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2026年09月のブログ記事一覧

子供が怒りっぽい・イライラしているとき「怒っている?」と聞く前に

2026.09.28

「最近、子どもが怒りっぽい」「些細なことでイライラする」「何もしていないのに不機嫌になる」。

児童精神科では、こうしたご相談を受けることがあります。特に発達障害や自閉スペクトラム症(ASD)の特性があるお子さんでは、自分の疲れや身体の状態、感情をうまく言葉にできないこともあります。

今回は、診療で経験するさまざまなケースをもとに内容を変更した、架空のお話です。

ある中学生のお子さんがいました。夕方になると少し口数が減って、返事もぶっきらぼうになります。それを見たお母さんが心配して、「どうしたの?」「何かあった?」「怒ってる?」と尋ねます。

本人は「怒ってない」と答えます。それでも「いや、絶対怒ってるでしょ」と言われるうちに、「だから怒ってないって!」と、本当に怒ってしまいました。

診察室で話を聞きながら、「ところで、それって何時くらい?」と尋ねてみました。夕方、夕食の少し前でした。

「お腹空いてなかった?」

本人は少し考えて、「……めっちゃ空いてた」と。

どうやら、その日の「不機嫌」の正体は、少なくとも一部は空腹だったようです。

子どもの「イライラ」は心の問題とは限らない

子どもが不機嫌そうにしていると、大人はその理由を探します。「学校で何かあったのかな」「友達と喧嘩したのかな」「嫌なことがあったのかな」。もちろん、そういうこともあります。

でも、もっと単純なこともあります。

お腹が空いている。眠い。疲れている。暑い。寒い。音や人の多さに疲れた。あるいは、対処しなければならないことがあるけれど、どうしたらいいか分からない。

大人でも、寝不足の日や空腹のときには、普段なら気にならないことでイライラします。子どもなら、なおさらです。

発達障害・ASDと「自分の状態に気づくこと」

特に発達特性のあるお子さんでは、「なんとなくしんどい」というところまでは感じていても、なぜしんどいのかを自分で整理して、言葉にすることが難しい場合があります。

自閉スペクトラム症(ASD)では、自分の身体内部の状態を捉える「内受容感覚」や、自分の感情を認識して言葉にする力に個人差があります。

つまり、「今どんな気持ち?」と聞かれても、本人にもよく分からないことがあるのです。

そこに周囲から「怒ってるでしょ」「本当は嫌なんでしょ」と気持ちを決められてしまうと、それ自体がストレスになります。もともとは「疲れた」「お腹が空いた」だったものが、やり取りを重ねるうちに本当の怒りに変わってしまうこともあります。

「怒ってる?」ではなく、身体の状態を確認してみる

そんなとき、私たちは子どもの感情を一生懸命読み取ろうとしなくてもいいのかもしれません。

「お腹空いてない?」「眠くない?」「今日ちょっと疲れた?」「少し静かなところで休む?」

まずはそんなところから確認してみるのも一つです。

実は依存症の領域にも、少し似た考え方があります。「HALT」という言葉です。Hungry(空腹)、Angry(怒り)、Lonely(孤独)、Tired(疲労)。こうした状態は、飲酒などの問題行動につながるリスクを高めることがあるため、まず自分の状態を確認してみよう、という考え方です。

もちろん、子どもの不機嫌や癇癪をHALTだけで説明できるわけではありません。ただ、複雑な心の問題を考える前に、まず基本的な状態を確認してみるという発想は、子どもとの関わりでも役立ちます。

子どもが怒りっぽいとき、まず確認したいこと

子どもが不機嫌なとき、怒りっぽいとき、急に黙り込んだとき。すぐに原因を見つけようとしなくても大丈夫です。

食べたかな。眠れているかな。疲れていないかな。刺激が多すぎなかったかな。何か困っているけれど、自分でも整理できずにいないかな。

それでもイライラや怒りが長く続く、学校や家庭生活に支障が出ている、本人もつらそうにしている場合には、不安や抑うつ、発達特性、学校でのストレスなど、別の背景について考える必要があります。

精神科では、どうしても「心」に目が向きます。でも、心と身体はきれいに分かれているわけではありません。

「どうして怒っているんだろう」と一生懸命考えていたら、実はただ、お腹が空いていた。

心を深く読み解くことより、晩ごはんの方が先。そんな日もあります。

福岡で中学生・高校生の児童精神科・発達障害のご相談をお考えの方へ

テスラクリニックでは、10歳以上のお子さんの精神科診療に対応しています。中学生・高校生の方も診療しています。

発達障害(自閉スペクトラム症・ASD、注意欠如・多動症・ADHD)のご相談をはじめ、不登校、学校生活への適応、不安や気分の落ち込み、イライラ、親子関係など、思春期にみられるさまざまな困りごとについてご相談いただけます。

「発達障害なのか知りたい」という場合だけでなく、「学校には行けているけれど家ではつらそう」「最近イライラすることが増えた」「本人もうまく説明できないけれど、何か困っていそう」といった段階でも構いません。

福岡で10歳以上のお子さん、中学生・高校生の児童精神科・思春期のこころの相談先をお探しの方は、テスラクリニックへご相談ください。

うつ病に対するrTMS治療を行っています。

2026.09.28

テスラクリニックでは、うつ病に対する治療の選択肢のひとつとして、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療を行っています。

rTMSは、頭部に磁気刺激を与えることで、うつ病に関連する脳の領域に働きかける治療法です。

うつ病の治療では、休養や環境調整、薬物療法、心理療法などが基本となります。

一方で、

  • 薬を服用しているものの、十分な改善が得られない
  • 薬の副作用がつらい
  • 薬物療法以外の治療についても検討したい

といった場合には、rTMS治療が選択肢となることがあります。

当院では、診察で現在の症状やこれまでの治療歴などを確認したうえで、rTMS治療が適しているかを判断しています。

なお、すべてのうつ病の方にrTMS治療が適しているわけではありません。また、当院でのrTMS治療は自由診療となります。

「こういう治療法もあるのか」と知っていただき、治療を考える際の選択肢のひとつになればと思います。

rTMS治療について気になる方は、診察時にご相談ください。