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カフェイン摂取はADHD治療で注意力の向上や学習に対する改善が期待できる

2023.07.30

 ADHD治療に対するカフェインの影響について、面白い記事があったので共有させていただきます。

ケアネット様の元記事(医師限定)

記事のもとになった論文はこちら

Effects of Caffeine Consumption on Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD) Treatment: A Systematic Review of Animal Studies
Javier C Vázquez et al., Nutrients. 2022 Feb 10;14(4)

内容としてはスペインのカタルーニャオベルタ大学の先生が、動物実験においてADHD治療に対するカフェインの影響を検討するシステマティックレビューを実施した、というものです。

 ADHD治療に対するカフェインの影響についてのシステマティックレビューの主な結果は以下のとおり。

・カフェイン摂取はADHD治療で、血圧や体重に影響を及ぼすことなく、注意力の向上、学習、記憶、嗅覚の識別に対する改善が期待できる。
・これらの結果は、神経・分子レベルで支持されている。
・しかし、多動性・衝動性の調整に対するADHD治療のカフェインの影響に関しては、矛盾した結果が得られており、さらなる解明が必要とされる。

 著者らは「これら動物実験レベルで確認されたADHDに対するカフェインの影響は、とくに青年期ADHD治療に流用される可能性が示唆された」としている。

ADHD診療の中で、カフェインを患者さんに勧めることはあまりありませんが(用法容量を守るように伝えないとカフェイン中毒になるまで飲み続けてしまうADHD傾向の人も少なくない+そもそも日本人にはカフェイン不耐症の人が多いため)ADHDの患者さんが生きやすくなるライフハックとして、頭の片隅にとどめておきたいですよね。