2025年01月のブログ記事一覧
【QEEG】うつ病とADHDの意外な共通点:脳波で見えてくる脳の働き
2025.01.05
1. うつ病とADHDの関係とは?
「実はうつ病とADHDは、全く別のものだと思っていませんか?」
うつ病とADHD(注意欠陥多動性障害)は、一見すると全く異なる疾患に見えます。うつ病は主に抑うつ感や意欲低下、孤独感などの感情的な問題が特徴とされ、ADHDは多動や注意力不足、衝動性といった行動面の問題が目立つと考えられています。しかし、実際にはこれらの疾患の症状が重なり合うケースも多く、診断が難しいことが少なくありません。
特に、ADHDの大人(成人ADHD)においては、長年のストレスや自己評価の低下がうつ病の発症リスクを高めることが知られています。また、うつ病の患者さんが実際にはADHDを持っていることが診断後に判明するケースもあります。では、これらの疾患をどのように区別し、治療に結び付けることができるのでしょうか?その答えの一つが**QEEG(定量的脳波計測)**です。
2. 共通する症状:なぜ似ているのか?
うつ病とADHDは、以下のような症状が共通して見られることがあります:
- 注意力の低下: 仕事や学業での集中力の欠如。
- 疲労感: 心身のエネルギーが低下していると感じる。
- やる気の低下: どちらの疾患でも、物事を始める意欲が湧かないことがある。
- 睡眠障害: 入眠困難や過眠。
例えば、「最近仕事のミスが増えた」「物事に集中できない」といった悩みで受診された患者さんが、うつ病と診断される場合もあれば、ADHDが原因である可能性もあります。このような診断の難しさを解決するためのツールとして、QEEGが注目されています。
3. QEEGで見える脳波パターンの違いと共通点
QEEG(定量的脳波計測)とは?
QEEGは、脳の活動を客観的に測定できる技術で、特にADHDやうつ病における脳波の特徴を分析するのに役立ちます。この技術を用いることで、見た目や主観的な症状だけでは分からない脳の状態を数値化し、診断や治療の方向性をサポートします。
- うつ病の典型的な脳波パターン
- 前頭葉左側の低活動(アルファ波の過剰)
- 全般的なベータ波の低下
- ADHDの典型的な脳波パターン
- 前頭葉の高いシータ波/ベータ波比
- 注意力の低下を示すベータ波の減少
- 共通点と相違点 両者に共通して前頭葉の異常活動が見られることがあります。しかし、例えばADHDでは「過剰なシータ波」が特徴的なのに対し、うつ病では「アルファ波の過剰」が目立つといった具合に、具体的なパターンには違いがあります。この微妙な違いをQEEGで捉えることで、より正確な診断が可能になります。
4. QEEGを活用した診断と治療の未来
QEEGは、うつ病とADHDを正確に区別し、最適な治療計画を立てるための強力なツールです。特に、以下のような場面でその効果を発揮します:
- 診断の精度向上: QEEGを活用することで、主観的な症状だけに頼らず、脳の客観的なデータに基づいて診断を行えます。
- 治療効果のモニタリング:
- ADHDでは薬物治療の効果を測定し、必要に応じて調整。
- うつ病ではrTMS(反復経頭蓋磁気刺激法)や抗うつ薬の効果予測。
テスラクリニックでは、QEEGを用いた診断と治療を取り入れており、患者さんに個別化された治療を提供しています。例えば、QEEGを活用して脳波データを解析することで、薬物が効きやすいタイプかどうか、または非薬物療法が適しているかを見極めることができます。
5. 患者さんへのメッセージ
もし、現在「集中力がない」「気分が落ち込む」といった症状でお悩みなら、うつ病だけでなくADHDの可能性も考慮することが重要です。その逆も然りです。テスラクリニックでは、QEEGを活用して脳の状態を科学的に分析し、正確な診断と治療を目指しています。
どちらの疾患も、適切な治療を受けることで改善が期待できます。一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
6. 結論:正しい理解と診断のために
うつ病とADHDは、共通する症状を持ちながらも異なる疾患です。これらを正確に見分けるには、QEEGのような科学的なアプローチが欠かせません。テスラクリニックでは、患者さん一人ひとりに寄り添った治療を提供しています。
お困りの際は、私たちと一緒に脳の健康を取り戻す一歩を踏み出しましょう。