【QEEG解説】モンタージュの解析方法
2024.12.10
QEEGのモンタージュ解析方法には「Laplacian」と「Linked ears」があり、それぞれ異なるリファレンス(基準電極)を設定します。この二つは信号処理の方法や測定目的に応じて使い分けられます。
1. Laplacian
- 概要: Laplacianモンタージュは、各電極の信号を周囲の電極との相対値として計算する方法です。局所的な脳活動の特定や空間分解能の向上に特化しています。
- 方法:
- 例えば、ある電極Aの値を基準に、その周囲に配置された電極(通常4つ程度)の平均値を引くことで、局所的な電位変化を強調します。
2. Linked ears
- 概要: Linked earsモンタージュは、両耳(左右の乳様突起部または耳たぶ)に設置した電極を基準電極として用いる方法です。脳全体の活動を記録する際に多用されます。
- 方法:
- 左右の耳に装着した電極(A1, A2)の平均値を基準として、各電極の値から引きます。
- 特徴:
- リファレンスが両耳に分散されるため、頭皮全体の電位変化を均等に測定可能。
- 広範囲の脳波活動(例: α波、θ波などの背景活動)を記録するのに適している。
- ただし、両耳が正確に等電位でない場合にはアーチファクト(雑音)を引き起こすことがあります。
使い分け
- Laplacian:
- 特定部位の活動や局所的な脳波変化を捉えたいとき。
- 空間分解能を高めるため、研究や診断に有用。
- Linked ears:
- 脳全体のリズムや活動を記録したいとき。
- 臨床現場での一般的な使用や標準的な測定に適している。