2025年09月のブログ記事一覧
セカンドオピニオンを受けたい!→自費になるってどういうこと?
2025.09.26
1. セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは、今かかっている主治医とは別の医師に「診断や治療方針について意見を聞くこと」です。
「今の治療でよいのか」「他に選択肢はあるのか」を確認するために、多くの方が利用します。
2. 保険診療と自費診療の違い
日本の医療は原則「健康保険」が使えます。
ただし、保険が使えるのは“治療”が目的の場合だけです。
例:薬を処方する、検査を行う、症状に対応する など。
一方で、セカンドオピニオンは「治療」ではなく、意見を聞くこと自体が目的です。
そのため、保険のルール上「対象外」とされ、自費(自由診療)扱いになります。
3. よくある誤解
- 「診察だから保険がきくのでは?」 → 実際には“相談”の位置づけなので対象外。
- 「紹介状があれば保険でできるのでは?」 → 紹介状は情報共有のための書類で、保険の可否には影響しません。
- 「検査をすれば保険になるのでは?」 → 検査をすればその分は保険算定できますが、「意見を聞く時間」自体は自費です。
4. まとめ
- 治療目的 → 保険診療
- 意見を聞く目的 → 自費診療
セカンドオピニオンが自費になるのは、「保険のルールが“治療”に限られているから」というシンプルな理由です。
安心して治療を続けるために、自費であっても価値がある選択といえます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
「セカンドオピニオンを受けたい!」と思ったとき、
- 主治医を変えたいのか?
- 治療方針を見直したいのか?
- それとも純粋に他の医師の意見を聞きたいのか?
――その目的をはっきりさせることが、よりよい相談につながります。
テスラクリニックでのご相談について
当院では、「医療相談枠」(15分あたり3,300円)を設けています。
これは「セカンドオピニオン外来」とは異なり、紹介状や検査データの提出を必須としていません。
現在の治療について不安がある、別の視点を聞いてみたい――そのようなときに、患者さんの感じていること・考えていることを整理し、次の一歩を一緒に検討する場としてご利用いただけます。
必要に応じて、専門医療機関や正式なセカンドオピニオン外来をご案内することも可能です。
オンラインでも同様にご相談いただけます。
紹介状(診療情報提供書)を「開けていいの?」——信書開封罪との関係を整理します
2025.09.26
病院で診察を受けたとき、「紹介状」を封筒に入れて渡されることがあります。
そのとき、ふと疑問に思ったことはないでしょうか。
「これ、勝手に開けたら法律違反になるの?」
信書開封罪とは?
刑法133条には「信書開封罪」という規定があります。
これは、他人あての封をした手紙や文書を、正当な理由なく開封すると処罰されるというものです。
通信の秘密を守るためのルールですね。
紹介状は誰のもの?
紹介状は形式上「宛先の医師」あてに作られます。
しかし実際には、患者本人の治療のために作られた文書です。
そのため、患者が自分で開封することは法律的にも問題ありません。
むしろ、医療情報を自分で管理・理解する一環として自然な行為といえます。
家族や他人が開けたら?
一方で、患者本人の同意なく家族や他人が封を開けると、形式的には信書開封罪にあたる可能性があります。
ただし実務では刑事事件になることはほとんどなく、むしろ個人情報保護や守秘義務違反の観点で注意されることが多いです。
別の病院に渡すとき
「この紹介状を、別の先生に見せてもいいの?」
もちろん可能です。
患者本人が開けて内容を確認し、別の医師に渡すことは完全に適法です。
自分の医療情報をコントロールするのは患者の権利ですから、安心してください。
まとめ
- 紹介状を本人が開けるのは自由。罪にはなりません。
- 本人の同意なく他人が開けると問題になる可能性はある。
- 別の医師に渡すのも本人の自由。
紹介状は「秘密の手紙」ではなく、あなたの治療をスムーズに進めるための医療情報ツールです。
大切に扱いながら、必要な場面で活用していきましょう。