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退職届を拒否されたらどうする?法律と実務で押さえるべきポイント【現役医師が解説】

2025.06.02

退職届を受け取ってもらえない…?2週間ルールの法律解説と、企業側への配慮も忘れない“円満退職”のヒントを精神科医が解説します。

「退職届を受け取ってもらえない」──それでも辞められるって本当?

こんにちは、テスラクリニックです。
今回は、よくご相談いただく「退職にまつわるトラブル」について取り上げます。

特に多いのが、

「退職届を出したのに、上司に『認められない』と言われて困っています…」
というお悩み。

法律的にはどうなのか? そして、職場と揉めずに退職するにはどうすればいいのか?
今日は少し丁寧に考えてみたいと思います。


🧭 法律では「2週間前の退職申し出」でOK

民法627条によれば、正社員などの無期雇用の労働者は2週間前までに退職の意思を伝えれば、原則として退職できます
就業規則に「1ヶ月前までに申し出ること」と書かれていても、法律の原則が優先されるケースが多いのが実際です。


🤝 でも、職場の現場では“人間関係”がある

ここで忘れてはいけないのが、会社や上司の側にも事情があるということ。

多くの企業では、人手不足や引き継ぎの問題に常に悩んでいます。
「急な退職」が発生すると、そのしわ寄せは同僚や管理職に向かいます。

例えば、人事の方から見れば、
「この1ヶ月で後任を探し、引き継ぎをしてもらい、顧客対応に穴が空かないよう調整する」
というハードモードをこなさなければならない。

だからこそ、就業規則で「1ヶ月前の申し出」をお願いしている企業が多いのです。


⚖️ それでも、辞める権利は守られる

とはいえ、心身に限界がきている状態で「あと1ヶ月がんばれ」と言われるのは酷な話です。
私たち精神科の外来でも、「もう限界。でも会社が辞めさせてくれない」と涙ながらに語られる方がいます。

法律は、最終的には働く人の“逃げ道”を守るために存在します。
2週間ルールは、まさにそのための安全弁です。


✅ 退職届を拒否された場合の対応

  1. 書面で記録を残す(内容証明郵便)
  2. メールやLINEでも記録は有効
  3. それでも辞めさせてもらえない場合は、労基署や退職代行も視野に

🧘‍♀️「揉めずに辞める」ためにできること

  • なるべく感情的にならず、淡々と意思を伝える
  • 可能であれば引き継ぎ計画を用意しておく
  • 上司や同僚に感謝の一言を添える

これらは義務ではありませんが、「円満退職」を目指す上での知恵です。


👨‍⚕️ それでも心が折れそうなときは

「辞めたい」と思う気持ちは、心からのSOSかもしれません。
追い詰められて体調を崩してしまう前に、どうか早めにご相談ください。

当院では、退職や職場の人間関係でお悩みの方にも対応しています。


💬 ご相談はお気軽に

✅ 退職を考えているけど手続きに不安がある
✅ 職場とのやり取りで疲弊している
✅ 初診から話を聞いてほしい

当院では、会社・個人事業主・人事の方からのご相談も承っております。
職場のメンタルヘルスに関する医療相談は、25分あたり5,500円(税込)です。
ご希望の際は、「医療相談」としてご予約ください。

日曜・夜間の診療も可能です。
公式LINEまたはWeb予約からどうぞ。


🔚最後に

辞める側、支える側、それぞれに“正しさ”があります。
だからこそ、対立ではなく「整理された対話」が必要だと私たちは考えています。

もし今、ひとりで悩んでいる方がいれば。
その荷物を、ほんの少しだけでも一緒に持たせてください。