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強迫性障害(強迫症)と眼窩前頭皮質:QEEG検査で見える脳の活動とは?

2024.12.10

強迫性障害(OCD)は、強迫観念と強迫行為によって日常生活に大きな影響を与える精神疾患の一つです。その発症メカニズムには複数の要因が絡んでいますが、近年の研究では脳の特定の部位、特に**眼窩前頭皮質(OFC:Orbital Frontal Cortex)**の異常が重要な役割を果たしていることが明らかになっています。本記事では、OCDと眼窩前頭皮質の関係、そしてQEEG検査がどのように診断や治療のヒントを提供するのかについて解説します。


眼窩前頭皮質(OFC)とは?

眼窩前頭皮質は、脳の前頭葉に位置し、主に以下のような機能を担当しています:

  • 意思決定:選択肢を評価し、適切な行動を選ぶ。
  • 感情の調整:感情的な反応を制御し、柔軟に対応する。
  • 報酬と罰の予測:行動の結果を予測し、それに基づいて行動を修正する。

OCD患者では、この領域の過活動がしばしば観察されます。これが、繰り返し不安を感じたり、不要な行動を繰り返したりする症状につながると考えられています。


QEEG検査とは?

QEEG(定量的脳波検査)は、脳波データを数値化・視覚化することで、脳の活動パターンを分析する検査です。OCD患者では、特定の周波数帯域(特にベータ波アルファ波)が異常を示すことがあります。

OCDとQEEGの関連性

  • 過活動の検出
    眼窩前頭皮質周辺の脳波活動が過剰である場合、それがOCDの強迫観念や行動の基盤になっている可能性があります。
  • ネットワークの不均衡
    眼窩前頭皮質と他の脳領域(扁桃体、視床など)とのネットワークの乱れも確認されることがあります。

QEEGは、こうした異常を非侵襲的に検出し、患者個別の治療計画作成に役立てることができます。


眼窩前頭皮質の異常が強迫症に与える影響

眼窩前頭皮質の過活動は、以下のようなOCD症状に関係しています:

  1. 不安の持続
    何かが「間違っている」という感覚を繰り返し感じ、安心できない。
  2. 行動のループ化
    確認行為や清潔行為など、強迫的な行動をやめられない。
  3. 柔軟性の欠如
    新しい状況や情報に適応できず、同じ思考や行動を繰り返す。

QEEGによって、これらの症状の背景にある脳活動の特徴を客観的に把握できます。


QEEG検査のメリット

  • 個別化された治療計画
    患者の脳波データをもとに、特定の症状に合わせた治療(薬物療法、認知行動療法、TMSなど)を提案できます。
  • 治療効果のモニタリング
    治療前後の脳波を比較することで、治療の効果を定量的に評価できます。
  • 非侵襲的で安全
    QEEGは身体への負担が少なく、安心して受けられる検査です。

治療とQEEG:次世代のアプローチ

OCDの治療では、薬物療法(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI)や認知行動療法(CBT)が一般的ですが、これに加えて**TMS(経頭蓋磁気刺激法)**が注目されています。QEEG検査は、TMSのターゲットを特定する際にも役立ちます。

例えば、眼窩前頭皮質の過活動が認められる場合、この部位を標的にしたTMSが効果的である可能性が示唆されます。


まとめ

強迫性障害は、脳の特定の部位、特に眼窩前頭皮質の異常活動と深く関連しています。QEEG検査は、こうした脳の活動パターンを可視化し、診断や治療の個別化に貢献する画期的なツールです。OCDに悩む方やその治療を検討している方にとって、QEEGは新たな希望となるかもしれません。

テスラクリニックでは、QEEG検査を通じて患者一人ひとりに合った治療をご提案しています。強迫症状でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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