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2023年03月のブログ記事一覧

週にどれくらい運動すればよいのか

2023.03.30

院長の三島です。

診察室でうつ症状・ストレスの状況を把握するために、食事・睡眠・運動の状況をお聞きすることが多いのですが、運動については、具体的にどの程度運動すれば良いのかという具体的な指標はありませんでした。

週に1、2回運動する人と、毎日欠かさずに何キロも走ったりする人とで、メンタルの面では大きな違いを感じません。

どちらかというと毎日運動した方が良いのでは?と直感的に思ってしまいますが、興味深い研究結果が出てきました。

週に1~2日、8000歩以上歩くと10年後の死亡リスクが14.9%減 京都大研究Gが発表

本文引用

京都大学大学院医学系研究科の井上助教らの研究では、2005年から2006年にかけてアメリカの20歳以上の男女約3100人を対象にして行われた調査を分析し、10年後の死亡リスクを調べました。

 その結果、週に1~2日8000歩以上歩いた人は、週に1日も歩かなかった人よりも、10年後の死亡リスクが14.9%減少し、週に3~7日歩いていた人は16.5%減少したということです。

 週に1~2日歩いた人と週に3日以上歩いた人の死亡リスクに大きな差は見られませんでしたが、年齢や性別によらず歩く日数が多いほど、死亡リスクは低くなったということです。

 週に数日間だけ歩く習慣を取り入れることでリスクを低減できる可能性があることを示唆していて、井上助教は「毎日歩くことにプレッシャーを感じるのではなく、まずは1週間に1日・2日でも歩くことが健康維持につながる」としています。

この研究はうつやストレスなどのメンタルを対象としたものではなく、10年後の死亡リスクで結果を見ていますが、現在運動できておらずメンタルに何らかの問題を抱えていらっしゃる方は

・週に1.2回8000歩以上歩く

を目標にしても良いかもしれません。

よく耳にするようになった「発達障害」とは?特徴や原因について解説

2023.03.19

本日は「発達障害」についてお話しします。

  1. 発達障害とは
  2. 発達障害の種類と特徴
  3. 発達障害の原因
  4. 発達障害の症状
  5. 発達障害かなと思ったら(診断と検査)
  6. まとめ

1.発達障害とは

人はさまざまな能力を持っており、その発達には大きな個人差があります。能力の偏りが大きいときに発達の凸凹(でこぼこ)があるといわれ、発達の凸凹が周囲の環境と合わないことでお困りごとが生じる状態を「発達障害」と呼ぶようになりました。

発達障害という診断結果がなくても、発達の凸凹が大きいことにより日常生活で困り感を抱えることがあります。それをグレーゾーンと表現されることもあります。例えば、学校の勉強についていけない、仕事中にミスが多い、対人関係でトラブルが起きやすいなどです。

発達障害はその方の特性であり、決して特別なことやネガティブなことではありません。

しかし症状が幅広く不明瞭であるため、人知れず生きづらさを感じている方が多いのも事実です。本人や周囲の人が正しく理解をして、その方にあった対応や環境を話し合って支援していくことが大切です。

2. 発達障害の種類と特徴

発達障害は特性やお困りごとによって、大きく3つに分けることができます。

自閉スペクトラム症(ASD)

・他者の考えを理解することが苦手で、コミュニケーションのくせがある

・人との関係を維持・発展することが苦手

・強いこだわりを持つ などの特徴がみられます。 

※音・光・肌ざわりなどの感覚過敏を持つこともあります

注意欠如・多動性障害(ADHD)

・不注意(忘れ物や遅刻)が多い

・じっとすることが苦手

・衝動的な言動をしやすい などの特徴がみられます。

学習障害(LD)

・全般的な知的発達に遅れはない

・「読む」「書く」「計算」「聞く」「話す」「推論する」のいずれか1つか複数の能力に困難さがある などの特徴がみられます。

発達障害は各障害が合併することや、知的障害(IQ70未満、日常や社会生活への適応の低さ)を有していることがあります。

3.発達障害の原因

発達障害の原因は未だに明確にはなっていませんが、遺伝子による生まれつきの脳機能や低出生体重などの環境因子が複合的に組み合わさって生じると考えられています。親のしつけや愛情といった育て方が原因で発達障害を発症することはありませんし、本人の意思によるものではないことは理解しておくことが大切です。

4.発達障害の症状

発達障害の年齢による発達段階や障害の程度によって現われ方が異なります。

乳幼児期では抱っこが苦手であやしても笑わない、話していても目をあわせず集団行動を避けるなど、小中学校ではルールや計画を守れない、自分の興味関心のあることだけをするなど、さまざまな症状があります。発達障害は低年齢で発症しますが、大人になってから気づくこともあります。

環境との不適応によって二次障害が生じることもあります。「周囲の理解が得られない」「周囲の人と同じことができない」というストレスが、うつ病や適応障害などの精神症状や不登校や引きこもりに繋がることがあるのです。

5.発達障害かなと思ったら(診断と検査)

発達障害の診断は医療機関で行われますが、精神科や小児科など専門性があるか受診前に確認することが必要です。発達検査は医療機関以外でも受けることができますが、ご自身の状態に合わせて適切な検査を選ぶことが大切です。

また発達検査は得意不得意を把握して今後に活かすものであり、発達検査の結果だけで診断が確定するわけではありません。医学的な診断基準をもとに総合的に評価します。

6.まとめ

発達障害は個人の得意・不得意といった特性が周囲の環境と合わないことでお困りごとが生じる状態で、内容や程度には個人差があります。また、大人になっていく中で環境や人間関係の変化に伴い、潜在的に持っていた特性が生きづらさとして表面化することもあります。

自身や周囲の人に日常生活や社会生活でお困りごとがある、発達障害について相談したい、発達検査を受けたい方はぜひお気軽にテスラクリニックにお問い合わせください。