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2024年05月のブログ記事一覧

最高のコンディションを引き出すには

2024.05.31

学習や仕事、日常の過ごし方において、最高のパフォーマンスを発揮するには、自分の能力やスキルを向上させる必要があります。

しかし、同じくらい大切な要素は、最適な状態で行動することです。コンディションが整っていないと、最高の実力を発揮することが難しくなります。最高のパフォーマンスを実現することで、自分の目標にスムーズに近づくことができるでしょう。

そして、充実感ある時間を過ごし、満足のいく成果を得ることもできます。

しっかりとコンディションを整えてから仕事や学習に取り組むことで、これまでの努力を最大限に活かし、より充実した時間を過ごしながら目標に近づけるはずです。心身共に最高のコンディションを維持するためのいくつかの方法についてご紹介します。

睡眠

健康的な状態を維持するためには、十分な睡眠が不可欠です。十分な睡眠を確保しないと、体調が悪化し、思考力も低下します。

成人の場合、個人差はあるものの最低でも6時間以上の睡眠を確保することが良いとされています。また一般的には、起床して日光や明るい光を浴びてから15〜17時間後に眠くなります。 そのため、 起きてから15〜17時間後に寝るのがベストで15〜24時間後が理想の寝る時間帯となります。

この睡眠時間を確保することで、脳の機能を最大限に活用でき、集中力やストレスの軽減にも効果があります。

睡眠でまず大事になるのは睡眠時間をきちんと確保することです。日中眠くなることが多かったり、仕事や学校のない休日に朝遅くまで寝てしまっている場合は、日ごろ睡眠時間が足りないというサインになります。

知らず知らずのうちに睡眠負債がたまっていることもありますので、睡眠時間を確保することは私たちの健康にとってとても重要なことです。睡眠不足だと風邪をひきやすくなったり、高血圧や糖尿病の要因にもなりうることが報告されています。

また、記憶力や感情、パフォーマンスにも大きな影響をもたらすことも報告されており、睡眠不足による経済損失は膨大なものになるといわれています。必要な睡眠時間を確保することはとても大事なことなのです。

実は睡眠不足以外にも無視できない問題があります。それは体内リズムが乱れてしまうことです。海外旅行と言わないまでも、夜更かしや朝寝坊などによって私たちの体内リズムは簡単に乱れてしまいます。体内リズムが乱れてしまうと寝たいときに眠れなくなったり、睡眠時間が十分なはずなのに目覚めが悪くなってしまったりと、良い睡眠が得られにくくなります。

体内リズムの乱れもまた肥満といった生活習慣病や、日中の疲労感、パフォーマンスにも関わっているということが報告されています。毎朝同じ時間に太陽の光を浴びること、朝食をしっかり食べること、夜に強い光を浴びないといったことが体内リズムを整えるうえで重要になります。

睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」など多くの重要な役割があります。うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールすることが大切です。

関連記事:【入浴と睡眠】

食事

脳を働かせるためにも、体を動かすためにも、私たちはエネルギーを必要とします。日々の生活において、規則正しい食事のタイミングは、血糖値の安定とエネルギーレベルの維持に役立ちます。朝食をしっかり摂り1日3食のバランスの取れた食事を心掛けましょう。(諸説あり、意図的なファスティングが好ましい場合もあります。)

タンパク質、炭水化物、健康的な脂肪、ビタミン、ミネラルをバランスよくしっかりと摂りましょう。

加工食品や高砂糖食品は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。できるだけ自然な食品を選びましょう。

アルコールやカフェインの過剰摂取、漫然とした摂取を避けるようにしましょう。アルコールやカフェインには体に負担をかける可能性がありますので、適度な摂取を心掛けましょう。

関連記事:中毒に注意 ~カフェインの摂りすぎは良くない?~

これらのポイントを意識することで、最高のコンディションを保つことができます。

運動

運動は体力を向上させ、ストレスを軽減し、心身の健康をサポートします。ウォーキング、ジョギング、ヨガ、筋力トレーニングなど、自分に合った好きな運動を取り入れていきましょう。

ストレス管理

ストレスは体に悪影響を及ぼすことがあります。リラックス法や瞑想、深呼吸などを試して、ストレスを軽減しましょう。

水分

水分は体の機能をサポートし、代謝を促進します。

1日に約2リットルの水を目安に水分を摂ることで、体内の機能が最適に働きます。

社交的なつながりを持つ

友人や家族との交流は、心の健康に良い影響を与えます。人々とつながり、互いに支え合うことで精神の安定にも繋がることでしょう。

まとめ

 不安や心配事を持ち続けることは、良いコンディションとは言えません。メンタルを整えることで、最高のパフォーマンスを発揮することが可能となります。散歩や音楽を聴くなど、気持ちをリフレッシュさせる方法を取り入れて、ポジティブな状態を保ちましょう。

コンディションを整えるということを自分の中でルーティン化すれば、常に良いパフォーマンスを発揮し目標の達成などにつながっていくことでしょう。

食事も睡眠も毎日やることなのに、ついつい疎かになってしまいがちです。できることから取り入れて、少しずつでも学習や仕事のパフォーマンスを引き上げていきましょう。

関連記事:rTMS治療

歩いた方がうつに良い?

2024.05.24

うつ病の治療は、抗うつ薬などを投薬する薬物療法とカウンセリングなどによる精神療法を併用して行われますが、うつ病になじまないように思われる運動もまた、症状の改善に効果があるといわれています。

関連記事:週にどれくらい運動すればよいのか

うつ病の原因はまだ完全に解明されていませんが、最近の研究では、ストレスに晒されると脳の前頭前野・海馬などが萎縮し、BDNF(脳由来神経栄養因子)が低下し、これがうつ病を誘発するのではないかと考えられています。

運動をすると、前頭前野や海馬の体積が増え、血流が増加し、BDNFが増加します。BDNFは、神経の栄養のようなもので、BDNFが多くなると脳の神経が活性化され、心を安定化させる働きをもつセロトニンやノルアドレナリンなどの分泌が増加し、うつ病の改善を促進するといわれています。

ウォーキングをすると太陽を浴びることになります。この太陽を浴びるという行為が重要です。太陽光により脳内でセロトニンの分泌が開始。このセロトニンも神経伝達物質で「幸せホルモン」と呼ばれるものです。ウォーキングのように一定のリズムを刻む運動の場合、セロトニンをさらに活性化させます。結果としてウォーキングによって幸せを感じるのです。

このセロトニンはうつとも大きくかかわっています。セロトニンの分泌量が少ないとうつになりやすいという傾向があります。外で太陽の光を浴びながらウォーキングを行えばセロトニンが分泌されうつを遠ざけることも可能なります。実際にウォーキングを習慣化している人はうつの発症率が3割ほど低いという研究結果も出ています。また、運動をすると気分が爽快になり、心地よい疲労感に襲われることから質の良い深い睡眠を得られるのです。

どんな運動?

無酸素運動よりも長くゆるめの有酸素運動の方が効果的です。有酸素運動とは、酸素を多く取り入れ、その取り入れた酸素で体内の脂肪を燃焼させるものための運動です。

ウォーキング、ゆっくりした水泳などは有酸素運動です。無酸素運動とは、基礎代謝を増やす運動で、筋力トレーニング、短距離走などをさします。ただし、有酸素運動でもあまりに長時間やると負担になるので、ほどほどにしておくようにしましょう。

毎日決まったタイミングで…という方もいう方もいるでしょうが、メンタルに効果のあるウォーキングなら「思い立ったタイミングで」というのがおすすめです。好きな時に他の予定にしばられないでウォーキングをするということ自体がストレスを軽減させます。タイミングを決められないと続かないという場合はランチに行くとき、出勤の時などと決めても良いでしょう。

ウォーキングを行うのに適切な時間は30分くらいといわれています。男性なら一日9200歩、女性の場合は8300歩が日本で勧められている目標歩数です。これは1時間半ほど歩くことでクリア可能な数値なのですが、人間は日常生活でも歩きます。このことを勘案して健康的なウォーキングは30分くらい、楽しいと感じる時間で切り上げるのがおすすめです。翌日まで疲れが残るような運動はお勧めできません。

歩くという行為は単調な運動の繰り返しなので思考がクリアになりやすいといわれています。歩くことで時間的にも考え的にも余裕を持ち、が精神面での安定につながっていくことでしょう。ウォーキングにメンタルを変える即効性はありませんが、長く続けることで安定した状態を保ちやすくなります。

運動がうつ病に効果があるといっても、運動だけでうつ病が治るというものではありません。医師の指示による薬物療法、精神療法、あるいはストレスの元となっている環境調整などを行っていきましょう。

うつ病は、意欲が減衰していきます。重度のうつ病だとベッドからでることも困難な時があります。そのような状態では運動することは不可能です。

また、いくら運動が効果的だからと言っても、強度が高い運動を行うとBDNFが増加する一方で、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌も促進されてしまうことがありますので症状や体調に合わせたほどほどの運動が、運動療法の基本です。

うつ病で運動療法を行う時の注意点

・特に急性期には無理をせずとにかく休むことを優先に

・気分が悪い時は無理をしない

・義務感を持ちすぎない

・まずは軽いウォーキングから

・自宅の周りの危なくない環境で

・心臓、高血圧などがあれば内科医にも相談しましょう

当院で行っているrTMS治療について

このようにうつ病にはウォーキングがとても効果的ですが当院では、内服をしないうつ病治療rTMS(反復的経頭蓋磁器刺激法)を取り入れています。頭に直接、強力な磁気をあて、刺激を与えることで脳の機能低下を改善することを目的とした治療法です。

rTMS治療は前頭葉の一部分に磁気をあてて刺激を与えることで、前頭葉の活動を活性化させる一方、前頭葉の機能低下を補うためにオーバーヒートしている脳の扁桃体という部位の過活動を抑え、脳機能のバランスを取り戻しうつ病を改善させていきます。

rTMS治療の利点は体の負担は少なく、即効性があるということです。うつ病治療は本来であれば中途半端にすることなく、学校や勤務先を休んで、しっかりと治療に専念することが望ましいのですが、外来でrTMS治療を受け副作用のほとんどない運動療法を取り入れつつ日常生活を維持加療できる場合もありますので、お気軽にご相談ください。

中毒に注意 ~カフェインの摂りすぎは良くない?~

2024.05.22

日ごろコーヒーは多くの人にとって日常的な飲み物であり、コンビニや専門店などで容易に美味しいコーヒーを楽しむことができます。しかし、コーヒーを飲むことが習慣的になってしまうと、コーヒーに含まれるカフェインを摂りすぎてしまう事が起きてしまいます。

今回、カフェインの摂りすぎについてご紹介させていただきます。

関連記事:カフェイン摂取はADHD治療で注意力の向上や学習に対する改善が期待できる

カフェインとは

カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶、コーラなどの飲料に含まれる自然発生する刺激物です。カフェインは中枢神経系を刺激し、一時的に疲労感を減らし、覚醒度を高める効果があります。摂取すると、集中力が向上したり、気分が高揚することがありますが、過剰に摂取すると不安感や不眠などの副作用が現れることもあります。各人のカフェインに対する感受性は異なるため、適量は個人によって異なります。

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カフェインが含まれるもの

カフェインはコーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれています。コーヒーや茶がカフェインの主要な摂取源となっています。また、エナジードリンクや清涼飲料水、風邪薬、眠気防止薬、酔い止め薬などにもカフェインが含まれていることがあります。以下は代表的な食品中のカフェイン濃度です(100mlあたり)

・エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料: 32~300 mg

・コーヒー(浸出液): 60 mg

・インスタントコーヒー(粉末): 80 mg

・玉露(浸出液): 160 mg

・せん茶(浸出液): 20 mg

・ほうじ茶(浸出液): 20 mg

・玄米茶(浸出液): 10 mg

・ウーロン茶(浸出液): 20 mg

・紅茶(浸出液): 30 mg

・抹茶(粉末): 48 mg

カフェインはどれくらいの量が適量なの?

カフェインは過剰摂取すると上で述べたように思わぬ健康被害を生む可能性があります。カフェインに対する耐性などは個人差がありますが、一般的には一日の摂取量は400㎎未満に止めることが推奨されています。また、ヨーロッパなどの基準では一回の摂取で200㎎以上の摂取は控えるべきとの提言もあり、一度に大量のカフェインを摂取せずに、こまめに摂ることが好ましいと考えられています。

カフェイン400㎎はコーヒー4~5杯、紅茶では7~8杯ほどの量に相当します。しかし、カフェインは食品や薬に含まれていることもありますので、一日に摂取する総量を考えて飲み物を調節しましょう。

カフェイン摂りすぎるとどうなる?<中毒症状>

カフェインの過剰摂取は、いくつかの不快な症状や健康問題を引き起こす可能性があります。摂取量が多いと感じる場合、以下のような症状が現れることがあります。

不安感カフェインは中枢神経系を刺激するため、過剰に摂取すると不安や神経質になることがあります。

心拍数の増加心拍数が速くなったり、不整脈が発生することがあります。

睡眠障害カフェインで交感神経が刺激されると、睡眠時に必要な疲労解消やリラックスを司る副交感神経が働きにくくなります。長期間カフェインを過剰摂取すると、不眠症などの睡眠障害になることがあります。

消化器系の問題胃痛、胃酸過多、下痢など消化器系に影響を及ぼすことがあります。

頭痛カフェインは血管を一時的に収縮させる効果があります。カフェインによって頭痛が生じる理由は、カフェインに「血管を収縮させて血流を悪くする作用」があるためと言われています。また、カフェインが体内から抜けると、収縮した血管は少しずつ拡張し元に戻っていきます。締め付けから解放された血管は本来の量に戻るため増加し、これが頭痛の原因となります。

疲労感:カフェインには疲労解消の効果があるといわれていますが、人によっては疲労感が残ることがあるため注意が必要です。「疲労がなくなった」ように感じるのは、カフェインに含まれるアデノシンという成分には覚醒作用によるものだと考えられています。

貧血:カフェインは、鉄の吸収を阻害したり、タンニンと結びついたりすることで、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。

その他:震え、落ち着きがなくなる、焦燥感を感じる

適切なカフェインの摂取量は個人によって異なりますが、一般的に成人の安全な摂取量の上限は1日に約400ミリグラムとされています。これはおおよそコーヒー4杯分に相当します。カフェインに対する感受性が高い人、妊娠している女性、特定の医療状態を持つ人は、より少ない量で影響を受ける可能性があります。過剰摂取を避けるために、カフェインを含む製品のラベルを確認し、自分の体がどのように反応するかを観察することが重要です。

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カフェインの副作用を抑えるには

水分を摂る:カフェインの過剰摂取により起こる症状は、水分を補給することで緩和できることがあります。

カリウム・マグネシウムの摂取:カリウム・マグネシウムの摂取することもカフェインの副作用を抑えることに役立ちます。これはカフェインの過剰摂取でカリウムやマグネシウムが消費されると、震えやイライラなどの症状が起こることがあるからです。コーヒーを飲み過ぎたときには、バナナや濃い葉物野菜などを食べて、カリウムやマグネシウムを補給しましょう。

症状が治まらない場合は病院へ:カフェインの過剰摂取で呼吸困難、胸の痛み、吐き気、心拍異常、筋肉のけいれんなどの症状が治まらない場合は医療機関を受診しましょう。

病院では、活性炭や利尿剤などを用いてカフェインの体外排出を促す治療などが行われます。このような対処法は自己判断で行うと危険なので、必ず医師の指示のもとで行うようにしましょう。

カフェイン断ち

カフェインを断つ(カフェイン断ち)は、カフェイン摂取を減らすか、完全に止めることを意味します。これにはいくつかの理由がありますが、一般的には健康上の懸念、不眠症、不安感の増加、または依存からの解放を目指して行われます。カフェイン断ちをする際には、以下の点に注意すると良いでしょう。

まずは自分の摂取量を把握

カフェイン断ちをする前に、日々の摂取量を把握することが大切です。チェーンスモーカーのように、飲み終わったらまた淹れて飲んで……を繰り返しており、1日何杯コーヒーを飲んでいるのかわからないという方もいるかもしれません。まずは1日にコーヒーを何杯飲んでいるかカウントして、自分の摂取量を把握しましょう。

段階的に減量する

これまでカフェインを多く摂取していた人が、いきなりカフェインを完全に断つと、離脱症状が強く出る恐れがあります。通常は24〜48時間以内に離脱症状が現れることがあります。これには頭痛、疲労感、イライラ、集中力の低下、うつ病感などが含まれます。これらの症状は一般的に数日から一週間程度続きます。この様な症状が強く出ないように、1日に5杯コーヒーを飲んでいた方は、まずは3杯に。翌週は2杯、その翌週は1杯だけ……と徐々に減らしていくと、離脱症状も穏やかになり、少ない負担でカフェイン断ちができるようになります。

代替品を利用する

コーヒーの代わりにデカフェやハーブティーを

「コーヒーが飲めなくて辛い」という方は、デカフェ(カフェインが入っていないコーヒー)やハーブティーを代わりに飲んでみましょう。最近はデカフェでもコーヒーの香りや味わいが楽しめる製品がたくさんあるので、ぜひいろいろな製品を試してご自身のお気に入りを探してみてください。食後の口直しや作業の区切り・一息つきたいときなどにコーヒーを飲んでいた方の場合は特に、デカフェやハーブティーでも十分その役割を果たしてくれると感じるはずです。

睡眠とリラックス

カフェイン断ち中は、質の良い睡眠を取ることが特に重要です。また、ストレス解消法(瞑想、ヨガ、軽い運動など)を取り入れると、撤退症状の軽減に役立つ場合があります。

カフェイン断ちを成功させるためには、自己観察と調整が重要です。体がどのように反応するかを注意深く観察し、必要に応じてプロセスを調整することが、断ちをスムーズに進める鍵となります。

まとめ

ついつい摂取しすぎてしまうカフェイン。嗜好品として1日にコーヒー1杯程度を楽しむのであれば問題はありませんが、摂取のしすぎは睡眠に悪影響を及ぼしたり、イライラや胃腸の不調をもたらしたりする恐れも。カフェインの摂りすぎやカフェインによる不調に悩まされている方は、ぜひ今回ご紹介したカフェイン断ちをやってみてくださいね。また、清涼飲料水として扱われるエナジードリンクにもコーヒーと同程度のカフェインが含まれている場合があります。コーヒーと同様にカフェイン依存に陥りやすい飲料とされているので、エナジードリンクの摂りすぎにも注意しましょう。

五月病

2024.05.01

4月に新年度が始まって約1月が過ぎ、ゴールデンウィークの連休が終わると、梅雨入りも近くなったこの時期、耳にすることが多くなる言葉が「五月病」です。

五月病(ごがつびょう)とは、新年度を迎え、新社会人をはじめ転職や異動など新しい環境で仕事を始める人も多いことでしょう。心機一転、「よし、頑張るぞ!」とエネルギーが湧いてくるものです。
しかし、ゴールデンウィークを過ぎて一段落する頃から、にわかに「やる気が出ない」「ふさぎこむ」という症状が現れる人がいます。俗にいう「五月病」です。
五月病は、環境の変化に伴う心身の負担、ストレスが主な原因です。

「五月病」の多くは一過性の症状であり、適度な休息などで改善されることがほとんどです。ただし、会社や仕事が苦痛に感じるなど、仕事に支障が出るような重症の場合は早めに医療機関を受診しましょう。
「五月病」は正式な医学用語ではありません。医療機関では「適応障害」「軽度のうつ」といった診断名がつけられることもあります。

五月病は「適応障害」の一つと考えられていますが、五月病が急性に起こっているものとすれば、慢性的に続くものといえます。症状としては不眠、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などがあげられますが、梅雨の時期の不安定な気候も影響し、なんとなく体がだるく不調を感じるなど人によってさまざまな症状が現れます。さらに不調が続くとうつ状態となり、「うつ病」を発症してしまう可能性もあります。

適応障害とは
適応障害(てきおうしょうがい)は、日常生活の中で何かがストレス原因となって心身のバランスが崩れ、社会生活に支障が生じる状態を指します。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態と言えます。
適応障害の症状は、ゆううつな気分、不安感、頭痛、不眠などがあります。これらは一般的には正常な人にも現れる症状ですが、適応障害の場合はそれを超えた過敏な状態となります。
日常生活の中で起こった出来事や環境に対してうまく対処できず、社会生活に支障をきたす状態です。治療にはまず原因となっているストレスを軽減し、心理的に回復させることが必要で
す。また、場合によっては薬物療法が必要なこともあります。

適応障害とうつ病の違い:
適応障害とうつ病は、気分が低下するという点では似ていますが、適応障害の原因は環境であるのに対し、うつ病は突然起こったり体質的に生じたりするものです。具体的には、適応障害はストレスに関連したものであり、ストレスが解消されれば症状も改善されることが多いのです。一方、うつ病はストレスとは無関係に発症することもあり、環境を整備しても長期にわたって持続することが多い疾患となります。また、適応障害では楽しいことに対して反応がありますが、うつ病では何に対しても楽しめず、常に気分が落ち込んでしまいます。薬物療法も、適応障害の場合は効きにくい傾向にありまが、うつ病の場合は効果が出やすい傾向にあります。

五月病の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
□ 憂鬱な気分
□ やる気の低下
□ 疲れやすさ
□ 睡眠障害(不眠や過眠など)
□ 食欲不振
□ 集中力の低下
□ 対人関係の悩み

五月病の対処法:
1.生活リズムを整える:規則正しい生活を心掛け、適切な睡眠を取ることが大切です。
2.栄養バランスの良い食事をとる:バランスの取れた食事を心掛け、ビタミンやミネラルを十分に摂取しましょう。
3.適度な運動をする:軽い運動はストレス解消にも役立ち、体の調子を整えることができます。
4.趣味やリラクゼーションを楽しむ:自分の好きなことをする時間を作ることで、心のリフレッシュができます。
5.社会的サポートを求める:友人や家族、職場の同僚など信頼できる人とのコミュニケーションを大切にし、気持ちを共有することが助けになります。
6.目標を小さく設定する:大きな目標よりも、小さな達成可能な目標を設定し、一つずつクリアしていくことで自信をつけましょう。

五月病は一時的なものであることが多いですが、これらの方法を試してみて、自分に合った方法を見つけることが大切です。また、症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、専門家の助けを求めることをお勧めします。