「バレる嘘」をついてしまう——ADHDの大人に見られる“とっさのごまかし”とその理由【大人の発達障害】
2025.04.06
この記事の要約: ADHDの大人が嘘をついてしまうのは、衝動性や不安が関係しています。この記事ではその理由と対処法を解説します。
はじめに:なぜ「そんな嘘ついたの?」が起きるのか?
- 「なんでそんな嘘ついたの?」
- 「隠すほどのことじゃないのに、なんでごまかすの?」
ADHDの診断を受けた大人の方と話していると、こうした“その場しのぎの嘘”について悩んでいる方がとても多くいます。
しかも、ほとんどの場合、その嘘はすぐにバレてしまう——。
この行動、実はADHDの特性と深く関わっており、意志の弱さや誠実さの問題ではありません。
今回はその背景と、実生活でできる対処法をお伝えします。

ADHDの大人が「嘘をついてしまう」3つの理由
① 衝動性と焦りによる“口が先に出る”反応
ADHDの特徴のひとつに、「衝動性」があります。
「やばい、まずい!」と焦ったとき、深く考える前に口が先に動いてしまうことがあります。
→その結果、うまく話を組み立てる時間がなく、「適当なことを言ってしまった」とあとから自己嫌悪に。
② ワーキングメモリの弱さによる混乱
ADHDの方は、会話中に「何を聞かれたのか」「どう答えるべきか」などの情報を整理するのが苦手です。
とっさの受け答えに混乱し、「場をつなぐために嘘っぽいことを言ってしまう」ことがあります。
→あとから「言ってることが矛盾してる」と気づき、自分でも恥ずかしくなる場面も。
③ 自己肯定感の低さと過去の経験
「また怒られる」「また失望される」
そんな経験が重なると、正直に話す=リスクという認知が根付いてしまいます。
→すると無意識に“ごまかし”や“言い逃れ”を選びやすくなります。
「嘘をつかずにすむ」ようになるための実践ステップ
✅ ステップ①:正直に話してうまくいった体験を振り返る
- 「謝ったら、ちゃんと理解してもらえた」
- 「正直に報告したら、むしろ信頼された」
そんな経験、実は過去にありませんでしたか?
**嘘をつかなかった結果の“成功体験”**を思い出すことは、嘘を減らす第一歩になります。
✅ ステップ②:「嘘をつきたくなる瞬間」を把握する
- 遅刻したとき
- 締め切りを忘れていたとき
- ついスマホを見ていたとき
こういった自分の“トリガー”を理解することで、嘘のパターンに気づきやすくなります。
✅ ステップ③:安心して話せる関係・環境を作る
「本当のことを言っても大丈夫」と感じられる環境があれば、防衛的な嘘をつかずにすみます。
職場や家庭で自分の特性を共有できる関係性を、少しずつでも作っていきましょう。
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まとめ:嘘を責めるより、背景に目を向けてみよう
ADHDの大人が「バレる嘘をついてしまう」のは、ズルさではなく、不安や衝動への反応です。
そしてその多くは、本人自身もあとから「やらかした…」と後悔しています。
嘘を責めるのではなく、「なぜそうしたのか?」に目を向けることで、改善の糸口は必ず見えてきます。
そして何より大切なのは、「素直に話してもいいんだ」と思えるような安心できる関係性。
それは、自分で作ることも、誰かと一緒に育てることもできるのです。
ご相談はいつでもどうぞ。
「嘘をやめたい」「信頼を取り戻したい」と思っているあなたの力になれたらと思います。
💡補足:このような傾向のある方へ
当院では、大人の発達障害・ADHDに関する心理的支援や生活アドバイスも行っています。
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