よく耳にするようになった「発達障害」とは?特徴や原因について解説
2023.03.19
本日は「発達障害」についてお話しします。
- 発達障害とは
- 発達障害の種類と特徴
- 発達障害の原因
- 発達障害の症状
- 発達障害かなと思ったら(診断と検査)
- まとめ
1.発達障害とは
人はさまざまな能力を持っており、その発達には大きな個人差があります。能力の偏りが大きいときに発達の凸凹(でこぼこ)があるといわれ、発達の凸凹が周囲の環境と合わないことでお困りごとが生じる状態を「発達障害」と呼ぶようになりました。
発達障害という診断結果がなくても、発達の凸凹が大きいことにより日常生活で困り感を抱えることがあります。それをグレーゾーンと表現されることもあります。例えば、学校の勉強についていけない、仕事中にミスが多い、対人関係でトラブルが起きやすいなどです。
発達障害はその方の特性であり、決して特別なことやネガティブなことではありません。
しかし症状が幅広く不明瞭であるため、人知れず生きづらさを感じている方が多いのも事実です。本人や周囲の人が正しく理解をして、その方にあった対応や環境を話し合って支援していくことが大切です。
2. 発達障害の種類と特徴
発達障害は特性やお困りごとによって、大きく3つに分けることができます。
自閉スペクトラム症(ASD)
・他者の考えを理解することが苦手で、コミュニケーションのくせがある
・人との関係を維持・発展することが苦手
・強いこだわりを持つ などの特徴がみられます。
※音・光・肌ざわりなどの感覚過敏を持つこともあります
注意欠如・多動性障害(ADHD)
・不注意(忘れ物や遅刻)が多い
・じっとすることが苦手
・衝動的な言動をしやすい などの特徴がみられます。
学習障害(LD)
・全般的な知的発達に遅れはない
・「読む」「書く」「計算」「聞く」「話す」「推論する」のいずれか1つか複数の能力に困難さがある などの特徴がみられます。
発達障害は各障害が合併することや、知的障害(IQ70未満、日常や社会生活への適応の低さ)を有していることがあります。
3.発達障害の原因
発達障害の原因は未だに明確にはなっていませんが、遺伝子による生まれつきの脳機能や低出生体重などの環境因子が複合的に組み合わさって生じると考えられています。親のしつけや愛情といった育て方が原因で発達障害を発症することはありませんし、本人の意思によるものではないことは理解しておくことが大切です。
4.発達障害の症状
発達障害の年齢による発達段階や障害の程度によって現われ方が異なります。
乳幼児期では抱っこが苦手であやしても笑わない、話していても目をあわせず集団行動を避けるなど、小中学校ではルールや計画を守れない、自分の興味関心のあることだけをするなど、さまざまな症状があります。発達障害は低年齢で発症しますが、大人になってから気づくこともあります。
環境との不適応によって二次障害が生じることもあります。「周囲の理解が得られない」「周囲の人と同じことができない」というストレスが、うつ病や適応障害などの精神症状や不登校や引きこもりに繋がることがあるのです。
5.発達障害かなと思ったら(診断と検査)
発達障害の診断は医療機関で行われますが、精神科や小児科など専門性があるか受診前に確認することが必要です。発達検査は医療機関以外でも受けることができますが、ご自身の状態に合わせて適切な検査を選ぶことが大切です。
また発達検査は得意不得意を把握して今後に活かすものであり、発達検査の結果だけで診断が確定するわけではありません。医学的な診断基準をもとに総合的に評価します。
6.まとめ
発達障害は個人の得意・不得意といった特性が周囲の環境と合わないことでお困りごとが生じる状態で、内容や程度には個人差があります。また、大人になっていく中で環境や人間関係の変化に伴い、潜在的に持っていた特性が生きづらさとして表面化することもあります。
自身や周囲の人に日常生活や社会生活でお困りごとがある、発達障害について相談したい、発達検査を受けたい方はぜひお気軽にテスラクリニックにお問い合わせください。