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2023年07月のブログ記事一覧

カフェイン摂取はADHD治療で注意力の向上や学習に対する改善が期待できる

2023.07.30

 ADHD治療に対するカフェインの影響について、面白い記事があったので共有させていただきます。

ケアネット様の元記事(医師限定)

記事のもとになった論文はこちら

Effects of Caffeine Consumption on Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD) Treatment: A Systematic Review of Animal Studies
Javier C Vázquez et al., Nutrients. 2022 Feb 10;14(4)

内容としてはスペインのカタルーニャオベルタ大学の先生が、動物実験においてADHD治療に対するカフェインの影響を検討するシステマティックレビューを実施した、というものです。

 ADHD治療に対するカフェインの影響についてのシステマティックレビューの主な結果は以下のとおり。

・カフェイン摂取はADHD治療で、血圧や体重に影響を及ぼすことなく、注意力の向上、学習、記憶、嗅覚の識別に対する改善が期待できる。
・これらの結果は、神経・分子レベルで支持されている。
・しかし、多動性・衝動性の調整に対するADHD治療のカフェインの影響に関しては、矛盾した結果が得られており、さらなる解明が必要とされる。

 著者らは「これら動物実験レベルで確認されたADHDに対するカフェインの影響は、とくに青年期ADHD治療に流用される可能性が示唆された」としている。

ADHD診療の中で、カフェインを患者さんに勧めることはあまりありませんが(用法容量を守るように伝えないとカフェイン中毒になるまで飲み続けてしまうADHD傾向の人も少なくない+そもそも日本人にはカフェイン不耐症の人が多いため)ADHDの患者さんが生きやすくなるライフハックとして、頭の片隅にとどめておきたいですよね。

暑い日が続きますが、お風呂には入りましょう

2023.07.25

猛暑日が続いておりますね。7月25日(火)の福岡市の最高気温は34℃だそうです。クリニックのある福岡市中央区は周囲がコンクリートで囲まれているので、体感温度でさらに上がるでしょうか。

暑い日が続き、メンタルが落ち込んでいるときほどお風呂をシャワーで済ませてしまいがちですが、これはあまりよくありません。

よく、「お風呂に入れなくなるほど症状がひどくなったらうつ病。病院に行った方が良い」といいますが、まさしくそうでして、うつの症状が悪化してくると日常的にできることが面倒くさくなり、入浴をシャワーで済ませたり、お風呂に入らなくなってしまったりと、日常生活に影響が出てきます。

入浴の有無で睡眠の質が大きく変わってきます。深部体温が入浴によって上昇し、お風呂上りにゆっくり冷えることで、心地よい睡眠が得られます。これは脳の回復に大きな影響を及ぼしています。

不眠症・うつ病の患者様が当院には多くいらっしゃいますが、入浴は治療においてもとても重要なファクターです。

お薬を飲むだけでなく、生活習慣を整える意味でも、お風呂に入ってから眠りましょう。

暑くて寝つけない、夏なのに元気が出ず、気分が落ち込むなどお困りごとがあれば、いつでも当院にご相談ください。

睡眠の質を良くするには

2023.07.14

院長の三島です。診察をしていく中で医者が患者さんに気づかせてもらえることということは意外と多くあります。

当院にご相談にいらっしゃる患者さんの主訴つまり「患者さんが言ったことのなかの、最も大切な部分」で最も多いのは

・気分が落ち込む(うつ状態)

・眠れない(不眠)

の二つです。今回は「眠れない(不眠)」について考えましょう。

国籍を問わず、世界人口のおよそ10-30%の人が不眠症に悩まされています。

不眠症にも種類がある

不眠症にもいくつか種類があり、それぞれどのような症状を呈するかで分類が変わってきます。

不眠タイプで分ける

  • 寝つきが悪い(入眠困難)
  • 入眠はできるが、夜中に目が覚めてしまい、一度目が覚めてしまうとなかなか寝付けない(中途覚醒)
  • 早く目が覚めてしまい、なかなか寝付けない(早朝覚醒)
  • 上記の複合型

症状の持続期間で分ける

  • 急性期の不眠:1晩または数週間続く急性のもの
  • 慢性的な不眠:3ヵ月以上にわたって週に3晩以上影響する

不眠の原因ごとに分ける

  • 職場の環境、過労、シフト勤務(夜勤や交代制勤務など)、ストレス、悪い睡眠習慣(眠る前のスマートフォン操作など)
  • 痛み、心臓や甲状腺の病気、更年期障害、うつ病、認知症、睡眠時無呼吸症候群、逆流性食道炎、レストレスレッグス症候群など、身体状況や基礎疾患に付随する不眠
  • 特定の薬物の使用に伴うもの
  • カフェイン、ニコチン、アルコールなどによるもの

この中で意外に多いのはアルコールと悪い睡眠習慣(眠る前のスマートフォン操作)、過労などです。

休肝日が週に2日以上なく、仕事の影響で飲酒量が増えてしまっている人の場合、より顕著に不眠に陥る印象があります。

不眠症の治療は?

不眠症の症状を良くするためには実のところ、薬による治療よりも、不眠の原因から距離を置くこと、生活習慣の改善を優先した方が良いケースがほとんどです。

しかし、実際にクリニックに来院されるほど困っている急性期の不眠症の患者さんがこれらのことを実施することは困難なので(特に急性期の不眠症にうつ状態を伴っていることが多い)、睡眠薬を使って治療を開始することが多いです。急性期の不眠を睡眠薬で乗り切りながら、生活習慣を改善していき、睡眠薬なしで普通に入眠できるようにしていくのが目標です。医師は一緒に不眠の症状を改善する伴走者として関わっていきます。

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今後とも福岡市の心療内科・精神科テスラクリニックをよろしくお願いいたします。

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