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2025年04月のブログ記事一覧

ADHDの診断ってどうするの?実際の流れを解説します

2025.04.07

ADHDの診断の流れを解説。初診、検査、暫定診断、治療方針までを丁寧に紹介。大人・子どもどちらも対応。

「もしかしてADHDかもしれない」
「集中できず、ミスが多いことがずっと気になっている」
「子どものことで学校から指摘を受けた」

そんな悩みをきっかけに、当院には日々多くのご相談が寄せられています。
今回は、「ADHDの診断って実際にどう進めるの?」というご質問にお答えし、当院での基本的な流れをご紹介します。


① 予約と問診票の記入

当院では、初診前にオンラインで問診票をご記入いただいています。
問診票では、これまでの生活や現在の困りごと、過去の診断歴などをお伺いします。これにより、初診時からより具体的なご相談が可能になります。


② 初診(医師による診察)

初診では、今のお困りごとや生活の状況、これまでの経過などを丁寧にお聞きします。
特に以下のような点を確認します:

  • 幼少期から現在までの行動傾向
  • 忘れ物や遅刻、ケアレスミスの頻度
  • 周囲からの指摘や対人関係の困難
  • 学校・職場での適応の様子

必要に応じて、家族や関係者からの情報、通知表、既往歴なども参考にさせていただきます。


③ スクリーニング検査の実施

ADHDの診断にあたっては、DSM-5という診断基準に基づいて評価を行いますが、補助的に以下のような質問票・検査も使用しています:

  • ASRS(Adult ADHD Self-Report Scale):成人のADHD傾向を評価する質問票
  • AQ(Autism-Spectrum Quotient):ADHDと重なりやすい自閉スペクトラム傾向を評価
  • WAIS / WISC:必要に応じて、認知特性を確認するための知能検査を実施することもあります(実施は主に2回目以降)

検査の有無や内容は、医師と相談しながら個別に決定します。


④ 診断と方針のご説明(暫定診断について)

ADHDの診断は、問診・検査・情報の総合判断で行いますが、初診時点では情報が不十分なことも多いため、当院では**「ADHDの可能性が高い(=暫定診断)」という形で様子を見ながら判断を進める場合があります**。

焦らず慎重に、「今の困りごとにどう対応できるか?」を一緒に考えることを大切にしています。必要に応じて、診断の精度を高めるために追加の情報提供や診察をお願いすることもあります。


⑤ 支援・治療の選択肢

診断の結果に応じて、以下のような方法を検討します:

  • 薬物療法:症状や生活背景に応じて検討します。当院で対応が難しい場合には、必要に応じて専門機関と連携いたします。
  • 環境調整・生活支援:スケジュール管理、タスクの分け方、注意がそれにくい工夫など、日常生活を整える支援をご提案します。
  • 心理的サポート:ご希望に応じて、外部カウンセラーをご紹介することも可能です。

最後に

ADHDの診断は、単に病名をつけることが目的ではありません。
「今の困りごとにどう向き合うか」「より自分らしく生活するにはどうしたらいいか」を一緒に考えるためのスタートです。

診断を迷っている方も、確定を急ぐ必要はありません。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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✅大人のADHDセルフチェックリスト(簡易版)

2025.04.07

「最近うっかりミスが増えた」「集中力が続かない」そんなお悩みはありませんか?
大人のADHD(注意欠如・多動症)の傾向をセルフチェックできる簡易リストをご紹介。
気になる方は早めの相談をおすすめします。

以下の質問に、過去6か月の自分の様子を思い浮かべながらお答えください。
あてはまる項目の数を数えてみましょう。

🔹不注意に関するチェック(1〜9)

  1. 細かいことを見落としたり、ケアレスミスが多い
  2. 課題や仕事で注意を持続するのが難しい
  3. 話を聞いている時に注意がそれやすい
  4. 指示に従うのが苦手で、やり残しが多い
  5. 作業を順序立てて行うのが苦手
  6. 長期の課題や仕事を避けたり、後回しにしがち
  7. 必要な物をよくなくす(例:鍵、財布、スマホなど)
  8. 外部の刺激(音や人の動き)で気が散りやすい
  9. 日々の予定や約束を忘れがち

🔹多動性・衝動性に関するチェック(10〜18)

  1. 落ち着いて座っていられないことが多い
  2. 手足を動かしてしまう、ソワソワする
  3. 静かに過ごすのが苦手
  4. 話しすぎてしまう
  5. 質問が終わる前に答えてしまう
  6. 順番を待つのが苦手
  7. 他人の会話や行動に割り込んでしまう
  8. 物事にすぐに飽きてしまう
  9. 衝動的な買い物や行動をして後悔することがある

📝チェックの目安

  • 各項目に「5つ以上」あてはまる場合は、ADHDの傾向があるかもしれません。
  • 日常生活や仕事に支障があると感じる方は、一度専門の医療機関で相談されることをおすすめします。

💡ご注意ください

このチェックリストはあくまで簡易的な自己評価ツールであり、診断を行うものではありません。正確な診断には、医療機関での専門的な評価が必要です。


📩当院ではADHDに関するご相談を受け付けています

「これってADHDかも?」と感じたら、まずは一度ご相談ください。
ご希望の方にはASRSなどの正式なチェックシートもご案内しています。

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ADHDと仕事のミス:なぜ繰り返す?どう対策する?

2025.04.06

この記事の要約: 職場で同じミスを繰り返してしまうタイプのADHD患者さん。原因と実践的な対策について医師の視点で解説します。自分を責める前に、できる工夫を知りましょう。

ADHDと仕事のミス:なぜ繰り返す?どう対策する?

「またやってしまった……」
書類の提出忘れ、会議の時間を勘違い、同じ指摘を何度もされてしまう——
職場でのミスが続くと、自信を失ってしまいますよね。

今回は、ADHD(注意欠如・多動症)と仕事のミスの関係について、「なぜ同じようなミスを繰り返してしまうのか」、そして「どうすればそれを減らしていけるのか」について、精神科医の視点からわかりやすく解説します。

 

なぜミスを繰り返してしまうのか?

ADHDの方が仕事でミスを繰り返しやすいのは、性格の問題ではありません。脳の「注意」「記憶」「実行機能」に関わる特性が影響しています。

主な要因は以下の3つです:

  • 注意が持続しにくい
    他の刺激に気を取られやすく、書類の誤字脱字、抜け漏れが発生しやすい。
  • 短期記憶(ワーキングメモリー)が不安定
    「あとでやろう」「覚えてるつもり」が抜け落ちやすい。
  • タスクの優先順位づけが苦手
    締切ギリギリになることが多く、焦りからさらにミスが増える。

自分を責めすぎないで

「なんでこんな簡単なことができないんだろう…」と自分を責めてしまう方も多いですが、それはあなたの能力や努力の問題ではありません。

ADHDの特性に合った「仕組み」や「環境」が整っていないだけなのです。逆に言えば、環境や工夫次第で、ミスを減らすことは十分に可能です。

ADHDの方向け:ミスを減らすための実践的な対策

1. すべて「見える化」する

  • TODOリストは「スマホ」より「紙+目の前」が効果的。

2. タスクを「1つずつ」に分ける

  • 「資料作成」ではなく「構成→図探し→文章」と細分化。

3. ミスの傾向を記録する

  • 記録→振り返りでパターンを見つけ、事前に予防。

4. 周囲に相談・共有する

  • 「忘れっぽいのでリマインドしてほしい」と伝えるのも自己管理。

5. 医療の力を借りることも選択肢のひとつ

  • 神経発達症治療薬の力を借りることで、注意力や集中力が安定することがあります。

最後に

ADHDのある方が職場でうまくいかないとき、問題は「あなた自身」ではなく、「特性に合っていないやり方や環境」にあることが多いのです。

ひとりで抱えず、信頼できる人や医療機関に相談することが、ミスの連鎖から抜け出す第一歩になるかもしれません。

▼関連リンク

よくある質問(FAQ)

Q. ADHDと診断されていなくても読んでいいですか?

A. もちろんです。「もしかして…?」と感じる方にも役立つ内容になっています。

Q. 薬を使わないと改善できませんか?

A. 環境調整や行動の工夫だけでも、日常生活は大きく改善する可能性があります。ただし、薬の力を借りた方が圧倒的に楽なケースが多いです。

 

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「バレる嘘」をついてしまう——ADHDの大人に見られる“とっさのごまかし”とその理由【大人の発達障害】

2025.04.06

この記事の要約: ADHDの大人が嘘をついてしまうのは、衝動性や不安が関係しています。この記事ではその理由と対処法を解説します。

はじめに:なぜ「そんな嘘ついたの?」が起きるのか?

  • 「なんでそんな嘘ついたの?」
  • 「隠すほどのことじゃないのに、なんでごまかすの?」

ADHDの診断を受けた大人の方と話していると、こうした“その場しのぎの嘘”について悩んでいる方がとても多くいます。

しかも、ほとんどの場合、その嘘はすぐにバレてしまう——。

この行動、実はADHDの特性と深く関わっており、意志の弱さや誠実さの問題ではありません
今回はその背景と、実生活でできる対処法をお伝えします。

とっさに嘘をついてしまうシチュエーション

ADHDの大人が「嘘をついてしまう」3つの理由


① 衝動性と焦りによる“口が先に出る”反応

ADHDの特徴のひとつに、「衝動性」があります。
「やばい、まずい!」と焦ったとき、深く考える前に口が先に動いてしまうことがあります。

→その結果、うまく話を組み立てる時間がなく、「適当なことを言ってしまった」とあとから自己嫌悪に。


② ワーキングメモリの弱さによる混乱

ADHDの方は、会話中に「何を聞かれたのか」「どう答えるべきか」などの情報を整理するのが苦手です。
とっさの受け答えに混乱し、「場をつなぐために嘘っぽいことを言ってしまう」ことがあります。

→あとから「言ってることが矛盾してる」と気づき、自分でも恥ずかしくなる場面も。


③ 自己肯定感の低さと過去の経験

「また怒られる」「また失望される」
そんな経験が重なると、正直に話す=リスクという認知が根付いてしまいます。

→すると無意識に“ごまかし”や“言い逃れ”を選びやすくなります。


「嘘をつかずにすむ」ようになるための実践ステップ


✅ ステップ①:正直に話してうまくいった体験を振り返る

  • 「謝ったら、ちゃんと理解してもらえた」
  • 「正直に報告したら、むしろ信頼された」

そんな経験、実は過去にありませんでしたか?
**嘘をつかなかった結果の“成功体験”**を思い出すことは、嘘を減らす第一歩になります。


✅ ステップ②:「嘘をつきたくなる瞬間」を把握する

  • 遅刻したとき
  • 締め切りを忘れていたとき
  • ついスマホを見ていたとき

こういった自分の“トリガー”を理解することで、嘘のパターンに気づきやすくなります


✅ ステップ③:安心して話せる関係・環境を作る

「本当のことを言っても大丈夫」と感じられる環境があれば、防衛的な嘘をつかずにすみます。
職場や家庭で自分の特性を共有できる関係性を、少しずつでも作っていきましょう。


関連記事(内部リンク)


まとめ:嘘を責めるより、背景に目を向けてみよう

ADHDの大人が「バレる嘘をついてしまう」のは、ズルさではなく、不安や衝動への反応です。
そしてその多くは、本人自身もあとから「やらかした…」と後悔しています。

嘘を責めるのではなく、「なぜそうしたのか?」に目を向けることで、改善の糸口は必ず見えてきます。

そして何より大切なのは、「素直に話してもいいんだ」と思えるような安心できる関係性。
それは、自分で作ることも、誰かと一緒に育てることもできるのです。


ご相談はいつでもどうぞ。
「嘘をやめたい」「信頼を取り戻したい」と思っているあなたの力になれたらと思います。


💡補足:このような傾向のある方へ

当院では、大人の発達障害・ADHDに関する心理的支援や生活アドバイスも行っています。
ご相談をご希望の方は、公式LINEから予約・事前問診が可能です。お気軽にご利用ください。


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