD)は、強迫観念と強迫行為によって日常生活に大きな影響を与える精神疾患の一つです。その発症メカニズムには複数の要因が絡んでいますが、近年の研究では脳の特定の部位、特に**眼窩前頭皮質(OFC:Orbital Frontal Cortex)**の異常が重要な役割を果たしていることが明らかになっています。本記事では、OCDと眼窩前頭皮質の関係、そしてQEEG検査がどのように診断や治療のヒントを提供するのかについて解説します。
眼窩前頭皮質(OFC)とは?
眼窩前頭皮質は、脳の前頭葉に位置し、主に以下のような機能を担当しています:
- 意思決定:選択肢を評価し、適切な行動を選ぶ。
- 感情の調整:感情的な反応を制御し、柔軟に対応する。
- 報酬と罰の予測:行動の結果を予測し、それに基づいて行動を修正する。
OCD患者では、この領域の過活動がしばしば観察されます。これが、繰り返し不安を感じたり、不要な行動を繰り返したりする症状につながると考えられています。

QEEG検査とは?
QEEG(定量的脳波検査)は、脳波データを数値化・視覚化することで、脳の活動パターンを分析する検査です。OCD患者では、特定の周波数帯域(特にベータ波やアルファ波)が異常を示すことがあります。
OCDとQEEGの関連性
- 過活動の検出
眼窩前頭皮質周辺の脳波活動が過剰である場合、それがOCDの強迫観念や行動の基盤になっている可能性があります。 - ネットワークの不均衡
眼窩前頭皮質と他の脳領域(扁桃体、視床など)とのネットワークの乱れも確認されることがあります。
QEEGは、こうした異常を非侵襲的に検出し、患者個別の治療計画作成に役立てることができます。
眼窩前頭皮質の異常が強迫症に与える影響
眼窩前頭皮質の過活動は、以下のようなOCD症状に関係しています:
- 不安の持続
何かが「間違っている」という感覚を繰り返し感じ、安心できない。 - 行動のループ化
確認行為や清潔行為など、強迫的な行動をやめられない。 - 柔軟性の欠如
新しい状況や情報に適応できず、同じ思考や行動を繰り返す。
QEEGによって、これらの症状の背景にある脳活動の特徴を客観的に把握できます。
QEEG検査のメリット
- 個別化された治療計画
患者の脳波データをもとに、特定の症状に合わせた治療(薬物療法、認知行動療法、TMSなど)を提案できます。 - 治療効果のモニタリング
治療前後の脳波を比較することで、治療の効果を定量的に評価できます。 - 非侵襲的で安全
QEEGは身体への負担が少なく、安心して受けられる検査です。
治療とQEEG:次世代のアプローチ
OCDの治療では、薬物療法(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI)や認知行動療法(CBT)が一般的ですが、これに加えて**TMS(経頭蓋磁気刺激法)**が注目されています。QEEG検査は、TMSのターゲットを特定する際にも役立ちます。
例えば、眼窩前頭皮質の過活動が認められる場合、この部位を標的にしたTMSが効果的である可能性が示唆されます。
まとめ
強迫性障害は、脳の特定の部位、特に眼窩前頭皮質の異常活動と深く関連しています。QEEG検査は、こうした脳の活動パターンを可視化し、診断や治療の個別化に貢献する画期的なツールです。OCDに悩む方やその治療を検討している方にとって、QEEGは新たな希望となるかもしれません。
テスラクリニックでは、QEEG検査を通じて患者一人ひとりに合った治療をご提案しています。強迫症状でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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