アメリカで行われた7つのランダム化比較試験(RCT)を統合したメタアナリシスでは、「同じような経験をした人(ピア)」による支援が、何もしない場合に比べて明確にうつ症状を軽減することが示されました(SMD=−0.59, p=0.002)。
さらに、グループで行う認知行動療法(CBT)と比べても、その効果に大きな差はなく、ピアサポートが専門的治療と同等の力を持ちうることが示唆されています。
参考:PMC3052992:Efficacy of Peer Support Interventions for Depression: A Meta-Analysis
Paul N Pfeiffer 1,2, Michele Heisler 1,3, John D Piette 1,3, Mary AM Rogers 3, Marcia Valenstein 1,2
家族が治療に関わることで回復が早まる
子どもや青年のうつ病治療において、親や保護者が積極的に関与すると、治療の効果が高まるというデータもあります。
17本の研究を統合したメタアナリシスによれば、家族の関与があることで、症状の改善効果は統計的にも有意でした(効果量d=0.34, p=0.01)。
参考:British Psychological Society Journal: Family involvement in psychotherapy for depression in children and adolescents: Systematic review and meta-analysis. Nele Dippel, Katharina Szota, Pim Cuijpers, Hanna Christiansen, Eva-Lotta Brakemeier | First published: 14 March 2022
社会的支援があるだけで、うつ病の「なりにくさ」も「治りやすさ」も変わる
うつ病の発症や再発には、社会的な孤立が深く関係していることもわかっています。社会的支援(友人関係、職場での支援、地域でのつながりなど)があると、うつ病の発症リスクが下がり、治療への反応も良くなる傾向があります。
逆に、孤立している人は治療の効果が出にくく、再発のリスクも高まるとされています。
参考:PMC4465276: The effects of psychotherapy for adult depression on social support: A meta-analysis
Mijung Park 1, Pim Cuijpers 2, Annemieke van Straten 2, Charles F Reynolds III 1