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デエビゴで悪夢を見るっていうけど本当?

2024.04.15

オンライン診療「クリニクス」

デエビゴは、製薬会社エーザイが2020年に創製した不眠症治療薬です。この薬は、オレキシン受容体拮抗薬という新しいタイプの薬で、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なり、自然な眠気を強める作用によって不眠症を改善します。

デエビゴの副作用について、「デエビゴを飲んで寝たら悪夢を見るって本当なのですか?」といった質問を受ける事がありますので今回、デエビゴについてご紹介させていただきたいと思います。

デエビゴ(一般名:レンボレキサント)は、中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害に使われることが多い睡眠薬になります。同じタイプのベルソムラと比較して、入眠障害に対しても効果が期待できます。

デエビゴは、オレキシン受容体拮抗薬に分類される新しい睡眠薬になります。覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、睡眠状態を促すお薬になります。

オレキシンは生理的に変動している物質で、日中は増加して夜間は減少しています。デエビゴは睡眠と覚醒に関係する生理的な物質に働くことで、睡眠を促していくお薬になります。

副作用:

1).神経系障害:(3%以上)傾眠、(10.7%)頭痛(4.2%)

        (1〜3%未満)浮動性めまい、睡眠時麻痺

        (1%未満)注意力障害

2).精神障害:(1〜3%未満)異常な夢、悪夢

       (1%未満)幻覚、錯乱状態

       (頻度不明)睡眠時随伴症

3).循環器:(1%未満)動悸

4).消化器:(1〜3%未満)悪心

      (1%未満)口内乾燥、腹痛

5).肝臓:(1%未満)ALT上昇

6).感覚器:(1%未満)回転性めまい、耳鳴

      (頻度不明)眼痛

7).その他:(3%以上)倦怠感(3.1%)

      (1〜3%未満)体重増加

      (1%未満)食欲亢進、多汗症、血中トリグリセリド上昇、異常感、転倒、筋肉痛

メリット:副作用の少なさです。

 ・やめやすい。内服中止に伴う反跳性不眠、離脱症状は観察されず身体的依存は起こりにくい。

 ・認知機能に影響が少ない。自動車運転への影響の少なさ、健忘が起こりにくい。

 ・夜間覚醒時および翌日の姿勢安定性に影響がすくない。

ふらつきが起こりにくい。

デメリット: 

・悪夢を見やすい。オレキシン1・2受容体を強く阻害する

とレム睡眠が増加し、夢が増えて悪夢が見やすくなると言われています。

・眠気が残ることがある。

デエビゴの副作用「悪夢」はどれくらいの確率で起こるのかというと、実はそれほど高くありません。しかし、デエビゴではなぜそのような副作用が起きてしまうのでしょうか?

悪夢の原因:

 そもそも夢はレム睡眠、ノンレム睡眠中どちらでも見るものですが、記憶に残りやすいのが眠りの浅いレム睡眠中の夢。 デエビゴはオレキシン受容体に作用することによって、レム睡眠を増やすので悪夢や異常な夢を見たという記憶が残りやすくなるのです。

薬そのものが悪夢を見せるというよりは、「レム睡眠が増える=夢の記憶が残る」というイメージです。

デエビゴによる悪夢の理由は、オレキシン1・2受容体を強く阻害するため、レム睡眠が増加し、夢が増えて悪夢がみやすくなるためと考えられています。また、デエビゴは作用時間が長く中途覚醒に効果がありますが、用量が多いと持ち越し効果が生じるため、内服する用量に注意が必要です。

悪夢の対処法:

悪夢は、寝る前の不快な気分が出現に関与すると考えられているため、悪夢を誘発するような怖いTV番組などの刺激を避けたり、ストレスを回避するための環境調整を行う事が重要です。

不安や疑問があれば医師に相談して、適切な使用方法や継続的な服用の是非を決定してください。