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【漢方相談】幸せホルモン『オキシトシン』とは?漢方で分泌が促される可能性

2024.12.17

オキシトシンとは?心を癒す「幸せホルモン」

みなさんはオキシトシンというホルモンをご存じですか?

オキシトシンは「幸せホルモン」や「癒しホルモン」とも呼ばれ、安心感や信頼感を感じたときに脳内で分泌されます。

具体的にはこんな場面で分泌されます:

  • 大切な人とハグや手をつなぐとき
  • ペットを撫でたり、癒される時間
  • 信頼できる人と会話し、笑い合うとき
  • リラックスして心がほっとする瞬間(マッサージ、瞑想、温泉など)
  • 誰かを助けて感謝されたとき

オキシトシンが増えることで、ストレスが和らぎ、心が穏やかになる効果が期待されます。


そんなオキシトシンですが、実は漢方薬のひとつ「加味帰脾湯(かみきひとう)」が、このホルモンの分泌を助けるかもしれない、という研究結果が出ています。

論文本文はこちら

日本の伝統的な漢方薬である加味帰脾湯は、急性ストレスを受けたラットのオキシトシン分泌を増加させる

Kamikihito, a traditional Japanese Kampo medicine, increases the secretion of oxytocin in rats with acute stress

J Ethnopharmacol
. 2021 Aug 10:276:114218. doi: 10.1016/j.jep.2021.114218. Epub 2021 May 23.

<要約>

加味帰脾湯(Kamikihito)は、14種類の生薬から構成される日本の伝統的な漢方薬で、精神不安や不眠症などの治療に用いられています。近年の研究では、加味帰脾湯がオキシトシンニューロンを活性化し、オキシトシンの分泌を促進する可能性が示唆されています。オキシトシンは、抗不安・抗ストレス作用を持つホルモンとして知られており、加味帰脾湯の精神症状改善効果には、オキシトシン分泌促進が関与していると考えられます。さらに、加味帰脾湯の構成生薬の一部には、オキシトシン神経の興奮性を制御するイオンチャネルであるTREK-1 K⁺チャネルを阻害する作用が認められており、これがオキシトシンニューロンの活性化に寄与している可能性があります。

加味帰脾湯とは

加味帰脾湯(かみきひとう) は、伝統的な漢方薬の一つで、心と体のバランスを整える効果があるとされ、主に精神不安不眠疲労感などの症状に使われます。

加味帰脾湯は、「気(き)」「血(けつ)」の不足を補い、心(こころ)と脾(ひ)(消化吸収機能)をサポートする処方です。

期待される効果

  1. 不安や緊張を和らげる
  2. 眠れない、寝つきが悪いといった不眠症状の改善
  3. ストレスによる食欲不振や胃腸の不調の改善
  4. 疲労感や動悸、貧血などの体の不調の緩和

加味帰脾湯の構成

14種類の生薬から構成されており、代表的な生薬には以下のようなものがあります:

  • 人参(にんじん):気を補い、体力をつける
  • 黄耆(おうぎ):免疫力を高め、疲労回復を助ける
  • 遠志(おんじ):精神を安定させ、眠りをサポート
  • 酸棗仁(さんそうにん):不眠や不安を和らげる
  • 柴胡(さいこ):ストレスを軽減し、気の流れを整える

これらの生薬が組み合わさることで、心の安定身体の健康を同時にサポートします。

どんな人におすすめ?

  • ストレスが多く、気分が落ち込みやすい
  • 眠れない、夜中に目が覚める
  • 疲れやすい、体がだるい
  • 食欲が湧かない、胃腸の調子が悪い

漢方薬「加味帰脾湯」の新しい発見

加味帰脾湯は、古くから心の不調やストレス性の症状を和らげるために使われてきた漢方薬です。今回紹介した研究(2021年)では、加味帰脾湯という漢方薬がオキシトシン分泌を促進する可能性が示されました。

オキシトシンの主な中枢性作用

  • 社会性行動(絆・信頼形成)
  • 母性行動
  • 生殖行動
  • 自律神経系就職
  • 接触抑制
  • ストレス緩和
  • 自閉症状改善

古くから指摘されていた効能だけでなく、発達障害(ASD)に伴う二次的なうつや自律神経失調症にも効果が期待できそうです。

ストレス社会で注目される「加味帰脾湯」とテスラクリニックの治療

ストレスや不安、心の疲れを感じている方が増えている現代社会。加味帰脾湯のような漢方治療は、心と体の両方からアプローチできるため注目されています。

当クリニックでは、以下の治療を組み合わせて提供しています:

<保険診療部門>

  • 一般的な精神科・心療内科診療(抗うつ薬や睡眠薬の投薬、心理検査など)
  • 漢方治療(加味帰脾湯などの処方)
  • <自由診療部門>
    QEEG検査(脳波解析)による脳の状態の可視化
  • TMS治療:ピンポイントでの脳機能を改善
  • 東洋医学アドバイザー
  • 鍼灸治療:東洋医学のプロが心身の不調を調整します

心が疲れていると感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ:オキシトシンと漢方で心をケア

「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンを増やすことは、ストレスや不安から解放される大切なステップです。
加味帰脾湯をはじめとした漢方治療と最先端医療を組み合わせ、心身のバランスを整えるお手伝いをいたします。

テスラクリニックは、あなたの心と体に寄り添う治療を提供します。

「心が疲れている」「眠れない日が続いている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

初診・再診のご予約はテスラクリニック公式LINEから

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