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2024年10月のブログ記事一覧

【TMS治療】cTBSとは

2024.10.09

TMS治療における「cTBS」(連続シータバースト刺激, continuous Theta Burst Stimulation)は、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)の一種です。cTBSは、非常に短時間(40秒)で高頻度のパルスを連続して送る方法で、典型的には3パルスのバーストが5Hzの頻度で繰り返されます。このようなシータバーストのリズムは、脳内のシータ波と似ており、長期抑圧(LTD)と呼ばれる神経の抑制的な変化を引き起こすと考えられています。

cTBSは、従来のrTMSに比べて短時間で治療が可能であり、効果が同等か、あるいは場合によっては強力であることが示唆されています。特にうつ病の治療において、cTBSは前頭前皮質(DLPFC)に対して用いられ、従来のrTMSと同じような改善効果が期待できますが、治療時間が短縮されるという利点があります。

簡単にまとめると、cTBSは:

  • 短時間で実施可能(1セッション当たり40秒)
  • 抑制的な効果を持つ
  • うつ病などの治療で従来のrTMSと同等の効果が期待できる

当院で採用しているMagventure Magpro r-30もこのcTBSプロトコルをサポートしており、効果的な治療の一つとしてご提供できます。

cTBSの価格

cTBS治療はiTBS(6分間のTMS施術)と同じ価格で施術可能です。

1セッションあたり4950円(税込み)となっております。

詳細は医師にお問い合わせください。

三島院長の医療相談を受けられます

2024.10.07

当院ではご家族に精神疾患を患っているお悩み相談を受ける事が多くあります。

保険適用外の自由診療として、医師の視点で医療相談を受ける事ができます。

(15分ごと3,300円)

・精神疾患を抱える方との関わり方がわからない

・誰に相談していいかわからない

・本人が精神疾患だと認めてくれず困っている

・精神疾患を抱える家族を支えることに疲れを感じる

・本人が自分で掃除や入浴などセルフケアが出来ない

・生活リズムが整っていない

・金銭的に困っている

・暴言・暴力があり困っている

・その他

家族のメンタルをどうにかしたいと真面目に責任を感じる人ほど、1人でどうにかしようと抱えやすい傾向があります。

中には、家族の精神疾患を知られたくない、どこに相談すればいいか分からないという人も。メンタルの不調に向き合うとは、とてつもないエネルギーを要します。

1人で抱えた結果、支援者もうつ病になってしまうケースもあるため、家族の精神疾患は第三者へ相談してみてはいかがでしょうか。

【相談要点】

・本人の生活状況(睡眠・食事・一日の生活パターンなど)

・今までの生い立ち

・既往歴(今までかかったことのある病気)

・現在の症状

・困っていること・助けて欲しい内容

ブレインクリニック大阪院・名古屋院の閉院について

2024.10.02

ブレインクリニック大阪院・名古屋院に通院されていた患者様へ

2024年9月30日付でブレインクリニック大阪院・名古屋院が閉院しました。

東京院・新宿院では通常通り診療を継続されているそうです。

本来他所の医療機関の診療や治療内容について触れるのはマナー違反ですが、治療を継続できずお困りの患者様もいらっしゃるかと思い、ご案内させていただきます。

福岡県福岡市にあるテスラクリニックでは、ブレインクリニックと同様のプロトコルでのrTMS治療の継続が可能です。(装置はMag &More社のものではなく、Magventure社のMagpro r-30を採用しております)

TMS治療の施術単価もより安くなっており、これを機に治療のご検討をいただければ幸いです。

テスラクリニックのrTMS治療

TMS秋のキャンペーン始まりました!

季節の変わり目に鍼灸を

2024.10.02

人と自然界の間には密接な関係性があり、特に季節や気候の変化は、人体に対して直接的に大きな影響を与えます。

人は絶えず自然環境の変化に対応しながら生きています。

その自然環境変化のリズムに適応しているだけでも人体はすごいですね。

東洋医学では季節を春、夏、長夏、秋、冬と分けています。

春は肝気、夏は心気、長夏は脾気、秋は肺気、冬は腎気が盛ります。

いわゆる「五行学説」の中の一つです。

季節により気の流れや血流の変化があります。冬はトイレが近くなったり、夏は汗をかきやすかったりも分かりやすいからだの変化です。

このことだけでも季節の変化は人体に生理的・病理的に影響を現します。

特にこの変わり目は体の不調を訴える方が多くいらっしゃいます。うまく切り替え、バトンタッチができていないような状態であると考えれます。自律神経失調などとも表現されます。

こういった特に原因のわからない症状は臓器の気や血の流れが不調を起こしている状態になっているかもしれません。そこでからだの悪くなった流れを鍼灸でツボの刺激などで改善されることをおすすめします。お薬をなるべく飲みたくない、減らしたい、または効きが悪いなどにも有効です。

当院では鍼灸施術も提供しております。お気軽にお問合せください。

診察と同様にLINEから予約ができます。

イップスとTMS治療

2024.10.01

イップスとは

イップス(Yips)とは、主にスポーツ選手が経験するパフォーマンスの突然の低下を指します。特に、これまで無意識に行っていた動作が突然うまくできなくなることが特徴です。例えば、野球の投手がストライクを投げられなくなったり、ゴルファーがパットをうまく打てなくなるといったケースがよく知られています。

イップスの原因は、精神的な要因や緊張、プレッシャー、トラウマなどが影響していると考えられています。また、身体的な要因や神経系の問題が関与している場合もあります。イップスは個々のケースによって異なるため、治療や対処法もさまざまです。心理的なアプローチやリラクゼーション技法、運動療法などが行われることがあります。

スポーツだけでなく、音楽家や他のパフォーマンスを行う職業の人々にも見られることがあり、広範囲に影響を及ぼす現象です。

心の病気なんでしょうか?

イップスは、必ずしも「心の病気」と一括りにすることはできませんが、精神的な要因が大きく関与している場合が多いです。具体的には、以下のような要素がイップスの原因となることがあります:

  1. パフォーマンスに対する過度なプレッシャーや不安:試合や演奏、仕事での期待に対するプレッシャーが増し、ストレスが過剰になると、これまで問題なく行っていた動作に影響を及ぼすことがあります。
  2. トラウマ的な経験:過去に失敗や怪我を経験したことがトラウマとなり、それが原因で同じ動作を行う際に不安や緊張が生じ、動作がうまくいかなくなることがあります。
  3. パフォーマンスの恐怖:成功し続けなければならないというプレッシャーや、失敗することへの恐怖感が、動作を制御する筋肉に過剰な緊張を引き起こすことがあります。
  4. 不安障害や強迫性障害との関連:イップスが不安障害や強迫性障害と関連するケースもあり、精神的な問題として捉えられることもあります。

ただし、イップスは必ずしも精神疾患ではなく、むしろ身体的な要素心理的な要素の複合的な影響として捉えることが多いです。一部のケースでは、神経筋の機能不全が影響していることもあり、単純に心の問題として分類するのは適切ではありません。

治療や対処法としては、認知行動療法(CBT)やリラクゼーション技法トラウマに対するカウンセリングなどの心理的アプローチが有効な場合があります。また、場合によっては運動療法や、身体的なリハビリテーションが行われることもあります。

イップスに対してTMS治療を行うことは有効でしょうか

1. TMSは不安やうつの治療に効果がある

イップスの背景には、不安やストレスが関与しているケースが多いため、TMSが有効である可能性があります。TMSは、特にうつ病不安障害の治療に対して効果が確認されており、特定の脳の領域を刺激することで、これらの症状を緩和することが期待できます。

2. 運動制御に関連する脳の領域をターゲットにできる

TMSは、脳の特定の領域を非侵襲的に刺激できる治療法です。イップスは、運動制御や運動学習に関連する脳の領域、特に運動野前頭前野などが関与していると考えられます。TMSは、これらの領域に働きかけることで、運動機能の回復や不安の軽減をサポートできる可能性があります。

3. 神経可塑性の促進

TMSは脳の神経可塑性を促進する作用があるため、イップスによって損なわれた動作やパフォーマンスの再学習を助けることができるかもしれません。脳の適切な部分を繰り返し刺激することで、新しい神経経路を形成し、問題のある動作を改善する可能性があります。

4. 精神面の安定

イップスに伴うパフォーマンス不安や自己評価の低下に対して、TMSが精神面での安定を提供することで、イップスの症状が緩和される可能性もあります。

限界と注意点

現在のところ、イップスに対するTMSの効果に関しては限定的な研究しかなく、標準的な治療法としては確立されていません。TMSは、一般に安全性が高い治療法とされていますが、イップスの原因が個々の患者で異なるため、必ずしも全てのケースで効果があるとは限りません。

推奨されるアプローチ

イップスの治療では、通常、心理療法(認知行動療法など)やリラクゼーション技法、またはトラウマに対するアプローチがまず試みられます。TMSは、これらの治療が効果を発揮しない場合や、並行して用いる補完的な治療として考えられることがあります。

もしTMS治療を検討されているのであれば、まずイップスの原因が心理的なものか、神経学的なものかを評価し、専門の医師と相談しながら適切な治療計画を立てることが重要です。

推奨されるTMS治療のプロトコル

イップスについてはまだ研究段階の側面も多く、当院では確立した手法があるわけではありません。

患者さんの個々の症状に合わせ、DLPFC(背外側前頭前野)や運動野のM1領域に対して、6分間のiTBS、16分間のTBS、16分間の低頻度刺激を組み合わせ、最適と考えられる治療プランをご提案しています。