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紹介状(診療情報提供書)を「開けてもいい?」——知っておきたい法律とマナーの境界 2025年12月27日修正

2025.09.26

病院で渡される紹介状(診療情報提供書)

「自分の体のことなのに、中身が見られないのはモヤモヤする……」

「封筒にしっかりノリ付けされているけど、勝手に開けたらマナー違反? 法律違反?」

そんな疑問を抱く方は少なくありません。今回は、紹介状をめぐる「法律」と、意外と知られていない「医療現場の本音」を整理してお伝えします。

1. 法律上のルール:勝手に開けると「罪」になる?

結論から言うと、患者さん本人が開封して刑罰を受けることは、実務上まずありません。

刑法133条には「信書開封罪」があり、正当な理由なく他人宛の手紙を開けることは禁じられています。紹介状は「医師から医師へ」宛てたものなので、形式的にはこれに触れる可能性があります。

しかし、紹介状の内容は「あなた自身の個人情報」です。 厚生労働省の指針でも、患者さんには自分の診療情報を知る権利(開示請求権)が認められています。自分の情報を確認する行為には「正当な理由」があると考えられるため、警察が動くような事態にはならないのが通例です。

2. それでも「開けないで」と言われる、切実な理由

法律で罰せられないなら開けてもいいのか? と言われると、実はおすすめできません。 それには医療現場ならではの理由があります。

① データの「信頼性」が損なわれる

封が切られていると、受け取る側の医師は「自分に不都合なデータ(検査結果や過去の経歴など)を抜き取ったのではないか?」という疑念を抱くことがあります。情報の正確性が担保されないと、診断に支障が出る恐れがあります。

② 医師との信頼関係への影響

医療は、医師と患者さんの信頼関係で成り立っています。 「開けないでください」と渡されたものを無断で開けてしまうと、新しい担当医に「ルールを守らない人」「コミュニケーションが難しい人」という先入観を与えてしまうリスクがあり、結果として損をするのは患者さん自身になってしまいます。

③ 心理的なショックを受ける可能性

紹介状には、医師同士が効率的に情報を伝えるため、専門用語や非常にストレートな表現(例:疑われる病名や、治療への協力度など)が使われます。それを説明なしに直接目にすることで、大きなショックを受けてしまうケースがあります。

3. 「中身を知りたい!」を叶えるスマートな方法

中身が気になるのは、自分の体に関することですから当然です。 こっそり開けるのではなく、作成した医師に「自分の状況をしっかり理解しておきたいので、紹介状のコピー(または控え)をいただけませんか?」とお願いしてみるのがスマートです。

まとめ

  • 本人が開けても罪に問われることはまずない。
  • ただし、無断で開けると「情報の信頼性」や「医師との関係」にヒビが入るリスクがある。
  • 中身を知りたいときは、遠慮なく「コピー」を依頼するのが一番の近道。

紹介状は、あなたの治療を次のステージへスムーズに引き継ぐための「大切なバトン」です。ルールとマナーを守りつつ、自分の情報を賢く管理していきましょう。