ブログ

ブログ記事一覧

最高のコンディションを引き出すには

2024.05.31

学習や仕事、日常の過ごし方において、最高のパフォーマンスを発揮するには、自分の能力やスキルを向上させる必要があります。

しかし、同じくらい大切な要素は、最適な状態で行動することです。コンディションが整っていないと、最高の実力を発揮することが難しくなります。最高のパフォーマンスを実現することで、自分の目標にスムーズに近づくことができるでしょう。

そして、充実感ある時間を過ごし、満足のいく成果を得ることもできます。

しっかりとコンディションを整えてから仕事や学習に取り組むことで、これまでの努力を最大限に活かし、より充実した時間を過ごしながら目標に近づけるはずです。心身共に最高のコンディションを維持するためのいくつかの方法についてご紹介します。

睡眠

健康的な状態を維持するためには、十分な睡眠が不可欠です。十分な睡眠を確保しないと、体調が悪化し、思考力も低下します。

成人の場合、個人差はあるものの最低でも6時間以上の睡眠を確保することが良いとされています。また一般的には、起床して日光や明るい光を浴びてから15〜17時間後に眠くなります。 そのため、 起きてから15〜17時間後に寝るのがベストで15〜24時間後が理想の寝る時間帯となります。

この睡眠時間を確保することで、脳の機能を最大限に活用でき、集中力やストレスの軽減にも効果があります。

睡眠でまず大事になるのは睡眠時間をきちんと確保することです。日中眠くなることが多かったり、仕事や学校のない休日に朝遅くまで寝てしまっている場合は、日ごろ睡眠時間が足りないというサインになります。

知らず知らずのうちに睡眠負債がたまっていることもありますので、睡眠時間を確保することは私たちの健康にとってとても重要なことです。睡眠不足だと風邪をひきやすくなったり、高血圧や糖尿病の要因にもなりうることが報告されています。

また、記憶力や感情、パフォーマンスにも大きな影響をもたらすことも報告されており、睡眠不足による経済損失は膨大なものになるといわれています。必要な睡眠時間を確保することはとても大事なことなのです。

実は睡眠不足以外にも無視できない問題があります。それは体内リズムが乱れてしまうことです。海外旅行と言わないまでも、夜更かしや朝寝坊などによって私たちの体内リズムは簡単に乱れてしまいます。体内リズムが乱れてしまうと寝たいときに眠れなくなったり、睡眠時間が十分なはずなのに目覚めが悪くなってしまったりと、良い睡眠が得られにくくなります。

体内リズムの乱れもまた肥満といった生活習慣病や、日中の疲労感、パフォーマンスにも関わっているということが報告されています。毎朝同じ時間に太陽の光を浴びること、朝食をしっかり食べること、夜に強い光を浴びないといったことが体内リズムを整えるうえで重要になります。

睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」など多くの重要な役割があります。うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールすることが大切です。

関連記事:【入浴と睡眠】

食事

脳を働かせるためにも、体を動かすためにも、私たちはエネルギーを必要とします。日々の生活において、規則正しい食事のタイミングは、血糖値の安定とエネルギーレベルの維持に役立ちます。朝食をしっかり摂り1日3食のバランスの取れた食事を心掛けましょう。(諸説あり、意図的なファスティングが好ましい場合もあります。)

タンパク質、炭水化物、健康的な脂肪、ビタミン、ミネラルをバランスよくしっかりと摂りましょう。

加工食品や高砂糖食品は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。できるだけ自然な食品を選びましょう。

アルコールやカフェインの過剰摂取、漫然とした摂取を避けるようにしましょう。アルコールやカフェインには体に負担をかける可能性がありますので、適度な摂取を心掛けましょう。

関連記事:中毒に注意 ~カフェインの摂りすぎは良くない?~

これらのポイントを意識することで、最高のコンディションを保つことができます。

運動

運動は体力を向上させ、ストレスを軽減し、心身の健康をサポートします。ウォーキング、ジョギング、ヨガ、筋力トレーニングなど、自分に合った好きな運動を取り入れていきましょう。

ストレス管理

ストレスは体に悪影響を及ぼすことがあります。リラックス法や瞑想、深呼吸などを試して、ストレスを軽減しましょう。

水分

水分は体の機能をサポートし、代謝を促進します。

1日に約2リットルの水を目安に水分を摂ることで、体内の機能が最適に働きます。

社交的なつながりを持つ

友人や家族との交流は、心の健康に良い影響を与えます。人々とつながり、互いに支え合うことで精神の安定にも繋がることでしょう。

まとめ

 不安や心配事を持ち続けることは、良いコンディションとは言えません。メンタルを整えることで、最高のパフォーマンスを発揮することが可能となります。散歩や音楽を聴くなど、気持ちをリフレッシュさせる方法を取り入れて、ポジティブな状態を保ちましょう。

コンディションを整えるということを自分の中でルーティン化すれば、常に良いパフォーマンスを発揮し目標の達成などにつながっていくことでしょう。

食事も睡眠も毎日やることなのに、ついつい疎かになってしまいがちです。できることから取り入れて、少しずつでも学習や仕事のパフォーマンスを引き上げていきましょう。

関連記事:rTMS治療

歩いた方がうつに良い?

2024.05.24

うつ病の治療は、抗うつ薬などを投薬する薬物療法とカウンセリングなどによる精神療法を併用して行われますが、うつ病になじまないように思われる運動もまた、症状の改善に効果があるといわれています。

関連記事:週にどれくらい運動すればよいのか

うつ病の原因はまだ完全に解明されていませんが、最近の研究では、ストレスに晒されると脳の前頭前野・海馬などが萎縮し、BDNF(脳由来神経栄養因子)が低下し、これがうつ病を誘発するのではないかと考えられています。

運動をすると、前頭前野や海馬の体積が増え、血流が増加し、BDNFが増加します。BDNFは、神経の栄養のようなもので、BDNFが多くなると脳の神経が活性化され、心を安定化させる働きをもつセロトニンやノルアドレナリンなどの分泌が増加し、うつ病の改善を促進するといわれています。

ウォーキングをすると太陽を浴びることになります。この太陽を浴びるという行為が重要です。太陽光により脳内でセロトニンの分泌が開始。このセロトニンも神経伝達物質で「幸せホルモン」と呼ばれるものです。ウォーキングのように一定のリズムを刻む運動の場合、セロトニンをさらに活性化させます。結果としてウォーキングによって幸せを感じるのです。

このセロトニンはうつとも大きくかかわっています。セロトニンの分泌量が少ないとうつになりやすいという傾向があります。外で太陽の光を浴びながらウォーキングを行えばセロトニンが分泌されうつを遠ざけることも可能なります。実際にウォーキングを習慣化している人はうつの発症率が3割ほど低いという研究結果も出ています。また、運動をすると気分が爽快になり、心地よい疲労感に襲われることから質の良い深い睡眠を得られるのです。

どんな運動?

無酸素運動よりも長くゆるめの有酸素運動の方が効果的です。有酸素運動とは、酸素を多く取り入れ、その取り入れた酸素で体内の脂肪を燃焼させるものための運動です。

ウォーキング、ゆっくりした水泳などは有酸素運動です。無酸素運動とは、基礎代謝を増やす運動で、筋力トレーニング、短距離走などをさします。ただし、有酸素運動でもあまりに長時間やると負担になるので、ほどほどにしておくようにしましょう。

毎日決まったタイミングで…という方もいう方もいるでしょうが、メンタルに効果のあるウォーキングなら「思い立ったタイミングで」というのがおすすめです。好きな時に他の予定にしばられないでウォーキングをするということ自体がストレスを軽減させます。タイミングを決められないと続かないという場合はランチに行くとき、出勤の時などと決めても良いでしょう。

ウォーキングを行うのに適切な時間は30分くらいといわれています。男性なら一日9200歩、女性の場合は8300歩が日本で勧められている目標歩数です。これは1時間半ほど歩くことでクリア可能な数値なのですが、人間は日常生活でも歩きます。このことを勘案して健康的なウォーキングは30分くらい、楽しいと感じる時間で切り上げるのがおすすめです。翌日まで疲れが残るような運動はお勧めできません。

歩くという行為は単調な運動の繰り返しなので思考がクリアになりやすいといわれています。歩くことで時間的にも考え的にも余裕を持ち、が精神面での安定につながっていくことでしょう。ウォーキングにメンタルを変える即効性はありませんが、長く続けることで安定した状態を保ちやすくなります。

運動がうつ病に効果があるといっても、運動だけでうつ病が治るというものではありません。医師の指示による薬物療法、精神療法、あるいはストレスの元となっている環境調整などを行っていきましょう。

うつ病は、意欲が減衰していきます。重度のうつ病だとベッドからでることも困難な時があります。そのような状態では運動することは不可能です。

また、いくら運動が効果的だからと言っても、強度が高い運動を行うとBDNFが増加する一方で、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌も促進されてしまうことがありますので症状や体調に合わせたほどほどの運動が、運動療法の基本です。

うつ病で運動療法を行う時の注意点

・特に急性期には無理をせずとにかく休むことを優先に

・気分が悪い時は無理をしない

・義務感を持ちすぎない

・まずは軽いウォーキングから

・自宅の周りの危なくない環境で

・心臓、高血圧などがあれば内科医にも相談しましょう

当院で行っているrTMS治療について

このようにうつ病にはウォーキングがとても効果的ですが当院では、内服をしないうつ病治療rTMS(反復的経頭蓋磁器刺激法)を取り入れています。頭に直接、強力な磁気をあて、刺激を与えることで脳の機能低下を改善することを目的とした治療法です。

rTMS治療は前頭葉の一部分に磁気をあてて刺激を与えることで、前頭葉の活動を活性化させる一方、前頭葉の機能低下を補うためにオーバーヒートしている脳の扁桃体という部位の過活動を抑え、脳機能のバランスを取り戻しうつ病を改善させていきます。

rTMS治療の利点は体の負担は少なく、即効性があるということです。うつ病治療は本来であれば中途半端にすることなく、学校や勤務先を休んで、しっかりと治療に専念することが望ましいのですが、外来でrTMS治療を受け副作用のほとんどない運動療法を取り入れつつ日常生活を維持加療できる場合もありますので、お気軽にご相談ください。

中毒に注意 ~カフェインの摂りすぎは良くない?~

2024.05.22

日ごろコーヒーは多くの人にとって日常的な飲み物であり、コンビニや専門店などで容易に美味しいコーヒーを楽しむことができます。しかし、コーヒーを飲むことが習慣的になってしまうと、コーヒーに含まれるカフェインを摂りすぎてしまう事が起きてしまいます。

今回、カフェインの摂りすぎについてご紹介させていただきます。

関連記事:カフェイン摂取はADHD治療で注意力の向上や学習に対する改善が期待できる

カフェインとは

カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶、コーラなどの飲料に含まれる自然発生する刺激物です。カフェインは中枢神経系を刺激し、一時的に疲労感を減らし、覚醒度を高める効果があります。摂取すると、集中力が向上したり、気分が高揚することがありますが、過剰に摂取すると不安感や不眠などの副作用が現れることもあります。各人のカフェインに対する感受性は異なるため、適量は個人によって異なります。

フォームの始まり

カフェインが含まれるもの

カフェインはコーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれています。コーヒーや茶がカフェインの主要な摂取源となっています。また、エナジードリンクや清涼飲料水、風邪薬、眠気防止薬、酔い止め薬などにもカフェインが含まれていることがあります。以下は代表的な食品中のカフェイン濃度です(100mlあたり)

・エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料: 32~300 mg

・コーヒー(浸出液): 60 mg

・インスタントコーヒー(粉末): 80 mg

・玉露(浸出液): 160 mg

・せん茶(浸出液): 20 mg

・ほうじ茶(浸出液): 20 mg

・玄米茶(浸出液): 10 mg

・ウーロン茶(浸出液): 20 mg

・紅茶(浸出液): 30 mg

・抹茶(粉末): 48 mg

カフェインはどれくらいの量が適量なの?

カフェインは過剰摂取すると上で述べたように思わぬ健康被害を生む可能性があります。カフェインに対する耐性などは個人差がありますが、一般的には一日の摂取量は400㎎未満に止めることが推奨されています。また、ヨーロッパなどの基準では一回の摂取で200㎎以上の摂取は控えるべきとの提言もあり、一度に大量のカフェインを摂取せずに、こまめに摂ることが好ましいと考えられています。

カフェイン400㎎はコーヒー4~5杯、紅茶では7~8杯ほどの量に相当します。しかし、カフェインは食品や薬に含まれていることもありますので、一日に摂取する総量を考えて飲み物を調節しましょう。

カフェイン摂りすぎるとどうなる?<中毒症状>

カフェインの過剰摂取は、いくつかの不快な症状や健康問題を引き起こす可能性があります。摂取量が多いと感じる場合、以下のような症状が現れることがあります。

不安感カフェインは中枢神経系を刺激するため、過剰に摂取すると不安や神経質になることがあります。

心拍数の増加心拍数が速くなったり、不整脈が発生することがあります。

睡眠障害カフェインで交感神経が刺激されると、睡眠時に必要な疲労解消やリラックスを司る副交感神経が働きにくくなります。長期間カフェインを過剰摂取すると、不眠症などの睡眠障害になることがあります。

消化器系の問題胃痛、胃酸過多、下痢など消化器系に影響を及ぼすことがあります。

頭痛カフェインは血管を一時的に収縮させる効果があります。カフェインによって頭痛が生じる理由は、カフェインに「血管を収縮させて血流を悪くする作用」があるためと言われています。また、カフェインが体内から抜けると、収縮した血管は少しずつ拡張し元に戻っていきます。締め付けから解放された血管は本来の量に戻るため増加し、これが頭痛の原因となります。

疲労感:カフェインには疲労解消の効果があるといわれていますが、人によっては疲労感が残ることがあるため注意が必要です。「疲労がなくなった」ように感じるのは、カフェインに含まれるアデノシンという成分には覚醒作用によるものだと考えられています。

貧血:カフェインは、鉄の吸収を阻害したり、タンニンと結びついたりすることで、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。

その他:震え、落ち着きがなくなる、焦燥感を感じる

適切なカフェインの摂取量は個人によって異なりますが、一般的に成人の安全な摂取量の上限は1日に約400ミリグラムとされています。これはおおよそコーヒー4杯分に相当します。カフェインに対する感受性が高い人、妊娠している女性、特定の医療状態を持つ人は、より少ない量で影響を受ける可能性があります。過剰摂取を避けるために、カフェインを含む製品のラベルを確認し、自分の体がどのように反応するかを観察することが重要です。

フォームの始まり

カフェインの副作用を抑えるには

水分を摂る:カフェインの過剰摂取により起こる症状は、水分を補給することで緩和できることがあります。

カリウム・マグネシウムの摂取:カリウム・マグネシウムの摂取することもカフェインの副作用を抑えることに役立ちます。これはカフェインの過剰摂取でカリウムやマグネシウムが消費されると、震えやイライラなどの症状が起こることがあるからです。コーヒーを飲み過ぎたときには、バナナや濃い葉物野菜などを食べて、カリウムやマグネシウムを補給しましょう。

症状が治まらない場合は病院へ:カフェインの過剰摂取で呼吸困難、胸の痛み、吐き気、心拍異常、筋肉のけいれんなどの症状が治まらない場合は医療機関を受診しましょう。

病院では、活性炭や利尿剤などを用いてカフェインの体外排出を促す治療などが行われます。このような対処法は自己判断で行うと危険なので、必ず医師の指示のもとで行うようにしましょう。

カフェイン断ち

カフェインを断つ(カフェイン断ち)は、カフェイン摂取を減らすか、完全に止めることを意味します。これにはいくつかの理由がありますが、一般的には健康上の懸念、不眠症、不安感の増加、または依存からの解放を目指して行われます。カフェイン断ちをする際には、以下の点に注意すると良いでしょう。

まずは自分の摂取量を把握

カフェイン断ちをする前に、日々の摂取量を把握することが大切です。チェーンスモーカーのように、飲み終わったらまた淹れて飲んで……を繰り返しており、1日何杯コーヒーを飲んでいるのかわからないという方もいるかもしれません。まずは1日にコーヒーを何杯飲んでいるかカウントして、自分の摂取量を把握しましょう。

段階的に減量する

これまでカフェインを多く摂取していた人が、いきなりカフェインを完全に断つと、離脱症状が強く出る恐れがあります。通常は24〜48時間以内に離脱症状が現れることがあります。これには頭痛、疲労感、イライラ、集中力の低下、うつ病感などが含まれます。これらの症状は一般的に数日から一週間程度続きます。この様な症状が強く出ないように、1日に5杯コーヒーを飲んでいた方は、まずは3杯に。翌週は2杯、その翌週は1杯だけ……と徐々に減らしていくと、離脱症状も穏やかになり、少ない負担でカフェイン断ちができるようになります。

代替品を利用する

コーヒーの代わりにデカフェやハーブティーを

「コーヒーが飲めなくて辛い」という方は、デカフェ(カフェインが入っていないコーヒー)やハーブティーを代わりに飲んでみましょう。最近はデカフェでもコーヒーの香りや味わいが楽しめる製品がたくさんあるので、ぜひいろいろな製品を試してご自身のお気に入りを探してみてください。食後の口直しや作業の区切り・一息つきたいときなどにコーヒーを飲んでいた方の場合は特に、デカフェやハーブティーでも十分その役割を果たしてくれると感じるはずです。

睡眠とリラックス

カフェイン断ち中は、質の良い睡眠を取ることが特に重要です。また、ストレス解消法(瞑想、ヨガ、軽い運動など)を取り入れると、撤退症状の軽減に役立つ場合があります。

カフェイン断ちを成功させるためには、自己観察と調整が重要です。体がどのように反応するかを注意深く観察し、必要に応じてプロセスを調整することが、断ちをスムーズに進める鍵となります。

まとめ

ついつい摂取しすぎてしまうカフェイン。嗜好品として1日にコーヒー1杯程度を楽しむのであれば問題はありませんが、摂取のしすぎは睡眠に悪影響を及ぼしたり、イライラや胃腸の不調をもたらしたりする恐れも。カフェインの摂りすぎやカフェインによる不調に悩まされている方は、ぜひ今回ご紹介したカフェイン断ちをやってみてくださいね。また、清涼飲料水として扱われるエナジードリンクにもコーヒーと同程度のカフェインが含まれている場合があります。コーヒーと同様にカフェイン依存に陥りやすい飲料とされているので、エナジードリンクの摂りすぎにも注意しましょう。

五月病

2024.05.01

4月に新年度が始まって約1月が過ぎ、ゴールデンウィークの連休が終わると、梅雨入りも近くなったこの時期、耳にすることが多くなる言葉が「五月病」です。

五月病(ごがつびょう)とは、新年度を迎え、新社会人をはじめ転職や異動など新しい環境で仕事を始める人も多いことでしょう。心機一転、「よし、頑張るぞ!」とエネルギーが湧いてくるものです。
しかし、ゴールデンウィークを過ぎて一段落する頃から、にわかに「やる気が出ない」「ふさぎこむ」という症状が現れる人がいます。俗にいう「五月病」です。
五月病は、環境の変化に伴う心身の負担、ストレスが主な原因です。

「五月病」の多くは一過性の症状であり、適度な休息などで改善されることがほとんどです。ただし、会社や仕事が苦痛に感じるなど、仕事に支障が出るような重症の場合は早めに医療機関を受診しましょう。
「五月病」は正式な医学用語ではありません。医療機関では「適応障害」「軽度のうつ」といった診断名がつけられることもあります。

五月病は「適応障害」の一つと考えられていますが、五月病が急性に起こっているものとすれば、慢性的に続くものといえます。症状としては不眠、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などがあげられますが、梅雨の時期の不安定な気候も影響し、なんとなく体がだるく不調を感じるなど人によってさまざまな症状が現れます。さらに不調が続くとうつ状態となり、「うつ病」を発症してしまう可能性もあります。

適応障害とは
適応障害(てきおうしょうがい)は、日常生活の中で何かがストレス原因となって心身のバランスが崩れ、社会生活に支障が生じる状態を指します。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態と言えます。
適応障害の症状は、ゆううつな気分、不安感、頭痛、不眠などがあります。これらは一般的には正常な人にも現れる症状ですが、適応障害の場合はそれを超えた過敏な状態となります。
日常生活の中で起こった出来事や環境に対してうまく対処できず、社会生活に支障をきたす状態です。治療にはまず原因となっているストレスを軽減し、心理的に回復させることが必要で
す。また、場合によっては薬物療法が必要なこともあります。

適応障害とうつ病の違い:
適応障害とうつ病は、気分が低下するという点では似ていますが、適応障害の原因は環境であるのに対し、うつ病は突然起こったり体質的に生じたりするものです。具体的には、適応障害はストレスに関連したものであり、ストレスが解消されれば症状も改善されることが多いのです。一方、うつ病はストレスとは無関係に発症することもあり、環境を整備しても長期にわたって持続することが多い疾患となります。また、適応障害では楽しいことに対して反応がありますが、うつ病では何に対しても楽しめず、常に気分が落ち込んでしまいます。薬物療法も、適応障害の場合は効きにくい傾向にありまが、うつ病の場合は効果が出やすい傾向にあります。

五月病の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
□ 憂鬱な気分
□ やる気の低下
□ 疲れやすさ
□ 睡眠障害(不眠や過眠など)
□ 食欲不振
□ 集中力の低下
□ 対人関係の悩み

五月病の対処法:
1.生活リズムを整える:規則正しい生活を心掛け、適切な睡眠を取ることが大切です。
2.栄養バランスの良い食事をとる:バランスの取れた食事を心掛け、ビタミンやミネラルを十分に摂取しましょう。
3.適度な運動をする:軽い運動はストレス解消にも役立ち、体の調子を整えることができます。
4.趣味やリラクゼーションを楽しむ:自分の好きなことをする時間を作ることで、心のリフレッシュができます。
5.社会的サポートを求める:友人や家族、職場の同僚など信頼できる人とのコミュニケーションを大切にし、気持ちを共有することが助けになります。
6.目標を小さく設定する:大きな目標よりも、小さな達成可能な目標を設定し、一つずつクリアしていくことで自信をつけましょう。

五月病は一時的なものであることが多いですが、これらの方法を試してみて、自分に合った方法を見つけることが大切です。また、症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、専門家の助けを求めることをお勧めします。

インターネット依存

2024.04.28

世界保健機関(WHO)は2019年にゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を国際疾病として正式に認定しました。スマートフォンなどの普及でゲーム依存の問題が深刻化し、健康を害する懸念は強まっておりギャンブル依存症などと同じ精神疾患と位置付け、治療研究や世界の患者数の把握を後押しすることになります。

インターネット利用が低年齢化し、GIGAスクール構想によって公立の小中学生に1人1台の情報端末が配布されるなど、子どもたちがインターネットにつながる機会は一段と増しています。昨今ゲーム市場が活況で、子どもを魅了するオンラインゲームなども多くなっています。

情報端末の使用ルールをはじめ、ネットやゲームへの依存を懸念する学校関係者や保護者も少なくないのではないでしょうか。子どもが情報端末と適切に付き合っていくには、どうしたらよいのでしょう。

どんな病気?ネット依存症とは?

勉強や仕事、家事などやらなければならないことよりも優先してインターネットをしてしまい、その時間や場所などを自分ではコントロールできなくなってしまうことです。インターネットによって、生活が回らなくなってしまっていたり、生活に大きな影響が生じている状態のことをさします。

以下の10個の質問に最近のあなたの状態を想像しながら、あてはまる個数を数えてみましょう。

①気が付くと思っていたよりも長くネットをやっていることがある

②ネット中にそろそろやめようと思ってもやめられなかったことある

③誰かと過ごしたりするよりもネットを選ぶことがある

④やるべきことがあっても先にネットをしてしまうことがある

⑤ネットのために仕事や勉強の能率や成果が低下したことがある

⑥ネットで新しい仲間を積極的に作ろうとしている

⑦ネットをしていると日々の心配やストレスを忘れられることがある

⑧ネットをしている時に邪魔をされると、イライラしたり、怒ったりすることがある

⑨もしもネットがなかったら、生活は退屈だろうし、やっていけないと思う

⑩普段の生活でもネットのことばかり考えていることがある

5点以上当てはまるがあった場合はネット依存症の疑いありという可能性があります。

こんな症状や兆候はありませんか?

ご本人の様子

「ネットやゲームに熱中して眠れなくなった(昼夜逆転してしまった)」

「ネットやゲームのやり過ぎが原因かもしれないってわかっているけど、学校や会社の成績が、以前より落ちてきてしまった」
「以前は趣味や友人づきあいがあったのに、最近はネットやゲームばかりしている。最初は楽しかったのに、今は義務のようにやっているけど止められない」

ご家族から見て

「朝から毎晩遅くまでネットやゲームをしている」
「食事に呼んでもネットやゲームばかりして、部屋から出てこない」
「ネットやゲームについて注意したり、スマホを取り上げるとひどく怒る」

現代社会とインターネット通信機器の発展によりいつでもどこでも仕事ができ、調べたいことはいつでも調べられるように、誰かとつながりを持ちたいときはいつでもつながれるようになりました。

手にしたデバイス(スマホやパソコン等)から、スポーツや音楽、娯楽情報など、関心のある情報を探し出せる様になってきています。パソコンや通信機器によって、私たちの生活環境は以前と変化してきました。趣味や仕事をするうえでも、私たちの生活はインターネットの恩恵をずいぶん受けています。半面、こうした通信環境の発展にともない、ネットやゲームが「手放せない」状況も生まれています。

ネット・スマホ向けのゲームは、無料で手軽に遊ぶことができる反面、飽きにくく何度もログインして利用してしまいやすくなっています。無料でのゲームプレイは制限があることが多く、制限を超えてよりゲームを楽しもうとすると課金が必要となり、のめりこむことでお金を浪費しやすいのです。また、チャット機能があることでゲーム内での交流がしやすく、現実の人間関係から離れたコミュニケーションの場が用意されているのです。かつてのゲームと比べてみると、オンラインゲームは最初は無料で敷居が低い代わりに、ゲームが飽きにくい工夫がなされており依存してしまう危険性もあります。

体への影響

食生活の乱れや運動不足から体力の低下が起きやすく、長時間うつむいていることで、ストレートネックになってしまうなど、身体的な問題が生じます。また、画面を長時間見続けることで近眼や乱視(場合によっては老眼)となってしまうことがあります。

こころの影響

ネットにのめりこみすぎてしまうことで、うつ症状が出てしまうことや、イライラしやすくなることが研究で明らかにされています。このため気力がなくなり、いつもならできることが中々できなくなるだけでなく、人に対して怒りっぽくなりやすくなるなど、その人らしさを変えてしまいます。

学業や仕事への影響

夜遅くまでパソコンやスマホを使用してしまうと、昼夜が逆転し翌日の遅刻や授業中の居眠りが生じ睡眠障害を引き起こします。これが続くと、授業についていくのが難しくなり、成績が低下してしまうことや、場合によっては学校を遅刻してしまうこともあります。もっと事態が深刻になると、欠席の増加や不登校に繋がる場合もあります。また、社会人の場合では仕事中の私的なネットの閲覧から、上司に注意を受けてしまい、信頼関係にヒビが入ってしまうこともあります。

家族や周囲への影響

本人にネットから離れるように強制したり、スマホを取り上げられたことで、家族に暴言や暴力を振るってしまうこともあります。家族関係にヒビが入ってしまい、元々の関係性が崩れてしまう恐れがあります。

ネットゲームに依存している人の脳内では、ネットゲームをすると大量のドーパミンが放出されます。これを受容体が受け取ると幸せな気分を感じる脳の回路が活性化し、ゲームが習慣になっていきます。しかしゲームを長時間行って脳の中にドーパミンが大量にある状態が続くと、受容体の数が減ったり、感受性が低下したりします。

ゲームを長時間すればするほど、受容体は減少。さらにドーパミンを出し過ぎることにより、生産が追いつかず分泌も減ってきます。最終的にはドーパミンを分泌する能力も受け取る能力も低下してしまい、やる気や幸福感を感じられない状態になってしまうのです。

長い間ネットゲームに依存していると、ドーパミン受容体の活性度が下がります。また数も減り、枯渇してしまいます。受容体の数が減ると本来のドーパミンの効果が得られなくなってきます。幸せな気分になるはずが憂うつになり、人間の心にマイナスの働きをするようになるのです。これは覚せい剤などの薬物依存症と同じメカニズムです

自分ではコントロール出来ているつもりでもいつの間にかネットなしではやっていけなくなっているというのがネット依存症の怖いところです。いつでもやめられると思っていてネットをやっていても、いつの間にかコントロールができなくなっているということが起こるのです。 

その結果様々なものを犠牲にしているということを認知して、適切な行動を獲得してもらう方法として認知行動療法が有効だとされています。

ネットをやりすぎる結果どのような事態が起きるのか、その後に起こる事態がどのようになるのかという正しい認知を得るという方法です。単純にどれくらい自分はネットしているのかの記録付けるだけでも、正しい認知が得られると言われています。

認知行動療法では、次のような実践がなされます。

〇ネット使用の良い点・悪い点を考えながら1日の生活を振り返る

〇自らがネット使用に求めていることを分析し、ネット以外でそのニーズを満たす方法を模索する

〇過剰なネット使用の原因を分析し、その原因への対処方法を身につける

〇ネット以外の楽しい活動を増やしていく

インターネット依存症の治療では、ネットを全く使用しない「断ネット」ではなく、自らの生活に合った適切なネット使用方法を具体的に考えていくことを通して、「節ネット」を目指していきます。

ネット依存は、人間関係のトラブルや勉強や仕事からのストレスなど、何かのちょっとしてきっかけで誰しもなる可能性のあるものです。もしも、あなたの周りにネットをやめられなくなっている人や、あなた自身ネット依存症の予備軍の可能性があるという方は、ネットのやりすぎにならないようにネット以外のストレス解消や趣味を見つけてみましょう。

しかし、やはり一人の力で長時間のインターネットを辞められないという方は、一度精神科への受診をおすすめします。

デエビゴで悪夢を見るっていうけど本当?

2024.04.15

オンライン診療「クリニクス」

デエビゴは、製薬会社エーザイが2020年に創製した不眠症治療薬です。この薬は、オレキシン受容体拮抗薬という新しいタイプの薬で、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なり、自然な眠気を強める作用によって不眠症を改善します。

デエビゴの副作用について、「デエビゴを飲んで寝たら悪夢を見るって本当なのですか?」といった質問を受ける事がありますので今回、デエビゴについてご紹介させていただきたいと思います。

デエビゴ(一般名:レンボレキサント)は、中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害に使われることが多い睡眠薬になります。同じタイプのベルソムラと比較して、入眠障害に対しても効果が期待できます。

デエビゴは、オレキシン受容体拮抗薬に分類される新しい睡眠薬になります。覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、睡眠状態を促すお薬になります。

オレキシンは生理的に変動している物質で、日中は増加して夜間は減少しています。デエビゴは睡眠と覚醒に関係する生理的な物質に働くことで、睡眠を促していくお薬になります。

副作用:

1).神経系障害:(3%以上)傾眠、(10.7%)頭痛(4.2%)

        (1〜3%未満)浮動性めまい、睡眠時麻痺

        (1%未満)注意力障害

2).精神障害:(1〜3%未満)異常な夢、悪夢

       (1%未満)幻覚、錯乱状態

       (頻度不明)睡眠時随伴症

3).循環器:(1%未満)動悸

4).消化器:(1〜3%未満)悪心

      (1%未満)口内乾燥、腹痛

5).肝臓:(1%未満)ALT上昇

6).感覚器:(1%未満)回転性めまい、耳鳴

      (頻度不明)眼痛

7).その他:(3%以上)倦怠感(3.1%)

      (1〜3%未満)体重増加

      (1%未満)食欲亢進、多汗症、血中トリグリセリド上昇、異常感、転倒、筋肉痛

メリット:副作用の少なさです。

 ・やめやすい。内服中止に伴う反跳性不眠、離脱症状は観察されず身体的依存は起こりにくい。

 ・認知機能に影響が少ない。自動車運転への影響の少なさ、健忘が起こりにくい。

 ・夜間覚醒時および翌日の姿勢安定性に影響がすくない。

ふらつきが起こりにくい。

デメリット: 

・悪夢を見やすい。オレキシン1・2受容体を強く阻害する

とレム睡眠が増加し、夢が増えて悪夢が見やすくなると言われています。

・眠気が残ることがある。

デエビゴの副作用「悪夢」はどれくらいの確率で起こるのかというと、実はそれほど高くありません。しかし、デエビゴではなぜそのような副作用が起きてしまうのでしょうか?

悪夢の原因:

 そもそも夢はレム睡眠、ノンレム睡眠中どちらでも見るものですが、記憶に残りやすいのが眠りの浅いレム睡眠中の夢。 デエビゴはオレキシン受容体に作用することによって、レム睡眠を増やすので悪夢や異常な夢を見たという記憶が残りやすくなるのです。

薬そのものが悪夢を見せるというよりは、「レム睡眠が増える=夢の記憶が残る」というイメージです。

デエビゴによる悪夢の理由は、オレキシン1・2受容体を強く阻害するため、レム睡眠が増加し、夢が増えて悪夢がみやすくなるためと考えられています。また、デエビゴは作用時間が長く中途覚醒に効果がありますが、用量が多いと持ち越し効果が生じるため、内服する用量に注意が必要です。

悪夢の対処法:

悪夢は、寝る前の不快な気分が出現に関与すると考えられているため、悪夢を誘発するような怖いTV番組などの刺激を避けたり、ストレスを回避するための環境調整を行う事が重要です。

不安や疑問があれば医師に相談して、適切な使用方法や継続的な服用の是非を決定してください。

心を元気にする栄養素

2024.04.07

暖かな日差しに心も弾む季節となるはずなのに、なんだか気分が落ち込む、何もやる気にならない…といった経験はないでしょうか。

実は、日本では3月が1年の中で最も自殺率が高く、厚生労働省も3月を『自殺対策強化月間』と定め、毎年さまざまな呼びかけをしています。

不調の要因として挙げられているのが、まず日ごとの寒暖差が大きく、自律神経が乱れやすいということ。そして、学校や職場においても年度末による慌ただしさ、卒業や異動、組織変更など、“いつもと違う”状況が続くこと。

このような忙しさや慣れない環境、変化による不安が心に少しずつダメージを与えてしまうのです。

このようなストレスだけでなく、日々の食生活や栄養バランスの乱れもメンタルの不調を引き起こす要因となります。そのため心療内科や精神科の医療現場でも、食生活の改善や栄養指導を取り入れるようになっています。

特にタンパク質・食物繊維・ビタミン・鉄・葉酸を豊富に含む食材はどれもドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の合成に欠かせない栄養素であるなど、きちんと補うようにすることで、心をポジティブに保つことができます。

タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されていますが、その中には記憶や感情を司るドーパミンなど神経伝達物質の原料となるトリプトファンやフェニルアラニンといった必須アミノ酸も含まれています。

これらが不足すると気分や感情に影響が出てしまうため、しっかりと摂っていきましょう。

アミノ酸から神経伝達物質が作られる過程において葉酸も不可欠です。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内の善玉菌を増やしてストレス反応を減らし腸活には必須となります。

●タンパク質
記憶や感情など、脳機能に重要な役割を果たすセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の材料となるアミノ酸。体内で合成できないものも多いため、タンパク質として毎日の食事から補うことが重要です。
●食物繊維・ビタミンC
うつ病をはじめとする心の不調と腸内環境には密接な関係があることが分かっています。腸内環境を整え、ストレスに対処するためにも、水溶性・不溶性の2種類の食物繊維をバランスよく摂取することが大切です。

ビタミンCは、鉄分の吸収に重要です。また、ストレスと闘うホルモン=コルチゾールの生成にも関与します。ビタミンCは、体の免疫力や抵抗力を維持する効果が知られていますが、ストレスがかかると減少してしまうのも特徴です。
●鉄や亜鉛などのミネラル
心を元気にする脳の神経伝達物質の合成に重要な役割を果たしており、鉄が不足するとうつ病のリスクが高まり、気分が落ち込みがちになります。とくに月経がある女性は鉄分不足が起きやすく、食事からの摂取を心がけましょう。鉄不足でうつや不安に⁉ | 福岡市中央区大手門の精神科・心療内科 | テスラクリニック (tesla-clinic.jp)

●葉酸
葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、鉄と一緒になってセロトニンやドーパミンなどといった脳の神経伝達物質の合成に関与する栄養素です。とくにうつ病との関連性が多く指摘されています。

積極的に摂ったほうがいい食材

大豆製品

豆腐や納豆といった大豆製品は、植物性タンパク質の宝庫。また不溶性食物繊維を多く含むほか、善玉菌のエサとなる大豆オリゴ糖も豊富と、いいことずくめです。 ぜひ毎食1品は加えるようにしてみましょう。中でも納豆は鉄分や葉酸も豊富なうえ、手軽に食事にプラスしやすいです。

魚類

動物性タンパク質をしっかりと補えるだけでなく、EPAやDHAなど、脳を保護する脂質も豊富です。これらのオメガ3脂肪酸は血液をサラサラにする効果も期待できます。

また、まぐろやかつおなどの赤身魚やあさりといった貝類には、鉄分も多く含まれているので、週3回くらいは摂取するよう心がけましょう。

野菜・果物

1日350g食べることが望ましいといわれる野菜ですが、実際にそれを実現できている人は全体の10~15%くらいしかいないのが現状です。

食物繊維、ビタミン類をしっかりと補うことができるだけでなく、小松菜などの青菜には鉄分、ほうれん草やモロヘイヤといった葉物野菜には葉酸もたっぷり含まれています。

さまざまな栄養素を効率的に補うことができるので、パスタや丼物などの一品メニューには必ずサラダをプラスするなどのひと工夫を!

レバー

不足しがちな鉄や葉酸を効率よく摂取するなら「栄養の宝庫」ともいわれるレバーがオススメです。鉄分は豚、葉酸は鶏のレバーにとくに多く含まれています。

また、必須アミノ酸やビタミンB1、B2、B6、B12などもたっぷり含まれているので、意識してメニューに加えましょう。

乳製品・ヨーグルト

牛乳をはじめとする乳製品は日本人に不足しがちな食材で、タンパク質やビタミン類を効率的に補うこともできる。ヨーグルトは、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境改善・ストレス緩和効果も期待できます。

もしも今、なんとなく気分が落ち込んだりやる気が出ないといったメンタル面の不調を感じているようなら、まずは上記で紹介した栄養素を含む食品をバランスよく食べつつ、エネ

主食は量を控えめにし、精製度の低い穀物(白米よりも玄米など)を選ぶことをおすすめします。

理想は、昔ながらの和食メニューの食生活ですが、和食は塩分が多いことと乳製品が摂れないことに注意が必要です。減塩を心がけるとともに、ヨーグルトや牛乳などを補うとよいでしょう。

食事の内容だけではなく、規則正しく食べることも大切です。1日のリズムを整えるためにも、朝食をきちんと摂りましょう。朝食を摂る人のほうがうつ病の既往が少ないというデータもでています。また、朝起きて空腹を感じられるように、夜遅い時間の食事はできるだけ控えましょう。遅くに食べてしまうと夜更かしや肥満にもつながります。夕飯は早めに済ませて、早めに寝るように心がけるとよいでしょう。

食生活を整えて良好な精神状態で充実した毎日を過ごしていきましょう。

休職中にやってはいけないこと

2024.03.31

休職中は、前半と後半に分けて考えることができます。

前半:休職直後からしばらくの期間です。この時期は、体調の変化に戸惑いを感じることがよくあります。精神的にはとても辛い時期で、仕事から離れて心身を休める大切な時期です。

後半:しっかりと休息を取った後、社会に復帰するための準備期間になります。この期間は、仕事に戻るための心構えや調整を行うことが重要です。

しかし、休職中にやってはいけないことをしてしまい復帰までの期間が長引いてしまうケースもあります。ここで紹介する休職中にやってはいけないこと、おすすめの過ごし方を参考にしてみてはいかがでしょうか。

休職直後にやってはいけないこと

仕事のことばかり考える

休職して間もない場合にしばしばとってしまいがちな行動のひとつとして、「仕事のことばかりを考える」という行動が挙げられます。

休職直後は、自分が抜けた仕事のことや進めていたプロジェクトの進捗状況、または取引先とのやり取りなど、つい仕事のことばかりを考えてしまうケースが多くみられます。

スマートフォンやパソコンで仕事のメールを確認できる場合は、ふとした瞬間にメールをチェックしてしまうということもあります。休職前までは毎日のように行っていたことであるため、そのような行動を取ってしまうことも仕方のないことかもしれません。とはいえ、仕事のことばかりを考えていると、「引継ぎに問題はなかったか」「ミスなどはなかったか」と不安になったり、休職に至る原因となったことなどを思い出して体調が悪化する可能性があります。

特に休職して間もない場合は、仕事のことを考えることで体調不良の引き金となるケースが多くあります。そのため、休職初期はできるだけメールチェックなどは控えて、仕事から離れる意識を持つことが大切です。

仕事のことばかり考えてしまうのは、それだけ責任感を持って仕事に取り組んでいた証といえます。そうであれば、引継ぎも問題なく行えたと割り切って考えることも大切です。仕事のことは考えず、まずは自分自身の心身の健康を最優先に考え、休職期間を過ごすようにしましょう。それが結果的に、自分のためにも会社のためにもなります。

とはいえ、定期的に会社と連絡を取り合っている場合は、それを無理にやめる必要はありません。無理のない範囲で、時間が空くたびに仕事のことを考えたり自分から進捗を確認することなどを控えることが大切です。

休職原因を分析する

休職後、間もない方がしてしまいがちな「休職原因を分析すること」です。確かに、休職期間中に実践するべきこととして休職原因の分析が挙げられますが、休職直後の取り組みとしては必ずしも適切ではありません。

休職原因は、不調になった原因と直結していることが多くあります。そのため、まだ体調が安定していない休職直後に原因の分析を行うと、休職前のことを思い出して体調が悪化したり復職への不安が強くなってしまう可能性があります。また、まだ自分の体調や現状を客観視できず、正しい分析ができないというケースもみられます。こうした理由から、休職原因の分析は体調が安定して仕事のことを考えても落ち着いた状態でいられるときに実施する必要があります。

休職して間もないうちは、焦らずに十分な休養をとって良い精神状態を作るための安定した生活習慣を維持することが大切です。

焦って復職準備をする

休職後、間もない方がしてしまいがちな「焦って復職準備をすること」です。休職中は、「本当に復職できるのか」と焦りや不安を感じてしまいがちです。特に休職初期は、これまで毎日行っていた日々の仕事がなくなり、不安を感じやすくなります。そのため、休職して間もないうちから休養をとらずに復職準備に取り掛かる方もいます。しかし、こうした活動は却って休職期間を伸ばす原因となりかねません。まずはしっかりと休養し、心身の健康を回復させることが大切です。規則正しい生活習慣を送り、安定した状態を維持できるような過ごし方を優先しましょう。

休職期間中、復職準備を頑張りすぎて十分な休養がとれない場合や、夜遅くまで勉強をしていて生活習慣が乱れている場合は、体調は回復するどころか悪化してしまう可能性があります。

また、休職後に少しの間だけ休養をとり、少しずつやる気が出てきたという場合も注意が必要です。元気になってくると、ついつい「あと少しだけ」「もう少しなら」と頑張ってしまうことがあります。頑張ることで復職が早まると考えてしまいがちですが、こうした考えが逆効果になるケースもあります。

自分の体調が許す範囲で少しずつ復職準備を進めることは大切ですが、頑張りすぎてしまうと自分でも気付かないうちに疲労が蓄積され、症状の悪化につながることもあります。休職期間中は初期段階に限らず全期間を通じて、そして復職後も夜遅くまで頑張ることは避け、規則正しい生活リズムを維持することや、活動と休職のメリハリをつけることを意識するようにしましょう。

過度な飲酒、喫煙

職場から離れ、何もしない時間が増え、さらにイライラしてくると飲酒や喫煙の量が増えてしまうことがあります。多量のアルコールの摂取は睡眠の質を悪くし、体の回復が遅れる可能性が高いので、療養中の飲酒は適量に留めてください。喫煙も生活習慣業の一因となるため、会社に勤めていた頃より喫煙の量が増えた場合は注意が必要です。気晴らしに外の空気を吸いに散歩に出るなどしてストレスを緩和するようにしてください。

人生の決断、転職

療養の前半は心の状態が安定せず、過度に悲観的になることもあります。「今は冷静な判断ができない時期だ」という認識を持っておいてください。

まれに思い詰めてしまい、「これ以上会社に迷惑をかけられないから明日辞表を出しに行こう」「こんな自分と一緒では家族に迷惑をかけるから離婚したほうがいい」などという考えが浮かび、本当にそのように行動してしまう人もいます。

転職についても同様です。療養中は自分で思っている以上に体力・判断力が落ちていることがあります。もし焦って転職し、新しい職場が決まったとしても、自分が思っていたように体も頭も動かず、「こんなはずではなかったのに…」という結果が続き、新たな精神疾患になることも考えられます。

くれぐれも、人生を左右するような大きな決断はまだせず、体と心を休ませることを最優先にしてください。

療養が長引くことを恐れ、主治医に本当のことを伝えない

「早く復帰したい」「調子が悪いというと怒られそう」「主治医を前にする緊張して上手く話せない」

などの理由から、主治医に本当のことを伝えない(もしくは伝えられない)と、治療が上手く進まないことがあります。

精神不調はレントゲンや機器で測定できるものではなく、本人が話す内容をもとに医師が病状を診断します。ですから患者は、医師に症状をきちんと伝える必要があります。緊張して話がまとまらない時は、日ごろから自分の体調を記録しておいたものを見せるとよいと思われます。

休職前半におすすめの過ごし方

心と身体を休ませる

休職したばかりの時期なら、あなたは「職場の人が働いているのに自分だけ休んでしまって申し訳ない」「ただ休んでいないで、何かしたほうがいいのでは」という気持ちを感じるかもしれません。しかし、医師から「治療に専念することが必要」と診断され休職になっているのですから、まず心身をゆっくり休ませてください。頑張ってきた人ほど、職場に穴を開けたと自分を責めてしまいますし、ハードな職場から抜けてきた場合「残された社員は大丈夫だろうか」と心配になりますが、それは人員の調整などをする立場の上司が考慮すべきことで、あなたが心配することではありません。まずは自分の治療に専念してください。

うつ状態などがある場合、毎日徐々によくなっていくというより、調子がいい・調子が悪いを繰り返しながら段々とよくなっていきます。調子がいい日が何日か続いたからといって活動量を増やすのはハイリスクです。特に復職や転職の準備については「この様子ならもう大丈夫だろう」と自己判断せず、主治医に相談して始めるようにしてください。

医師の指示に従って治療する

うつ病などの精神疾患で休職した場合、医師の指示に従って薬物治療をします。この時、症状が落ち着いてきても自己判断で服薬をやめるのは危険です。服薬によって症状が抑えられているから落ち着いているのであり、服薬をやめると再度症状が悪化する恐れがあります。

また、医師の指示がなく自己判断で服用をやめると、思わしくない症状が出たり、病気の慢性化の原因にもなります

 休職後半

不調から来ていた症状が治まり気持ちが前向きになり始めたら、徐々に生活リズムを整えリハビリを始めます。この時期にしてはいけないこと、するとよいことを解説しますが、ここでも前提として「医師が指示した治療を続ける」ことが必要です。

 休職後半にやってはいけないこと

長期間の旅行

外出はリハビリの一環ともいえるので、休職期間中に療養で温泉に出かけたり、実家で1か月ほど療養するのは休職の目的の範囲内の行動として考慮されることがあります。

しかし、1週間などの旅行となると話は別です。このようなことが見つかった場合は、会社から事情聴取される可能性があります。休職する場合、傷病手当金を受け取るケースが多いのですが、長期間の旅行に行けるという状態は、就労可能な状態とみなされるので、傷病手当金の不正受給の可能性も出てきます。休職中に長期間の旅行などには行かないようにしてください。

また、主治医と相談した上で適切な判断を行ってください。

治療の中断

休職中に自己判断で薬を飲むのをやめることは、症状の悪化や再発を引き起こす可能性があります。定期的に医師と相談し、治療計画に従ってください。薬の調整や中断が必要な場合は必ず医師の指示に従ってください。

休職後半におすすめの過ごし方

休職前の生活リズム・体力に戻す

低下した体力の回復のため、まずは散歩等の軽い運動を始めてみましょう。療養前半は日中も横になり、眠っていることが多いかと思います。療養前半は体力の回復を優先すべきなので、「食事の時間がバラバラ」「生活リズムが狂ってしまった」といったこともさほど問題はありません。

しかし、体力が戻りはじめたら、徐々に生活リズムを就業時のリズムに戻すことがリハビリの第一歩です。

散歩にでて、近所の図書館へ行き読書をするなど、少しずつ体と頭を使うことを増やしていきます。特に、午前中から毎日決まった場所(カフェや図書館、少し離れた距離のある公園など)へ出かける習慣も生活リズムを作る上でよいと思われます。

休職に至った原因を振り返る

これは回復してきたらで構いません。仕事から離れ時間が経つと、休職前の状態が客観的にみられるようになってきます。自分にとって何が一番ストレスだったのか?どうしたらその状況を改善できるか?業務内容が原因なのか?人間関係が上手くいかなかったのか?

これらをゆっくりで構いません。紙に書き出し、少しずつ整理してみてください。自分の考え方の癖、行動の癖などが見つかり、復職後の再発防止にもつながります。

自分に適した働き方を考える

上司や人事との面談の結果、復職後に配置転換になるかもしれません。

復職の面談際には「どの業務はできて、どの業務は外れるべきか」「今後も同じ業務をするならどのように対処するか」ということを話すことになります。ですから、上記の様に何が自分にとって負担だったのかを振り返り整理したことがとても役立ちます。

また、復職後には時短勤務など、慣らし出勤などの制度があれば活用して、無理なく仕事に慣れることを優先しましょう。

リワーク制度(復職支援)を活用してみる

「そもそも、自分にあった仕事が分からない…」「何度も休職を繰り返してしまっている…」「復職準備ができているのか不安になる」といった悩みがあるなら、リワークを活用してみるのがおすすめです。

生活リズムを整えながら復職に向けての心理面・スキル面のリハビリをすると同時に、休職になった時の振り返りをし、再休職防止への取り組みができます。また、仕事のスキルアップにつながるようなプログラムが提供されることもあるので、リワークをつかうことで休職期間がより有意義なものになると思われます。

最後に

休職期間は、まずは心身の休養に専念することが重要です。休職が進むにつれて、心に余裕が生まれ、自分自身と向き合う時間も増えるでしょう。日常の忙しさから離れて、これまで考える機会がなかった自分の将来の働き方や生き方について深く考えることができます。この記事が、休職期間を充実したものにするためのお役に立てれば幸いです。

精神科と糖尿病の意外な関係

2024.03.17

厚生労働省が定める医療計画において、五大疾病とは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患を指しています。現代の日本社会においていずれも重要な健康問題です。当院は精神科・心療内科ですので、精神疾患の患者様が多くご来院されますが、中には糖尿病を合併されている方もいます。

糖尿病の合併症にはなにがあるかご存知でしょうか?

3大合併症として、網膜症(網膜とは目の構造の一部です)、腎症、神経障害があります。その他にも脳卒中や虚血性心疾患など挙げればキリがないほどの合併症があります。その中でも心の病気と糖尿病の以外な関係があることをご紹介させていただきます。

たとえば、糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。

うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病や脂質異常症の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。

糖尿病は国民の10人に1人といわれる国民的な病気です。早期は自覚症状がないため気づかなかったり、検査で血糖値が高く治療が必要といわれても治療を受けなかったりする人が多く、糖尿病で治療を受けている人は全体の半分弱にすぎないと推定されています。しかし糖尿病によって年間約1万5千人が死亡し、糖尿病による腎症で年間約1万5千人が人工透析を始め、年間約1,000人に糖尿病による高度の視力障害(失明など)が発生しています。このような合併症を起こさないようにするためには、血糖値に注意しながら生活習慣を改善する必要があります。

また、精神科で処方される一部の薬剤は、血糖値に影響を与えることが知られています。例えば、一部の抗精神病薬は体重増加やインスリン抵抗性を引き起こす可能性があり、これがリスクを高めることがあります。

糖尿病とうつ病との関係

これまでの調査によると糖尿病の約30%にうつ症状があるといわれ、糖尿病とこころの問題が重要視されるようになっています。糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告もあります。両者の関係について、神経系・内分泌系および免疫系の相互関係の研究がすすめられていますが、行動上の要因も大きいといわれています。

従来は、糖尿病と診断されることや糖尿病の治療(これまでの生活習慣を変えなければならなかったり、インスリン治療を始めなければならなかったりすることなど)、合併症の発症・進行などに伴うこころやからだの苦痛のために、糖尿病のある方はうつ病になりやすくなるのではないかと考えられてきました。最近では、糖尿病とうつ病の間にはよりさまざまな要因が関与する、複雑な関係があるのではないかと考えられるようになってきています。

糖尿病を自分で管理しなければならないことや、治療を続けなければならないこと、がんばっていたとしても合併症になるのかという不安が出てきたり、合併症を発症すると自由に行動できなくなったりと、すべてのことが心の負担となってきます (糖尿病に伴うストレスといいます) 。

一方で、うつ状態になると、過食になったり、嗜好が変わったり、毎日の行動が減少したり、内服薬・インスリンなどの注射を忘れやすくなった結果、HbA1c 値が悪化し、合併症を発症しやすくなることがあります。これらがまた気持ちをうつにしてしまいます。

糖尿病の合併症などのリスク上昇

糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するばかりでなく、深刻な影響がでます。死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。また糖尿病の合併症である神経障害・腎症や網膜症が起きやすくなり、またそれらの合併症が悪化する危険性が高まります。

うつ病になると、こころの面だけでなく、からだの面にも症状が出てきます。例えば、ホルモンや自律神経など、からだの働きを調節するさまざまな機能に不具合が生じます。このうち、糖尿病に関係する変化として、インスリンの作用が弱くなる(インスリン抵抗性)と考えられています。

そればかりではなく、うつ病になると意欲や集中力が低下し、予約どおりに通院したり、お薬を定められたとおりに服用するといった糖尿病の治療に必要な行動が行えなくなったり、健康的な食生活や身体活動量を保つことが困難になったり、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。

このような状態が長期間続くと、高血糖や低血糖のために緊急に医療機関を受診する機会が増えたり、糖尿病の合併症がすすみやすくなったりします。さらには健康なからだを維持していられる期間(健康寿命)が短くなったり、医療費の負担が増加したりするとも言われています。

糖尿病のある方ではからだの健康に加えてこころの健康にも気を配ることが大切なのです。

対処のポイント -うつ病を見逃さない

糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。

糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。

うつ病の症状(からだの不調)

  • 体重が減った
  • 食欲がない
  • 眠りすぎる
  • 動きや話し方が遅くなった
  • 性欲が減った

うつ病の症状(こころの不調)

  • 悲しい気持ちが消えない
  • 以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
  • 集中することや、物事を決めることが難しい
  • 自分を大切に思えない
  • 失敗したわけではないのに罪悪感がある
  • 死にたいと思う

このように精神科と糖尿病は密接に関連していると言えます。定期的な健康診断と生活習慣の改善により、糖尿病およびその合併症の予防と管理に取り組むことが重要です。自分の健康に責任を持ち、積極的にケアを行うことで、糖尿病およびうつ病の影響を最小限に抑えることができます。

新生活とうつ

2024.03.09

新生活とうつ 本格的な寒さも終わり、木々が新芽を吹く季節を迎えました。

本来なら心が浮き立つ春が到来したというのに、メンタル不調を訴える人が多いのもこの時季の特徴です。

春先を“木の芽どき”と呼ぶ言い方は古くからあり、俳句の季語にもなっています。文字通り木の芽が出て虫たちが活動を始める時期なので、ポジティブに捉えられそうなものですが、そうではありません。
この言葉は、昔から「身体的精神的にバランスを崩しやすいので、病気に注意するべき時期」という意味でも、言い伝えられてきたのです。
医療現場でもこの時期は、うつ状態に陥る人が現れたり、認知症の行動・心理症状(徘徊、不穏、興奮など)が悪化したり、不定愁訴(ふていしゅうそ/器質的な原因が見つからないのにさまざまな不調を自覚して訴える状態)が多発する時期でもあります。
木の芽どきに起こる不調は、一過性のものだからと看過してはいけません。不調の原因を把握し、しっかり対策を立てることが必要です。

就職、入学あるいは会社で昇進した…など、環境が変わるとうつ病を引き起こしやすくなります。新しい環境に十分になじむまでのストレスを感じることが、うつ状態やうつ病のきっかけになることは少なくありません。

新生活が始まると、多くの人は気持ちを新たにし、自分自身に期待をかけます。それがうまくいかないと、『頑張りが足りないからだ。もっと頑張らなければ』と考え、さらに自分を追い詰めて不調になる人たちもいます。過度にがっかりせず、気持ちを楽にしましょう。

どのような対策をとればよいのでしょう?

この時期に心身の不調を感じたら、心の状態もよく見直してみましょう。

ストレスの多い現代社会で心の健康を保つためには、よい意味での『適当さ』や『遊び』が必要です。食事、睡眠、休養、運動などの生活習慣を整えることも、心の健康を維持する基盤となります。

いつもと違う不調があり、長引くようなら、心療内科や、精神科を受診しましょう。小さなストレスが積み重なり、うつ症状やうつ病のきっかけになることは珍しくありません。

不眠や胃痛、下痢等の消化器症状が出現すれば内科を受診し、胃薬や睡眠導入剤などを処方される。あるいは、春は花粉症とも重なるので、全身の不快症状をアレルギーと誤解して抗ヒスタミン薬を処方されることもあるかもしれません。これによりまた、うつ状態をこじらせたり、早期発見を遅らせたりすることもあります。

身体が不調なときには心も大丈夫?と自分で問いかける習慣が重要です。家族同僚、後輩などもそういう視点で見守ってあげたいところです。

もちろん新しい環境におかれ多少のストレスを自覚することは、人間の防御機能として当たり前の作用で、それがすべてうつ病につながるというわけではありません。

グレーゾーンの「うつ状態」が「うつ病」へと進行しないためには、十分な休養と早期受診が有効です。

うつ状態が長く続くと、睡眠障害や食欲不振といった身体的症状がではじめます。眠れない、眠っても目覚めてしまう、食欲がない、胃痛や下痢などの消化器症状が続く、倦怠感などから仕事を欠勤、学校を欠席するようになると、うつ病を心配しなければなりません。精神科や心療内科を早めに受診するほうが、うつ症状を長引かせるよりは早めの改善が期待できます。ですが、精神科を受診することに抵抗感がある方も少なくないと思います。

睡眠障害がではじめて2週間以上、欠勤ないし欠席が続くようになったタイミングで、精神科や心療内科の受診をおすすめします。

以前は抗うつ薬の中には強い副作用(吐き気、下痢、不眠、性機能障害など)がありましたが、近年の治療薬の進歩によりほとんど副作用のないものも出てきました。ただし効果が出るまでには2~3週間程度かかることがネックになります。

当院では、内服をしないうつ病治療rTMS(反復的経頭蓋磁器刺激法)を取り入れています。頭に直接、強力な磁気をあて、刺激を与えること脳の機能低下を改善することを目的とした治療法です。

脳に直接刺激を与えるという治療に不安がある場合、治療そのものをいったん終了することができます。その点も体内に残る抗うつ剤治療とは違う点です。

うつ病患者の脳を画像診断すると、脳への血流量が著しく低下しているのがわかります。特に、人間の感情や人格を支配する前頭葉への血流量の低下と機能低下といった、共通所見がみられます。

rTMS治療は前頭葉の一部分に磁気をあてて刺激を与えることで、前頭葉の活動を活性化させる一方、前頭葉の機能低下を補うためにオーバーヒートしている脳の扁桃体という部位の過活動を抑え、脳機能のバランスを取り戻しうつ病を改善させていきます。

rTMS治療はうつ病治療の有効な選択肢の一つであり、利点としては薬物に頼らなくて済むこと、副作用がないことです。最近の抗うつ剤は、以前よりも副作用は少なくなったものの、それでも一定の副作用は生じるので、長期間にわたり内服しづらいという欠点もあります。内服治療を続けても、うつ病の10~20%は慢性化してしまうという投薬治療の限界もあります。

rTMS治療の利点は体の負担は少なく、即効性があるということです。うつ病治療は本来であれば中途半端にすることなく、学校や勤務先を休んで、しっかりと治療に専念することが望ましいのですが、外来でrTMS治療を受け日常生活を維持しながら加療できる場合もありますので、お気軽にご相談ください。

最後に

こころの病気は、本人が苦しんでいても、周囲からはわかりにくいという特徴があります。私たちは、病気や怪我をした人には「無理はしないでね」と、自然に声をかけることができます。しかし、こころの病気の場合は、外から見ても気がつかないことがあり、知らないうちに無理なことをさせたり、傷つけていたり、病状を悪化させているかもしれません。

私たちみんながこころの病気を正しく理解することはとても大切です。

あなたは一人ではありません。

どんな些細なことでも当院までご相談ください。