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五月病

2024.05.01

4月に新年度が始まって約1月が過ぎ、ゴールデンウィークの連休が終わると、梅雨入りも近くなったこの時期、耳にすることが多くなる言葉が「五月病」です。

五月病(ごがつびょう)とは、新年度を迎え、新社会人をはじめ転職や異動など新しい環境で仕事を始める人も多いことでしょう。心機一転、「よし、頑張るぞ!」とエネルギーが湧いてくるものです。
しかし、ゴールデンウィークを過ぎて一段落する頃から、にわかに「やる気が出ない」「ふさぎこむ」という症状が現れる人がいます。俗にいう「五月病」です。
五月病は、環境の変化に伴う心身の負担、ストレスが主な原因です。

「五月病」の多くは一過性の症状であり、適度な休息などで改善されることがほとんどです。ただし、会社や仕事が苦痛に感じるなど、仕事に支障が出るような重症の場合は早めに医療機関を受診しましょう。
「五月病」は正式な医学用語ではありません。医療機関では「適応障害」「軽度のうつ」といった診断名がつけられることもあります。

五月病は「適応障害」の一つと考えられていますが、五月病が急性に起こっているものとすれば、慢性的に続くものといえます。症状としては不眠、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などがあげられますが、梅雨の時期の不安定な気候も影響し、なんとなく体がだるく不調を感じるなど人によってさまざまな症状が現れます。さらに不調が続くとうつ状態となり、「うつ病」を発症してしまう可能性もあります。

適応障害とは
適応障害(てきおうしょうがい)は、日常生活の中で何かがストレス原因となって心身のバランスが崩れ、社会生活に支障が生じる状態を指します。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態と言えます。
適応障害の症状は、ゆううつな気分、不安感、頭痛、不眠などがあります。これらは一般的には正常な人にも現れる症状ですが、適応障害の場合はそれを超えた過敏な状態となります。
日常生活の中で起こった出来事や環境に対してうまく対処できず、社会生活に支障をきたす状態です。治療にはまず原因となっているストレスを軽減し、心理的に回復させることが必要で
す。また、場合によっては薬物療法が必要なこともあります。

適応障害とうつ病の違い:
適応障害とうつ病は、気分が低下するという点では似ていますが、適応障害の原因は環境であるのに対し、うつ病は突然起こったり体質的に生じたりするものです。具体的には、適応障害はストレスに関連したものであり、ストレスが解消されれば症状も改善されることが多いのです。一方、うつ病はストレスとは無関係に発症することもあり、環境を整備しても長期にわたって持続することが多い疾患となります。また、適応障害では楽しいことに対して反応がありますが、うつ病では何に対しても楽しめず、常に気分が落ち込んでしまいます。薬物療法も、適応障害の場合は効きにくい傾向にありまが、うつ病の場合は効果が出やすい傾向にあります。

五月病の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
□ 憂鬱な気分
□ やる気の低下
□ 疲れやすさ
□ 睡眠障害(不眠や過眠など)
□ 食欲不振
□ 集中力の低下
□ 対人関係の悩み

五月病の対処法:
1.生活リズムを整える:規則正しい生活を心掛け、適切な睡眠を取ることが大切です。
2.栄養バランスの良い食事をとる:バランスの取れた食事を心掛け、ビタミンやミネラルを十分に摂取しましょう。
3.適度な運動をする:軽い運動はストレス解消にも役立ち、体の調子を整えることができます。
4.趣味やリラクゼーションを楽しむ:自分の好きなことをする時間を作ることで、心のリフレッシュができます。
5.社会的サポートを求める:友人や家族、職場の同僚など信頼できる人とのコミュニケーションを大切にし、気持ちを共有することが助けになります。
6.目標を小さく設定する:大きな目標よりも、小さな達成可能な目標を設定し、一つずつクリアしていくことで自信をつけましょう。

五月病は一時的なものであることが多いですが、これらの方法を試してみて、自分に合った方法を見つけることが大切です。また、症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、専門家の助けを求めることをお勧めします。