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紹介状(診療情報提供書)を「開けていいの?」——信書開封罪との関係を整理します

2025.09.26

病院で診察を受けたとき、「紹介状」を封筒に入れて渡されることがあります。
そのとき、ふと疑問に思ったことはないでしょうか。

「これ、勝手に開けたら法律違反になるの?」


信書開封罪とは?

刑法133条には「信書開封罪」という規定があります。
これは、他人あての封をした手紙や文書を、正当な理由なく開封すると処罰されるというものです。
通信の秘密を守るためのルールですね。


紹介状は誰のもの?

紹介状は形式上「宛先の医師」あてに作られます。
しかし実際には、患者本人の治療のために作られた文書です。
そのため、患者が自分で開封することは法律的にも問題ありません。
むしろ、医療情報を自分で管理・理解する一環として自然な行為といえます。


家族や他人が開けたら?

一方で、患者本人の同意なく家族や他人が封を開けると、形式的には信書開封罪にあたる可能性があります。
ただし実務では刑事事件になることはほとんどなく、むしろ個人情報保護や守秘義務違反の観点で注意されることが多いです。


別の病院に渡すとき

「この紹介状を、別の先生に見せてもいいの?」
もちろん可能です。
患者本人が開けて内容を確認し、別の医師に渡すことは完全に適法です。
自分の医療情報をコントロールするのは患者の権利ですから、安心してください。


まとめ

  • 紹介状を本人が開けるのは自由。罪にはなりません。
  • 本人の同意なく他人が開けると問題になる可能性はある。
  • 別の医師に渡すのも本人の自由。

紹介状は「秘密の手紙」ではなく、あなたの治療をスムーズに進めるための医療情報ツールです。
大切に扱いながら、必要な場面で活用していきましょう。